官能小説販売サイト 内藤みか 『私立海浜学園好色日記』
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内藤みか    私立海浜学園好色日記

目 次
私立海浜学園好色日誌(1)――売春女教師
私立海浜学園好色日誌(2)――びしょ濡れ女子高生
私立海浜学園好色日誌(3)――女教師よがり泣き
私立海浜学園好色日誌(4)――おねだり処女
私立海浜学園好色日誌(5)――保健室ラブ
私立海浜学園好色日誌(6)――制服の秘密

(C)Mika Naito

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   私立海浜学園好色日誌(1)――売春女教師

     1 女教師とコギャル

 昼休み。校内に二つしかない公衆電話がいつものように長蛇の列を作っていた。友達や恋人のポケベルにメッセージを入れようとする連中である。
 職員室に行きがてら、千恵美は横目で彼女達を眺めた。ほとんどが女生徒である。暖房も効いていない寒々とした廊下で、ホッカイロを小脇に挟みながら、皆が皆、黙々と〃たまごっち〃をプレイしていた。たまごっち、とは名刺サイズのミニ電子ゲームである。校内に、チッチッチという機械音が群れる。
 千葉県千葉市の南部にある私立海浜学園は、中堅どころの学校だった。有名デザイナーに依頼して刷新したパッと目の覚めるようなブルーのセーラー服が登場して以来、偏差値がグンと上がり始めている。襟と袖口に真っ白なラインが引かれているところが清潔で、男子の制服も、同じように青く、帽子まで揃っている。
 海をイメージしたというこの学園の制服だが、教師達からも絶大な人気を誇っていた。何しろ、どこにいてもこの青い色が目立つ。遊興地を補導に回る時も、すぐさま自校の生徒を見つけることができるのだ。
「お陰ですっかり生徒もおとなしくなって、補導人数も激減しました」
 禿げ頭を照からせながら、教頭が何度も自分の手柄のように話をするが、新任の千恵美は、疑問に思っていた。
(教頭先生はああおっしゃっているけど、もしかしたら生徒は駅のトイレとかで私服に着替えているのではないかしら)
 千恵美は補導が余り好きではない。教頭を始め、他の教諭は生徒の事情も聞かず、ただ繁華街をウロウロしていたというだけで不良扱いして怒鳴り散らす。そのやり方が、余りにも乱暴に思えるからだ。
(取り締まるだけじゃダメよ。生徒達だってきっとやりたくてやっているわけじゃないわ。イジメや受験などでストレスがどうしようもなく溜まっているのかもしれない)
 赴任一年目の千恵美は、常に生徒の目の位置に立って物事を考えるよう心掛けていた。華美な格好をして生徒を刺激しないようにと、常に薄化粧でパーマもマニキュアもしないようにしている。肩までの素直なストレートヘアと薄いピンクの口紅のおかげで、まだ女子大生に間違えられる時もある。
 しばし立ち止まってぼんやり考え込んでしまったのだろう。千恵美は誰かに背中をドンと叩かれ、ハッとして振り返った。
「も〜、千恵美センセったら、さっきから呼んでるのに、返事してくれないんだもん」
 あさがニヤニヤして立っていた。口の中でガムがくちゃくちゃ言っている。「ごめんなさいね。少し考え事していて」
 千恵美は素直に詫びて、麻香を見た。彼女は学園でも一番マークされている生徒である。ポケベルはもちろん、携帯も持っていて、しばしば補導もされている。校内での喫煙で停学になったこともあった。売春をしている、というもっぱらの噂である。最近は、学校に化粧をしてきていて、教師も閉口していた。細く長い眉毛や紫色の口紅などで顔を彩っているのだ。
 多くの教師がサジを投げて冷たくあしらっている中、千恵美は麻香に優しく接していた。そのため、麻香もなついてくれている。
「ネ、センセ。今日補導ある?」
「アラどうして?」
「あたし、今日どうしても街に行く用事があるの。捕まったらヤダな〜」
 麻香は見事なストレートロングの茶髪をかきあげている。少々痩せ過ぎかと思うほどに華奢な身体だ。足にも無駄な肉が全然ない。
 補導の日時・場所は極秘だった。生徒に事前に知れてしまっては、誰もそこに寄りつかないからだ。実は今日が補導の日なのだが、千恵美はそれを麻香には伝えるわけにはいかなかった。千恵美が返事に躊躇しているのを見て、麻香はあきらめたようだった。
「センセ、これあげる」
 麻香は不意に千恵美にシールを握らせた。今流行っているプリクラ(プリント倶楽部)だ。ゲームセンターで長蛇の列を作り、友達同士で写真を撮って、その場でシールを作る全部で二十枚もシールが出来てくるので、親しい友達と交換するのがまた楽しい、という代物である。
 千恵美も生徒からしばしばシールをもらう。友達二〜三名でピースをしたり変な顔をしたり……。彼女達の楽しみ方は、実に多彩だった。
 千恵美は麻香からもらったプリクラを見てみると、なんと、麻香が誰かとキスをしている姿が映っている。お互いにべったりと唇を合わせていて、ディープキスをしているようにも見える。
「この人がカレなの?」
「うん。でも三日で別れちゃった。その前の人は一ヵ月もったんだけどねぇ」
 余りのサイクルの早さに二の句が継げなくなった千恵美に向かい、
「センセって超ウルトラマジメだよね〜。そんなビッグおっぱいしてるのに、もったいない。宝の持ち腐れ状態って感じ〜」
 麻香がやにわに千恵美の両乳房をむぎゅっと掴み、もみもみもみ、と三回手のひらを蠢かせた。
「キャ!」
「ウン、やっぱ大きい。こんなおっぱいだったら絶対男に喜ばれるって。センセも早く彼氏を作って楽しみなよ。あたしも今フリーだからさ、お互い頑張ろうネ!」
 勝手なことばかり言って……。千恵美は呆れて笑いながら、再びシールを見た。自分の青春時代には、キスすらも大事件だった。だが、今の女子校生達は、街中でも平気でキスをする。
 なんだか奔放でうらやましい、と思った途端、麻香に強く揉まれたバストが疼いた。恋人と別れてもう三年。確かに宝を持ち腐れてはいる。
 千恵美は忘れかけている男の肉棒の形を頭に浮かべようとした。もう、どんな風に血管が張り詰めていたのかさえ、よくわからない。
 なんだか垂れかけてきたような二十四歳のバストだ。ムダな肉も増えてきた気がする。自分では太っている、と気にしているが、昔の恋人は「白くてむっちりしていてこういうの好きだ」と言い、一日に何回も愛してくれていた。
 もう一度、あんな風に激しくセックスで汗をかくことができるのだろうか。
 授業のベルが鳴り、蜘蛛の子を散らすように生徒達が教室に駆け戻っていく。すんなりと伸びた彼女達の長く細い脚を、千恵美は横目で眺めていた。


 
 
 
 
〜〜『私立海浜学園好色日記』(内藤みか)〜〜
 
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