赤松光夫 未亡人の寝室
目 次
孤閨の疼き
愛欲三重奏
巨根じめり
淫具未亡人
挿入だめし
乱倫未亡人
ひくひく未亡人
童貞しぼり
花芯じめり
痴女もどき
乱交じめり
愛撫がいっぱい
交悦通信
悶絶教室
(C)Mitsuo Akamatsu
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孤閨の疼き
1
「奥さん、それじゃ、ぼくはこれで失礼します。今後とも、ぼくに出来ることがあれば、なんなりとお申しつけください」
「あの……」
和歌子は、三井謙次を送り出しながら、彼の顔を見上げた。
「なんでしょう」
「あの、わたし、三井さんのご意見をうかがいたいことがあるんです」
「そうですか。それじゃ、奥さまのご都合のよいおりに……」
「明日にでも、いけないでしょうか」
「いいえ、そんなことはありません。じゃ、明日の夜でも、勤め帰りにお寄りしましょう」
「すみません。でも嬉しいわ」
玄関で靴をはく三井の背中に声をかけながら、その厚い背中に、和歌子は、血の騒ぐのを覚えていた。
夫を交通事故で喪い百ヵ日の法要をすませたばかりの喪服の妻の心をまた別の心が、波立てる。
「それにしても、和歌子さんは、まだ若いし、今後の身のふり方を考える必要があるわね。たとえ子供さんはいようと、このまま未亡人で一生を過ごすという訳にはいかないでしょう」
身内の者もそういってくれるし、夫の実家の両親も昨夜から来て、
「なんなら、智子は、当分、うちで預ってもいい」
などともいってくれた。
たしかに和歌子自身、今後の身のふり方を真剣に考えなければならなかった。
その夜、客たちが、帰り、来客にはしゃいでいた四歳の智子も寝静まったあと、和歌子は一人、ベッドの上でネグリジェの膝を折り、それに頭を載せ、考え込んでしまった。
事故のあと、和歌子は、気も転倒して、ただ夢中で毎日を過ごしていたが、一週間、二週間とたつに従い、自然と涙は乾き、新しい事態に直面して生きようとする自分をとり戻していた。
たとえ夫を愛していたとはいえ、もうこの世にいない夫のことをあれこれ考えてみてもしかたない。
薄情だけれど一刻も早く忘れて、新しい生き方を考えなければ、そう思う。
夫には申し訳ないが、そう考え始めるのと同時に、和歌子の体は、本来の生気をとりもどし、夜が淋しく、熱く燃える二十八歳の体をもてあまし始めていた。
夫の死後、二週間目に、和歌子は、燃える体に逆らえず、遂にオナニーで自らを慰めるほかなかった。
いつまで、このような状態がつづけられるだろうか。
今も和歌子は、それを考えていた。
翌日、朝から和歌子は、三井謙次を待っていた。
三井謙次は夫戸崎の親友である。しかし単なる親友ではなかった。和歌子は、戸崎と結婚する以前から三井を知っていた。
三井の紹介で戸崎と知り、結婚した。
その三井とは、高校時代に先輩、後輩としてクラブ活動で知りあい、キスからペッティングを経験した初めての相手であった。
もちろん、そのようなことは、夫には口が裂けても話せることではなく、胸中深く秘めて結婚した。
しかも、今もって和歌子の三井に対する気持は複雑で、夫の死後は、夫のことよりも謙次との昔が脳裡に甦りそれを考える方が、和歌子の心を明るくさせた。
悲しみに打ちひしがれた女心は、もう死んだ男より生きている男を慕うのであろうか。
謙次を迎え、和歌子は久しぶりにはずむ自分の心を押えかねた。
「いろいろお世話になりながら、なんのお礼もいえませんでした。今夜は、ゆっくりしていってくださいね」
和歌子は、娘を寝かしつけたあとも謙次にアルコールをすすめ、自分も口にした。
酔いたかった。
「いいでしょう。少し酔っても……」
「少しならね」
「あなたって、昔から憎らしいほど冷静なのね。自分とつきあいのあった女性を、親友に紹介して、結婚させても、微動だにせず、その親友とつきあうあなたを、わたしは長い間理解できなかったわ」
「むしろ、だからこそ、ぼくは、あなた方に親しみを感じられたんだよ」
「英夫は知っていたのかしら……」
「まさか――」
謙次は笑ったが、その笑顔が、また憎らしい。
しかし今さら昔のことをむし返す気にはなれない。昔のことは夫の死で、全て過去にしてしまいたい。
2
「あら、わたし、冷蔵庫にまだお料理作ってあったの忘れたわ。ごめんなさい」
そういい立とうとして、よろめき、和歌子は、つい謙次の肩に手をかけた。
「いいんだよ――」
謙次が、彼女の腕を支えた拍子に、和歌子は彼の胸の中に倒れ込んだ。
そのとたん、和歌子心を読みとりでもしたように抱きすくめられ、頬に謙次のキスを受けていた。
「あら、いけませんわ!」
和歌子は、謙次の体をつき離そうとした。
だが、それ以上の強い力で彼の唇は、和歌子の白い浴衣を着た襟足から、唇へと迫った。
「ダメよ。いけませんたら……」
抵抗しながらも声はひそめている。
そのまま、重い力で和歌子は、彼の体の下に組み敷かれた。
抵抗しながら、それが、形だけのものだと自分で気づいていた。
唇に唇が重ねられた。
和歌子は、それからも逃れようと、顔をふり、歯を喰いしばった。
それも意志とは裏腹な行為であった。
だが、彼の唇で唇が覆われ、舌が押し込まれると、その舌を吸い、痺れるような疼きを感じ、全身から力がぬけて、熱気に浮かされたようになった。
「……もういいじゃないか。ご主人は亡くなったんだよ。いつまでも亡くなった彼に義理立てする必要もあるまい……」
耳もとで囁く。
「…………」
夫の親友の言葉だろうか。そんな思いがする一方で、
「ぼくはね、和歌子ちゃんを彼に紹介して、結婚すると聞かされた時には、ずいぶん戸惑ったし、あわてたんだよ」
そう初めて昔のことを口にし始めた。
「……どうして」
急に和歌子は、組み敷かれたまま冷静になった。
かつての二人だけの世界に返っていく思いがした。
「いや、あの当時は、ぼくも迷っていたんだ。しかし、ぼくには、いろいろな事情で、今の妻と結婚しなければならない理由があったんだよ」
「わかってるわ……」
「そして、あなたを諦めるために戸崎にあなたを紹介した。しばらくして結婚を約束したと聞かされた時は、実の所、ショックだった。君を愛していたんだよ。取り乱してもう一度、戸崎から、君を奪い返そうかと思ったくらいなんだ」
「……わたしは、あの結婚、あなたに対する面当てみたいな気持だったのよ」
無言になると再び、謙次が、激しい息づかいで唇を重ねて来た。
和歌子は、もう逆らわなかった。
自然に受け、そしてつぎに、下腹部から火のように燃えてくるものを感じながら、彼の唇を吸い、舌をからませた。
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