官能小説販売サイト 南里征典 『欲望秘書室』
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南里征典    欲望秘書室

目 次
腹上死の女
名器を探せ
戦略管理の女
秘書室の情事
美人女優の欲情
制服の裸女
大株主は淑女牝
オフィスの秘密
社長令嬢の処女教育

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   腹上死の女

     1

 眼が覚めた時、秋山慎太郎はホテルの外に広がる夜景を、ニューヨークの夜景かと、勘違いした。
 午後四時に成田空港に帰り着き、新宿の超高層ホテルに直行して役員室秘書の有森美希子を待つ間、ソファにもたれてブランデーを飲んでいるうち、ひと眠りしたようである。
 新宿の超高層ビル街の夜景は、いつのまにかニューヨークの摩天楼の夜景とあまり変わらなくなっていた。
 武蔵電機の営業畑の独身企業戦士、秋山にとっては、日本は三年ぶりであった。ニューヨーク支社勤務から二月の人事異動で急に、本社営業第一課長の辞令をもらって、日本に呼び戻されることになったのである。
 夜に入って宝石を散りばめたようなきらめきを増した新宿の夜景を見ながら、秋山がソファから立ちあがって冷蔵庫に歩き、缶ビールを取りだそうとした時、ドアのチャイムが鳴った。
 秋山は返事をして、ドアをあけにゆく。
 扉をあけると、花の香りのする爽やかなランバンの香水の匂いが流れ込み、すらっとしたワンピースの女が立っていた。
「やあ、よく来てくれたね」
「ごめんなさい。成田にお出迎えにゆけなくって」
「そんなことはない。きみが帰国第一夜にホテルを訪ねてくれただけでも、ぼくはうれしいよ」しばらく見ない間に、有森美希子は一段ときれいになり、女の熟度を増したようだった。
「さあ、はいんなさい」
 秋山は美希子をドアの内側に入れると、
「キスしていいかね?」
「そんなこと、恋人にむかって聞くもんじゃないわ」
「きみこそ、調子の良いことを言う。恋人といっても、昔の恋人じゃないか。それに、ベッドをともにしたわけじゃない。きみは最後までぼくに身体を許してはくれなかったもんな」
「あなたが好きだったからよ。三年前、まさか急に、ニューヨーク支社に赴任することになるとは思わなかったわ」
 秋山は、なおも何かを言いかけていた美希子を引き寄せ、腰に腕を回すと、片手で彼女の顔をすくうようにあげさせ、唇を重ねた。
「うッ」
 と、美希子は甘美な呻き声を洩らした。
 久しぶりのせいか、身体の前面が響きあう。美希子の女体が新鮮な鮎のように感じられた。豊満な乳房が二人の間にはさまれて潰れ、恥骨の高まりがガウンの下で、早くも猛りをみせる秋山の男性自身を圧しつけてくる。秋山は風呂上がりなので、素裸の上にガウンを羽織っているだけだった。今夜は、常務の女になっているという噂のある元恋人の美人秘書を思いっきり抱いて、帰国第一夜を華やかな肉の色に飾るつもりであった。
 秋山は接吻をしながら、右手を背中からおろして美希子のヒップの張り具合を愉しむように撫でた。
 ああん、と声が噴いて、美希子は腰をゆらめかせて、彼の首に両手を巻きつけてきた。
 秋山はディープキスをしながら、美希子のヒップに触っていた右手をワンピースの前面にまわし、太腿をおさえた。しっとりした肉の感触があった。内腿はやわらかい。掌はそれから、恥骨のふくらみを無遠慮に撫でた。
「ああン……待って」
 美希子は立っていられないように腰を震わせ、両手で秋山の首にしがみついていた。
 目まいを起こしたような顔になっている。
「秋山さんったら、ひどい。再会したばかりなのに、はなからいやらしいことばっかりするんだもの」
「いやらしいことが嫌いなのかね」
「もっと優しくしてほしいわ。女って、どんな時だって、ムードがほしいのよ」
「三年ぶりに会ったんだろう。少しは荒っぽくなるよ。きみは今、営業部から引っぱられて役員室秘書だそうだな。前田常務に可愛がられてるんじゃないのか」
「いやよ、そんな言い方――」
「ごめん。なら、触ってもらおうか。ほら、きみを欲しくて、もうこんなになってる」
 秋山は、美人秘書の手首をとって、自分のガウンの打ち合わせの下で、激しく息づいているけだものに触れさせた。
「わあ、猛ってる。いやだ、もう」
 有森美希子は、秋山の硬いそこに軽く指を這わせて形状をなぞり、気絶したような顔に、うっすらとほてりの色を浮かべた。
 秋山は、自分の右手の誘いを拒まずに、けだものに触った美希子に、三年前とは違った年輪と成熟を感じた。
 秋山は、不意にいとおしくなって、もう一度、激しいくちづけをした。そうしてくちづけをやめて、美希子の顔をあらためて見おろした。三年前、とうとう抱くことができないまま別れた美しい女子社員が今、自分の腕の中にいる。よろこびが噴きあげてきた。
 情熱にかられて秋山は、略奪するような勢いで抱きかかえ、美希子をベッドに運んだ。
「ああ、待って――」
 美希子が狼狽して叫んだ。
「そんなつもりで来たんじゃないのよ。今夜は、お話があって」
「おれは初手からそのつもりだったさ。今夜はおれたちの初夜だからな」
「じゃ、せめてお風呂に入らせて」
「いや。風呂はあとでいい」
 問答無用で、秋山は美希子をベッドに押し伏せ、ワンピースの裾をめくって、肌色のパンティとパンストを一気にむしり取った。
「ああん……お洋服、脱がせないまま襲うなんて」
 身をよじったはずみに開いた双つの長い脚を割って、手を谷間にすべり込ませた。
 じょりッと触った茂みの下の秘肉のうねにそって指を進めると、熱い潤みの沼が触れた。
 指はじきに沼に沈んだ。美人秘書のカトリーヌは、激しく吐蜜していた。
 今、思いがけない花園が眼前にある。
 秋山慎太郎は、ワンピースの裾をめくって剥きだしになった美人秘書の下腹部の眺めにいたくそそられ、男心を躍らせて、挑みかかった。
 有森美希子の恥丘は、こんもりと高かった。そこを覆う性毛はまん中に身を寄せあうように濃く固詰まりに繁茂して黒艶があって、旺盛である。
 美人秘書の生命力と、もしかしたら性欲の強さをも、その繁茂は物語っているようであった。
 顔を近づけると、炭火煎りのコーヒー豆のような香ばしい毛臭があった。秋山はその毛むらを分けて、蜜の湧く女芯に指をずっぷりと突き入れた。
「うっ」
 と息をつめて、美希子がおなかをへこませた。
「乱暴ねえ。秋山さんって、飢えてるの?」
「もしかしたら、そうかもしれんよ。ニューヨークでは、こういう素敵な日本女性にはありつけなかったからね」
「あちらにも日本女性、いっぱいいるって聞いてるけど」
「現地で仕事をしている日本女性は、無国籍化しててね。とても大和やまとなでしこという気がしない。それに外人女性では、こういう掌に吸いつくような餅肌の感触というやつは、得られないからね」
 秋山は今、白くてきめの細かい日本女性の肌に文字通り飢えたように、下腹部の下の心地よく盛りあがった茂みの丘を撫でたり、太腿をさすったりしながら、耳に口を寄せ、
「ここ、常務に触られてるんじゃないのか」
 もう一度、そう訊いた。
「どうして、そんなことを聞くの」
「きみほどの美人秘書を前田常務が放っておくはずはない。触られただけじゃない。入れられたんだろう、ここに」
 黒艶のある毛のむらがりを掻きあげて、じょりじょりと掴む。溝を覆う外陰唇の肉の段丘に沿って、蜜溜りをくつろげにかかる。
「どうだ、やったんだろう。常務と……ここに常務のものを入れたんだろう」
「いやっ」
 美希子は、秋山から顔をそむけて、腰をひねった。
「あなたって、ニューヨークに赴任している間にずい分、お下品で、すけべえになったみたいね。どうしてそんなに常務とのことを疑うの」
 それには答えず、くつろげた肉の唇のはざに指を沈めると、美希子は喉の奥から小さな呻きを洩らした。
 女心の隅々を探るように、指をこまやかに動かすにつれ、美希子の秘肉の奥から外まで、うるみが湧きあふれてくる。
「たまんねえな。欲しがってるみたいだぞ。ほらほら、外まで溢れてきたもんな」
 秋山はたてつづけに、いやらしいことを言った。自分をどんどんえげつないほうに駆りたてていって、帰国第一夜の肉の祭壇を豊かな彩りで飾りたいのだ。
 美希子は今やすっかり、委せきってほうである。三年前はキスとペッティングまでで、それ以上は頑なに拒んだのに、今は完全に秋山に肉体を投げだそうとしているようであった。
「ワンピース、窮屈よ。脱がせて」
 美人秘書が、ためらわずに、そう言った。
 自分から催促するように言うその声には、焦らさないで早く局面を進めて欲しい、という響きと、三年前とは違って性の世界をしつし得て熟れた女心の大胆さとほとめきが感じられた。
(そうさ、そうこなくっちゃあ)
 秋山は勇躍、美希子のワンピースのファスナーを引いて脱がせ、その下の黒いスリップもすべてむしり取って、美希子を素裸にしてベッドに横たえ直した。
 美希子は、全体に長身で華奢な身体つきのようだったが、裸にすると意外に豊満だった。
 
 
 
 
〜〜『欲望秘書室』(南里征典)〜〜
 
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