官能小説販売サイト 牧場由美 『援助交際・東京売春恥図〜セックスドキュメント〜』
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牧場由美    援助交際・東京売春恥図〜セックスドキュメント〜

目 次
探訪(1)日本最大の売春地帯を行く
探訪(2)これがホモの街の素顔なのだ
探訪(3)新宿西口広場は風俗の源泉
探訪(4)売春疑似行為は罰ではない
探訪(5)客引き男の正体を追いつめる
探訪(6)ゴールデン街VS新大久保通り
探訪(7)テレクラ援助の実態を探る
探訪(8)深夜の赤羽売春地帯とは
探訪(9)売春のきっかけはここにある
探訪(10)池袋の売春事情をとらえた
探訪(11)代々木公園の妖しいできごと
探訪(12)映画館の売春は隠れた人気
探訪(13)ホテルでの売春をつきとめる
探訪(14)危ない覚醒剤売春に密着を
探訪(15)男性の性趣味をしぼり出す
探訪(16)ホテトル嬢に応募したら
探訪(17)いまのコールガール組織を衝く
探訪(18)口抜き売春が本流になる?
探訪(19)ストリップ売春も元気がいい
探訪(20)SM趣味はどこまで変態か
解説 ティッシュ堀内

(C)Yumi Makiba

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 探訪(1)日本最大の売春地帯を行く

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 日本最大の売春地帯というのは新宿歌舞伎町である。新宿花園町付近は戦後の頃に私娼窟といって、公的売春地帯に対する私的売春地帯であった。
 警察の地図では吉原などの公的売春地帯は赤い鉛筆の線で囲ってあり、花園町のような私娼地帯は青鉛筆の線で囲ってあった。だから公的売春地帯は赤線といい、私的売春地帯を青線と呼ぶ。
 石井輝男監督の新東宝映画に『青線地帯』(1960年作品)という作品があった。この映画のタイトルは『あおせんちたい』と音読するのではなく『ブルーライン』と読む。
 新宿は私的売春地帯のあった地域であるから、いまだ濃厚の売春の匂いのするいかがわしい町だ。
 この傾向は江戸時代からあったと思われる。元和元年(1615年)に発布された『武家諸法度』によって参勤交代が義務づけられた後、全国の街道が整備された。東海道、中山道、日光道中、甲州道中、奥州道中が整備されてこれを五街道という。
 甲州道中の整備によって新宿と諏訪の間に44宿が設置された。甲州道中の出発点である新宿は文字どおり新しい宿場であった。宿場には売春婦がつきものである。
 江戸時代から宿場として栄えた新宿は、都庁が引っ越してきてもやはり日本最大の売春の町なのだ。
 西ドイツ映画で『残酷大陸・マンダラ』という映画があった。『残酷大陸』などというといかにもアフリカなどの大陸のことだと日本人は思うが、実はここでいう残酷大陸とはアジアのことだ。そしてこの映画ではかなりの時間を裂いて日本の特殊な性風俗やラブホテルや売春地帯のことを紹介していた。
 その中で日本最大の売春ゾーンとして登場していたのが新宿だ。
 やはり新宿は日本一の売春地帯というよりも、東洋一の売春地帯なのだ。
「でも、新宿を歩いても、それほどたくさんの売春婦らしい女はいないじゃない?」
 などと言う人がいるが、と〜んでもない。
 新宿という街はあまりに堂々と売春や売春類似行為が行われているために、ついつい見過ごしてしまうだけで、売春行為はいたるところで行われている。
 たとえばソープランドや、風俗産業や、ピンクサロンなどでやられていることも金によって快楽を売るのだから立派に売春なのである。
 新宿歌舞伎町にはこういう店が雑居ビルの中に乱立している。
 全体が快楽の街なのだ。
 売春婦らしい女はいないというが、歌舞伎町の裏側の大久保に脚を踏み入れると、午後6時頃から売春婦らしい女がうろうろしている。この傾向は深夜まで続き、ことに終電車が出てしまうと、客引きの男たちが売春婦の斡旋をするために男たちの袖をひいたり、女が直接に男に声をかけたりしている。あるいはすれ違いざまに女をナンパする男もいるが、ナンパされた女の方も素人ではなく売春婦である。

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 そのほかに深夜の歌舞伎町にはおびただしい女装のおかまたちがうごめいていて、終電車が出てから一人で新宿地区を歩いている女はおかまか商売女と決まっている。
 新風俗営業法が施行されてから、風俗セックス産業は深夜に営業ができなくなったが隠れて営業している業種もある。
 また酒場とか、居酒屋とか、パブなんかは深夜営業が禁止されていないし、土曜日には映画館もオールナイトをやっているから深夜の歌舞伎町には人が多い。
 まさに新宿は『眠らない街』なのである。
 新宿にはフィリッピンやタイや中国系のやくざも多く、地元の暴力団といざこざを起こしている時もあるが、だいたい外国系の組織は日本の組織の統制下にあるといっていい。暴力団関係者たちは、テレビの特集番組の中で、
「彼らと我々は利害が違いますから、まあ、共存共栄でおたがいに干渉しあわない関係といいますか……」
 などと説明しているが、実際には組織の統合化と融合がとっくの昔に行われているのである。
 新宿では売春は暴力団の管轄下にある。ここで売春類似行為をやっている女の子たちはどんな優良店に所属していようと、それとはわからないような形でみかじめ料を払わされているといっていい。
 それはのぞき部屋にしても、ソープランドにしても、ファッションヘルスにしても、ピンクサロンにしても同じなのである。
 ただ、みかじめ料を徴収されていても、女の子たちがそれと気がついていないだけのことである。
 
 
 
 
〜〜『援助交際・東京売春恥図〜セックスドキュメント〜』(牧場由美)〜〜
 
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