睦月影郎 女子高生 幼蕾散花
目 次
第一章 思春期の甘き香り
第二章 破戒和尚蜜の戯れ
第三章 女教師恥辱の悶え
第四章 処女散華熱き滴り
第五章 羞恥責め蕾の戦き
第六章 美少女濡れた花弁
(C)Kagero Mutsuki
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第一章 思春期の甘き香り
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道場内に、女子高生たちのかん高い気合いや床を踏み鳴らす音、竹刀の交わる乾いた音などが響いていた。
騒めきの合間にも、暑苦しい蝉の合唱が聞こえている。開け放たれた格子窓からも、少しの風も入ってこない暑い日だった。
「そらそら、気合いを入れてかかってこい!」
藤尾は竹刀を正眼に構え、相手を誘うよう小刻みに上下させながら怒鳴った。
女子高生は全部で十一人、どうしても一人余るので顧問教師の藤尾もローテーションの稽古に加わっているのだ。
相手は二年生の杉田美雪、面金の奥でつぶらな目が怯えていた。
生徒はお揃いの白い稽古者に袴、鮮やかな赤胴を着けていた。藤尾だけ、濃紺の稽古着と袴に黒胴である。
室内には十一人の女子高生の、生ぬるく甘ったるい汗の匂いが籠り、ただ一人だけ男の藤尾は密かな興奮を覚えていた。
「エイッ……!」
美雪が、精一杯の気合いをかけて踏み込んできた。友人に誘われて半ば強引に剣道部に入部したものの、おとなしすぎて二年生の今も初段を取っていない。
面に飛ぶ竹刀を、藤尾は軽く払って美雪の横面を激しく打った。
「アッ……!」
面金の奥で整った顔が苦痛に歪み、バランスを失った美雪に、さらに藤尾は連続攻撃を加えた。
「どうした、おれから一本取るまで終わらんぞ」
藤尾は激しく美雪の面や籠手を打ちながら、手に伝わる彼女の弾力に興奮した。袴の中で、もう一本の刀が大上段になろうとしている。
しかも藤尾は、わざと美雪の防具を外して打ち、腋の下や肘あたりに容赦なくアザをつけてやった。
もちろん、わざと打っていることなど美雪は気づかないだろう。避け方が悪ければよくあることだ。
続けざまに打たれて目が回るのだろう。美雪は反撃もできず後退するばかりだった。
思春期のふくらんだ胸を押しつぶす赤胴、汗ばんだ首筋、たまに袴の脇から白い太腿までチラリと見えることもある。
面や籠手の革にミルクのような甘い汗の匂いが混じり、鍔競り合いで接近したときには面金を通して、湿り気のある果実のようなかぐわしい呼気を感じることもできた。
(そろそろ限界だな。足にきてやがる……)
美雪のフラつく足元を見て、藤尾は思った。
そう急いでシゴくこともない。まだ合宿ははじまったばかりだ。自分の嗜虐欲を満たす期間は、まだまだ五日間もあるのだった。
やがて壁ぎわに追い詰められた美雪が、必死になって竹刀を振りかぶってきた。
「面……!」
かぼそい声を喉の奥から絞り出し、美雪が打ちかかってきた。
藤尾はわざと避けず、そのまま面を打たせてやった。弱々しい打ち込みだったが、まあいいだろう。
「よし、稽古やめッ!」
藤尾は声を張り上げて全員に言った。美雪もほっとしたように肩から力を抜いた。
全員が稽古相手と蹲踞して礼を交わし終えると、今度は稽古中とは違った和やかな騒めきが道場内を満たした。
まだ日は高いが、生徒たちはこれから風呂の支度や夕食の準備にかからなくてはいけないのだ。
藤尾一人、防具を外して道場を出て、井戸端で稽古者を脱いで水を浴びた。周囲の山々は緑がまぶしく、人家も見えず、聞こえるのはおびただしい蝉の声だけだった。
藤尾弘史、二十八歳。都内女子高の国語教師だが、剣道四段で顧問をしている。
ここは神奈川県西北部の山中、藤尾自身が高校剣道部時代よく合宿に使わせてもらっていた山寺だった。
村の過疎化が進み、今ではすっかりさびれているが、和尚一人で気ままに暮らしているようだ。
藤尾が夏休みの合宿を申し込むと、和尚は喜んで承知してくれた。
道場は、もと村人の集会所に使われていた建物を改築したものである。
生徒十一人中、五人が二年生で残りは一年生。三年生は、一学期いっぱいで受験のため引退していた。
十五〜七歳のピチピチした美少女ばかり十一人、中には美雪のように、なぜ運動部にいるのか場違いなおとなしい子もいるが、みな熱心に稽古に励んでいた。
最近は都内の女子高生たちの間でも武道が見直され、礼儀正しく姿勢も良くなるということでPTAの評判も良かった。
藤尾自身、おしゃれや男遊びに夢中な軽薄少女より、きりりとして芯の通った女性に魅力を感じる方である。
だから稽古にも容赦はなかったし、痛めつけられても必死に向かってくる少女たちに限りない興奮と欲望を覚えるのであった。
やがて身体を拭きおわった藤尾は、上半身裸のまま道場に戻った。
入れ替わりに、道場の掃除を終えた生徒らがゾロゾロと出てくる。
「お掃除終わりました」
「よし、ご苦労」
すれ違うとき、藤尾の肉体美をチラと見て恥ずかしげに目を伏せる少女も何人かいた。
みな、汗に濡れた稽古着を手にし、白の体操服と濃紺のブルマーに着替えていた。ブルマーというより、脇に白線の入った短パンである。
稽古以外の活動では、この格好が生徒たちの服装になっていた。
これから一年生は、二年生の分も含めて稽古着の洗濯や風呂の準備にかかり、二年生は厨房に入って夕食の支度をすることになっている。
藤尾は一人で道場に戻り、ジャージに着替えることにした。五十畳ほどの板張りの室内には、まだ少女たちの生ぬるい熱気と甘い体臭が残っていた。
奥には、集会所の頃に講話や演芸などにも使用されたのか、ステージや楽屋まで残っている。
女子ばかりなので更衣室はなく、みな道場で着替えていたが、藤尾だけ楽屋を更衣室に使っていた。
ところが藤尾が奥に入ると、一人の女生徒が居た。
「なんだ、杉田じゃないか。まだ居たのか」
「あっ……」
声をかけられ、美雪は驚いたように身体を縮めた。彼女も、汗ばんだ白い上半身を露にしていた。
「す、済みません……救急箱を探していたので……」
美雪は急いで、汗に湿ったままの稽古着を再び羽織ろうとした。
この小部屋は藤尾の更衣室以外に、小さな流し台もあることから生徒たちのタオルや私物も置かせてやっているのだ。
「救急箱はこっちだ。どうした、怪我したのか?」
藤尾は棚から箱を下ろし、隅で縮こまっている美雪に近づいて腰を下ろした。
後ろで束ねた長い髪が運動の後で乱れ、ほんのりと甘い汗の匂いが藤尾の鼻腔をくすぐった。
「いえ、大したことないんです。自分でしますから……」
美雪が俯いたまま小さく言う。
十七歳になったばかりの恥じらいが、その後ろ姿から匂うように感じられた。
「いいから見せてみろ。最後に稽古したのはおれだからな、責任がある」
「ああっ……」
藤尾は彼女の前に廻り、強引に稽古着をはぎ取ってしまった。
美雪は腕を縮めながら、羞恥と戸惑いに息を震わせた。相手は教師なのだから、言うとおりにしなくてはいけないと思う気持ちと、男性だというためらいが彼女を混乱させているようだ。
もちろん下半身の白い袴一枚だけで、上半身はブラジャーも着けていなかった。
「これか、おれが打っちまったんだな」
藤尾は興奮を抑えながら、済まなそうに言った。
美雪の右肘と、右の腋の下が赤いアザになっている。
肘は大したことないが腋の下は竹刀の痕がクッキリと印され、しかも痛み以上に、見られるのが恥ずかしい部分のようだった。
美雪は右腕を差し上げながら、左手でしっかりと胸を隠し、じっと息を詰めて羞恥に耐えていた。
滑らかな肌は透けるように白く、まだちょっぴり汗に光っていた。
そして腋の下に顔を寄せる藤尾の鼻腔にも、馥郁と甘ったるいミルク臭が揺らめいてきた。
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