官能小説販売サイト 睦月影郎 『淑女たちの快感遊戯〜官能ショート・ショート〜』
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睦月影郎    淑女たちの快感遊戯〜官能ショート・ショート〜

目 次
第一部 OL発情教育
 淫熟の女たち
 攻略ゲーム
 あやかしの宴
 レイプごっこ
 ゲームオーバー
第二部 週末みだら妻
 快感エレベーター
 セーラー服遊戯
 女子大生の休日
 同窓会の夜
 童貞あそび
 検診台の誘惑
 桃色の水中花
 初めてのアナル
 草いきれの中
 いけない好奇心
 快感フルコース

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第一部 OL発情教育



   淫熟の女たち

 車内は満員で、全く身動き取れない状態だった。新宿まであと何分ぐらいかかるのだろう。青柳良一は腕時計さえ見ることができず、人いきれに気が遠くなりそうだった。
 まさか、出社第一日めから遅刻するわけにはいかない。この四月から、大卒で九州の支社に入り、わずか半年で東京本社への栄転。これは異例のことなのだ。
 良一は二十三歳になったばかり。子供の頃からコンピューター相手に遊んでばかりいたため、童貞を失う機会もなく社会人一年生になってしまった。しかしそのコンピューター好きが幸いし、本社から視察にきた重役に認められて、異例の本社勤務となったのである。
 と、また次の駅で大量の乗客がなだれ込んできた。良一は懸命に足をふんばり、上体を支えるため吊り革を探した。
 ようやくドアが閉まり、電車が動き出す。
 しかし良一は、途端に柔らかな感触と甘い匂いを感じて戸惑った。
 自分の正面に長身の女性が立ち、互いに向かい合わせに密着していたのだ。スーツの上からでも、彼女のボリュームある胸の脹らみが分かる。しかも良一は小柄で百六十そこそこしかないから、自分のすぐ前に、彼女の濡れぬれとした赤い形良い唇があるのだ。
(う、美しかあ……!)
 良一はチラと彼女を見上げ、思わず胸の中で叫んだ。肩にかかるセミロングの黒髪、切れ長の知的な目にすらりと通った鼻筋。
 二十代半ばにも見えるし、三十を越えているようにも見える。恋人を持ったこともなく、高校、大学ともに男子ばかりだった良一に、女性の年令は判らなかった。
 とにかく、生まれて初めて来た東京には、美しい女性がいるものだなと思い、急に満員電車の苦痛が和らいできた。
(ん……?)
 その時である。良一は自分の股間に何か触れてきたのを感じた。
 彼女とは密着しているので、自分の股間さえ見ることができなかった。しかも、さらに何かがうごめき、ズボンの上からペニスを探られているのがはっきりと分かった。
(ま、まさか、こんな綺麗な人が……?)
 良一は戸惑いながら、恐る恐る彼女の顔を見上げた。すると彼女はふっとかすかな笑みを洩らしたのだ。ほんのりと湿り気のある、甘い香気が良一の鼻をくすぐった。
 もう間違いない。こんな美しい女性が、実は痴女なのだ。良一は急に緊張し、全身を強ばらせた。
 やがて巧みにファスナーが下ろされ、細くしなやかな指が侵入してきた。
 戸惑いとは裏腹に、良一のペニスはムクムクと反応して息がはずんできた。
 さらにブリーフの間から指が入り込み、ペニスは直接やわやわともてあそばれはじめたのだ。
 避けようにも良一は身動きできず、彼女の手のひらの中で最大限に勃起してきた。
 美しき痴女の指は、さらに大胆な動きをはじめていた。ピンピンに張りつめた亀頭のカリ首を、爪の先でツツーッと刺激したり、幹の全体をやんわり握ってきたりした。
 しかもペニスへの刺激ばかりでなく、良一にグイグイと押しつけられてくる、豊かな胸の脹らみや、その赤い唇から洩れる、甘くかぐわしい成熟した香りに、良一は何度も昇りつめそうになり、必死に奥歯を噛んで堪えていた。
 逃げようもないスシ詰めの満員電車、まして痴女の常として、こちらが調子に乗って触り返そうものなら、たちまち悲鳴を上げて、こちらが痴漢に仕立てられてしまうだろう。
 新宿の本社出社の第一日めから痴漢扱いされたら、今後やっていく自信がなくなる。しかも悪くすればクビだ。
 東京というのは、なんて恐ろしい所なんだろう。良一は、今朝アパートを出てきた時の意気込みもどこへやら、今はすっかり心細くなり、九州の山々が恋しくなってしまった。
 そんな心の萎縮も、刺激を受けているペニスには伝わらなかった。早くも、尿道口からはカウパー腺液が滲みはじめている。
 今までオナニーばかりで、他人に触れられたのが、生まれて初めてなのだから無理もなかった。しかも相手は、モデルか女優でもつとまりそうな、とびきりの美人なのだ。
 彼女の指は、ヌルッと先端の粘液を拭い取り、ヌメッた指先で裏側の最も敏感な部分を探りはじめていた。
 実に憎いほどに、男の感じる部分を熟知しているような愛撫だ。
 さらに陰のうまで、しなやかな指先が触れて、再びペニスが握られた。柔らかな彼女の手のひらは温かく、ほんのり汗ばんでいるようだ。もちろん表情を盗み見ても、彼女はそ知らぬふりをしていた。
 やがて車内アナウンスが、間もなく終点の新宿に到達すると告げてきた。
 同時に、彼女の指の動きがせわしくなってきた。たちまち良一は高まり、膝がガクガク震えてきた。
 まるで全身が彼女の手のひらで弄ばれているようで、彼女の甘い吐息が頭の中を、グルグル回っているようだった。そしてとうとう激しい快感に貫かれ、良一は脈打つように射精してしまった。
 同時に電車はホームに滑り込んで停まり、ドアが開いて乗客が吐き出された。彼女はすでに良一の目の前になく、ファスナーも元どおり閉められていた。手品のような鮮やかさだ。彼女の指はザーメンで濡れなかったのだろうか。
 良一は慌てて駅のトイレに駆け込み、ブリーフの中を汚したザーメンを拭いた。
 そして射精直後のけだるさの中、地下道を迷いながら何とか本社にたどり着いた。第一日めからこれでは、先が思いやられる。
 ところが出社した彼は、さらに意外な体験に度胆を抜かれることになるのである。
 東京本社の出社第一日め、通勤途中で痴女に会うというハプニングはあったものの、遅刻もせず無事に良一はオフィスに入った。
 彼が勤めるのは玩具メーカーの企画室だ。それで彼のコンピューターの腕が買われ、入社半年で九州支社から呼ばれたのである。
「あの人が君の上司、チーフの天堂佐枝子さんだ」
 部長に言われて、良一はオフィスのいちばん奥のデスクに居る彼女に向かい、挨拶した。
「ああ、聞いてるわ。青柳良一さんね? 今日からよろしくお願いするわ」
 笑みを投げかける佐枝子。女性が上司というのも驚きだが、彼にはもっと驚くことがあった。彼女の美貌もさることながら、その顔はついさっき、満員電車の中で良一のペニスにイタズラした、痴女その人ではないか。
「あ……」
「ふふ、どうしたの? 私の顔に何かついてる? 君のデスクはそこよ」
「は、はあ……」
 良一は混乱し、自分の椅子に座った。
 企画室は他の数人のスタッフが居るだけだったが、それら全てが女性だったのだ。みな良一に軽く会釈だけして、それぞれ取り組んでいるファミコンのディスプレーに向かった。
 みな二十代前半から半ばの美人OLたちばかりで、部長が出ていってしまうと良一はたった一人の男性になってしまった。オフィス内にも、甘い匂いがもっているようだ。
「今日は仕事はいいから、まず会社の中を案内するわね」
 佐枝子が自分のディスプレーのスイッチを切り、立ち上がって言った。
 会社は、ここ副都心の中でも比較的新しいビルだった。工場は、長野と九州にあり、アメリカにも進出をはじめていた。
「あの、今朝のことは……」
 人けのない廊下で、良一は恐る恐るいてみた。彼女は自分を、今日から部下になる男としって悪戯したのか、単なる偶然なのか気になったのだ。
「今朝って、何のことかしら?」
 佐枝子はとぼけ、甘い香りを翻して次の部署のドアを開けた。
 もちろん人違いということは絶対にない。顔も髪形もスーツも記憶に鮮明だし、それにあやしい快感までゾクゾクとよみがえってきた。
 結局、各部署を回り、主要な人たちに紹介だけされて企画室へ戻ってきた。そして佐枝子から、現在開発中のファミコンソフトの説明を受けた。
「今夜、君の歓迎会をするわ」
 話の合間に、佐枝子が甘い息でささやいた。
「アパートはどこなの?」
「こ、狛江です……」
「わあ、偶然ね。私と一緒だわ。じゃ帰りも一緒ね」
 佐枝子が意味ありげに言い、風のような素早さで良一の股間にタッチしてきた。
 
 
 
 
〜〜『淑女たちの快感遊戯〜官能ショート・ショート〜』(睦月影郎)〜〜
 
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