北山悦史 淫ら妹 十四歳の秘密
目 次
第一章 お兄ちゃん、あたしもっと気持ちよくしたげる
第二章 相姦初体験は迸るホットミルクとともに
第三章 人妻の花弁のうごめき、レズの味
第四章 佳奈はももを震わせて小刻みに喘いで
第五章 痛くって、よくって、いっちゃいそう……
(C)Etsushi Kitayama
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第一章 お兄ちゃん、あたしもっと気持ちよくしたげる
何が驚いたといって、兄が女装してるものだからびっくり仰天だった。アッケにとられ、しばしわれとわが目を疑った。が、それが目の錯覚でも何でもないことを知ってから、あらためて驚いた。
その二番目の驚きは、最初のとは違っていた。最初のは、夢にも思わぬことを見たという、いわばごく普通の意味でいう驚きであったのだが、二番目のは、兄の女装姿がべつにグロテスクなものでもえげつないものでもなく、よく見てみると意外とマッチしているのを認めざるをえないという、〃感心〃に近い感情だった。
半分眠っていた頭など、十時間も熟睡していたかのようにすっかり冴えきってしまい、美沙希は螢光灯の明かりの漏れてくる立てつけの悪い襖の隙間から、女装の兄を観察した。
兄の雄太は、高校二年にしてはいささか薄っぺらでたよりない感じの胸にスリップを着け、ベッドのブルーの毛布の上で〃お嬢さん座り〃をしている。その白いスリップは間違いなく美沙希のものだ。九時頃に風呂に入った時に脱いで、洗濯機の中に放り込んだやつだ。
美沙希は中三といってもクラスで小さい方から数えて六、七番目の体格で、胸囲もようやく八十を超えたばかりだし――コーフンしておっぱいがふくらみ、乳首がツンと立った時は八十四、五になるんじゃないかとは思うが――少なくとも大柄とはいえない。そんな美沙希のスリップを身に着けられるということは、兄は思った以上に華奢な体をしてるのだろう。まあ、美沙希と違って小学校の時から勉強を趣味にしているような秀才タイプだから、頭脳ばかり発達して骨格は中学生並み、ということなのかもしれない。
スリップの肩紐とダブって、同じく白いブラジャーの紐が見える。それも、階下の父や母が寝入ってからそっと洗面所に行き、洗濯機の中からこっそり取ってきた美沙希のものに違いない。スリップも着られるのだから、ブラジャーのフックもしてるのだろう。乳房のない胸がそれほどもこもこしていないのは、フックを掛けている証拠だ、たぶん。
美沙希のところからは、兄の左半身が見えている。ブラジャーのカップのせいでいくらか厚みのできた胸に触ってその感触を確かめていたふうだった兄が、両手を頭にやり、顔を仰向け、ロングヘアの女がよくやる手つきで、長くもない髪をかき上げる仕種をした。
《ウソー。やだー。心まで女になりきってんじゃないー?》
プッと噴き出しそうになってしまった。小さい時から頭がよく、だからといって自分の目標と思っていたわけではないが、コト勉強に関しては一目も二目も置いていた兄が、こともあろうにその本質がオカマだったとは……。
色っぽい仕種で髪をかき上げていた兄が、左手を胸に戻し、右手をそのまま下に持っていき、白いスリップに包まれた〃お嬢さん座り〃の――それにしても美沙希はこの十数年で初めて、兄がそんな座り方をしてるのを見た――下腹部に当てた。
《きっとするわ……。絶対する》
そう思った時、心臓が痛いぐらいにドッキンドッキン跳びはねてるのに気がついた。それを知ると、柱に触っている右手も、シャーペンを挟んだノートを持っている左手も、手のひらにべっとりと汗をかいている。左手の方がぬるぬるしているが、いわゆる「手のひらに汗を握る」というのがこれなのだろう。
思ったとおりだった。兄の雄太は膝にかかっているスリップの裾を、あたかも自分自身をじらすような、尺取虫みたいなのろさでめくりはじめた。男というよりはどっちかというと女に近い白くすべすべした腿が、わずかずつ現れる。その部分だけを見ていると、男が、ゆっくり愉しみながら女を脱がしているようだ。
一人芝居をしている兄の整った顔が歪んでイヤイヤをし、その口から、
「あ……だめ……」
と、なんとそんな言葉が出てきて美沙希はぶっとびそうになった。
《なによお。なにがダメ、よお》
ひとのブラジャーやスリップを使っていい気なものだと、美沙希はいきなり襖を開けてシャーペンをぶつけてやろうかと思った。
が、それはないと思い直した。あの夏休みの初体験から一年以上経ち、その後も経験を積んで男のコのことはいろいろ知ったが、一人きりの時にする男のオナニーというのはもちろん見たことがない。このまま見ていて決して損はないと思った。それも、女装の兄のオナニーだ。きっと一見の価値はある。自分の知っている四人の男のコたちはだれも乳首なんか気持ちよく感じないが、乳房がないくせにあるように揉んでいることだけでも、それはいえそうだ。ひょっとしたら、乳房そのものはなくても、快感というものはあるのかもしれない。
「あ……だめ……」
またそんなことをつぶやいて、兄がスリップの裾をたくし上げた。と、予期してよさそうなのに予期しなかったことに、白いスリップの下から現れたのは、やはり美沙希のパンティなのだった。
思わずカーッとして、顔から火が噴きそうになった。
グレー地に白のストライプの入った薄い綿のそのパンティは、昨日の夜からほぼ二十四時間穿いていたものだが、汚れてるのだ。もうじき生理が来る時期だからそのせいか、生クリームみたいなおりものがあって、われめの半分ぐらいの長さで汚れてる。それを知られるのが恥ずかしくて、パンティは四つ折りにたたんで汚れ物のずっと下の方に隠して入れた。それを兄の雄太は、ここ掘れワンワンみたいに捜し出してきたのだ。そしてそこを自分のアレに密着させて穿いてる。ペニスに密着してるのかフクロに密着してるのかそれは知らないが、とにかくそうなっているのは間違いない。
《見られちゃった……。お兄ちゃんに見られちゃった……》
逆上して顔が真っ赤っ赤になったが、それをはるかに凌ぐ衝撃に息を飲んだ。
〃お嬢さん座り〃をしていた兄が、壁に背中をもたせかけ、腿をつっぱらせて腰をせり上げたのだ。当然のことに、テントがこれ見よがしに突き立った。
《やだっ!》
ヤリのように鋭いそのテントに、美沙希はあやうく叫び声を上げるところだった。
もし兄が自分のブリーフを穿いているのであれば、そんなに驚きはしなかっただろうが、なんといっても美沙希のパンティを穿いているのだ。布地が薄くやわらかいためか、亀頭の形をクッキリ見せて突っぱっている。亀頭の表側のへりの部分が、もともと薄い布地を思いっきり薄くして張り出している。
《えー? もう?》
やだあ、お兄ちゃんたらあ、と美沙希は思った。というのは、ヤリの先っちょが、早くも濡れているからだった。細い白のストライプの入ったグレーの布地が、亀頭のつるんとしたてっぺんのところだけ、黒っぽいシミになっている。男が、精液とは別に女みたいな粘液を出すということを知った時は、新たな発見をした感激ですっかり嬉しくなってしまったが、その液がもう滲み出してる。
その液が出てるということは、兄の雄太がかなり昂ぶってる、ということに他ならない。その昂ぶりの原因は、いうまでもなく女装だった。そして女装は女装でもまず間違いなく、美沙希の下着を身に着けているという理由であるはずだった。なぜなら、今兄が身に着けている三点の下着のすべてが美沙希のものだったからだ。特にパンティなどは、洗濯機の奥の奥から見つけ出してきた。
《お兄ちゃん、あたしの肌着であんなにコーフンしてるんだ》
そうなんだ、あたしの下着を着て、お兄ちゃん、あんなにコーフンしてるんだ。と美沙希は思った。なにかしら熱いものが込み上げてきて、美沙希は胸の高鳴りをあらためて感じた。シャーペンを挟んだノートを持っている左手など、汗でべとべとになっているが、だからといってそれを下に置くという心の余裕もなく、落としてはならないと、かえって強く握りしめたりしてる。
家には女というと自分と母の二人しかいないから、マザコンか何かよっぽど変態的な好みを持っていないかぎり、兄は自分の下着を選ぶだろうけど――もっとも、考えたこともない女装趣味を持っているのだから、立派に変態的とはいえる――まだオナニーも始めてもいないのに粘液を滲み出させているということは、相当の快感なのだ。あんまりエクスタシーが強くて、勃起に触ったとたん、ビュッと噴出させてしまうのではないだろうか。だから、そうなってはもったいなさすぎるから、じらしじらししているのかもしれない。
《ねえ、するんなら早くしてよお。イライラしてくるじゃないー》
今日はもう勉強どころではないなと、兄に訊こうとしていた問題のことは完璧に諦め、美沙希はノゾキに本腰を入れることにした――。
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