砂戸増造 義妹・麻理〜美囚1〜
目 次
第一章 悪 魔
第二章 白 獣
第三章 生 贄
第四章 調 教
第五章 自 虐
第六章 淫 妄
第七章 屈 辱
第八章 華 宴
第九章 美 畜
第十章 重 姦
(C)Masuzo Sado
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第一章 悪 魔
1
「ねえ、ダーリン、あの新顔のウエイトレス、すごくあたしをそそるわ。黄色い淫売にしては、たいした上玉じゃなくって? あなたの目も燃えていたわ」
初夏の快い夜風に、美しく艶やかな栗色の髪をなびかせながら、ジェニファーは夫のヘンダーソン少佐に甘ったるい声で言った。
二人の乗ったクリーム色のスチュードベーカーは、東京近郊の広大なT空軍基地のハイウェーを、将校クラブから滑走路を横切って、西側にある高級将校住宅区へ疾走している。
「ああ、あれはたいしたすべただな。ジャップの女でも、むっちり熟れきってセクシイなしかもノーブルで誇り高い南部女タイプがいるとは、素晴らしい発見だ、ジェニイ。トイレに立った時、ハリエット・パーカーに会って、あのウエイトレスの素姓を調べてみたんだ。名前は花之町百合、年は三十八歳、十六歳になる息子が一人いて、亭主は男爵の称号を持つ海軍大尉で、ミッドウェイ海戦で戦死している。二十五歳になる未婚の妹麻理も、基地の第五十八通信隊のタイピストとして勤めていて、姉以上の美人だそうだ。二人ともカレッジ出で、英語も上手だよ。ジェニイ、きみがそんなに気に入ってるなら、ハリエットに話をつけて、家のメイドに引き取ってもいいんだよ」
マックス・ヘンダーソン少佐は、車のドアにもたれて美しく冷やかな横顔を見せている妻のジェニファーをちらっと見て、豊かに熟れた胸と尻と腿の悩ましい曲線を浮き彫りにしているブルーのシフォンのドレスの上から、固く張りきった太腿を撫でまわした。
「あら、他人事みたいな言い方して。ドレスを捲らせた時、あなただって硬くしていたくせに。実のところ、あんなとびきり上等の黄色い牝犬を、血まみれになるまで苛めて抱きたいんじゃなくて? 今夜、あの女がもしメンスじゃなかったら、腰が抜けるまで可愛がって、狂い泣かせてやったのに、残念だわ。メンス女は、殿方は楽しめるけど、レズはだめなんですもの。でも、男爵夫人とはおどろきね。道理で黄色い牝豚にしてはお上品な美人だと思ったわ。あなたがフランクフルトで絞首刑にした伯爵夫人のヘレーネ・フォン・ブルンネンを覚えていて? あの処刑の日の事を思い出すと、二年たった今でも、あたし、体が震えるほど昂ってしまうの」
夫を見るジェニファーのエメラルド色の瞳は妖しくきらめいていた。
「忘れるわけがないだろう、ハニイ。あれは、俺たちが楽しみながら〃殺った〃最初のすべただからな。しかもナチの協力者として合法的に処刑したんだ。あの女は生まれながらのマゾだった。あの女の道具は、二人も子供を産んだ四十歳の女とは信じられない締まり具合で、一週間あれだけの拷問に耐え抜きながら、毎日少しずつ味がよくなってきた。最後に絞首台の上で、素っ裸にしてロープを首に巻いて突き抜いてやった時、あの女は、せめて死ぬ時だけは辱しめないでって泣きじゃくりながら、俺を食いちぎりそうに締めつけて、熱い女の涙をどっぷり流してよがり死にしたっけな」
「そうよ。あのお上品な色っぽいドイツの淫売は、息が絶えた後もたっぷりあたしたちを楽しませてくれたわね。二人の息子に無理に抱かせた時も、軍用犬とやらせた時も、素晴らしい狂いようだったのを覚えているわ。あの百合ってウエイトレスを見て、あたし、すぐにあのヘレーネを思い出したのよ。ぜひハリエットに頼んで家へ引き取りたいわ。もう春江は嬲り飽きたし、第一、あたしの愛しい夫の子を孕んだ女が同じ屋根の下にいるなんて許せないの。わかって?」
ジェニファーは、サディスティックな笑みを夫の横顔に投げかけながら、右手を伸ばしてズボンの前の盛り上がりに触れた。
「もちろんよくわかっているよ、ハニイ。俺が心から愛してる女は、おまえだけだ。他のすべたどもは、ドイツ女だろうとジャップの黄色い淫売だろうと、俺たち二人の快楽の道具にしかすぎないじゃないか。それに春江の腹の子は俺のじゃない。あのマゾの淫売は、一ダース以上の男の共同便所同然の嬲りものだからな」
冷然とうそぶきながら、マックス・ヘンダーソン少佐は、左手だけでハンドルをさばき、右手をジェニファーのスカートの下に差し入れて、三角形の薄いナイロンに覆われた女芯を探り当て、硬く充血した肉芽を愛撫した。
邪悪な欲情の根源を包む薄布は、熱いぬめりにじっとり湿ってマックスの指を濡らした。
ジェニイは、ハリウッドの美人女優なみの素晴らしい美貌を歪めて快美に悶えて喘ぎ、夫の硬直を情熱的に握りしめた。
「じゃあ、あたしの思いどおりにしてもいいのね、マックス?」
「いいとも、ジェニイ。春江をきみの判決どおりに処刑しよう。で、どうする」
ジェニファーは、マックスの好きな妖艶な微笑に、ぽってりとセクシイな唇を歪めた。
「まずネッドとファニタにも手伝わせて流産するまで拷問してから、絞首刑を宣告してやるわ。ヘレーネと同じようにね」
ヘンダーソン少佐夫妻は、残忍な悦びに喉を鳴らして笑った。
春江とは、ヘンダーソン夫妻がドレスデンから日本へ転属になった一年前からハウス・メイドとして雇っている、二十八歳の戦争未亡人、園田春江のことだ。
夫妻は、面接に来た園田春江を一目見て激しい邪悪な欲情を感じ、嗜好の奴隷として即座に採用した。
むっちり張りきった色白のグラマーな肢体と美貌に加えて、長崎の原爆で家族を失い、夫に戦死されて身寄りのない女は、夫妻の淫虐の生贄として絶好の標的だった。
最初の夜から、魅力的な黄色い牝犬への淫靡で残酷な調教がはじまった。
美しいメイドのレッスンは、まず豊満な尻のふくらみの間にある、今まで春江が排泄にしか用いたことのない狭い肉の蕾で男の欲望を満たす事と、唇と舌で同性の女を悦ばせるという耐え難い汚辱の奉仕だった。
ヘンダーソン夫妻は、春江を後ろ手に縛り上げ、全裸に剥き、泣き叫んで拒み、必死に抵抗するのを平手でたたき、全身を革鞭で打ちのめし、まだ若々しい熟れた乳房に針を突き刺して、ピンク色の敏感な乳首に火のついた煙草を押しつけて脅迫しながら、容赦なく淫猥な行為に服従させたのだ。
生まれて初めての変態的な辱しめを受けた翌朝、春江はメイド室で首吊り自殺を図ったが、絶息する寸前にジェニファー夫人に発見されて大事に至らなかった。
数カ月たって、完全な淫売奴隷として従順になった春江に、ヘンダーソン夫妻は冷然と言ったものだ。
「あの時おまえを死なせてやりながら楽しめばよかったわ、春江。死んでいく女の道具の味がどんなに美味だか、あたしたちはドイツでたっぷり味わったのよ」
「それに、勝手に自殺などした淫売がどんな目にあうか、おまえの仲間の黄色い牝犬どもの、見せしめにしてやりたかったよ」
春江は素っ裸でベッドに転がされ、両手を後ろ手に縛られ、片脚を高々と天井に吊り上げられたあさましい姿にされていた。ヘンダーソン夫人の豊満なミルク色の尻と太腿に革のベルトでくくりつけられた巨大なゴムの張形で花洞を突き抜かれ、同時にヘンダーソン少佐の逞しい生身の巨根に後ろの慎み深い肉蕾を引き裂かれて嗚咽しながら、春江は恐怖にわなないた。
最初の一週間は、春江にとっていまわしく狂おしい肉の苦痛と羞恥の地獄の連続だった。
ヘンダーソン夫妻は、ドイツ女の体から得たサディズムの悦楽の体験をフルに活用して、初めて手に入れた若々しい魅力に溢れる春江の女体に、歪んだ性愛のテクニックのすべてをレッスンしたのだ。
好色な男女の前でセクシイに脱衣する方法、特にパンティを色っぽく脱ぐ方法からはじまって、他人に見せるための手淫の方法、好き心をそそる女体の開陳法、指と口を使って男と女を満足させる方法、鞭打ちと手のスパンキングを受ける作法……並みの神経の女には到底耐え難い、奔放で淫靡なさまざまの性交ポーズ、レスボスの愛技の受け入れ方、西欧式の魅力的なメイクアップから下着の装い方に至るまで、ありとあらゆる売春婦としての調教が、淫罵と鞭と針の脅迫とともに、哀れな若い未亡人に仕込まれたのだ。
鞭打ちのレッスンだけは、広い地下室で夜半に行われたが、その他の調教は夜の数時間、居間か夫妻の寝室で授けられた。
四日めの朝、身も心も淫虐に打ちひしがれた春江のデリケートな女体は、時ならぬ月経の出血に見舞われ、ヘンダーソン夫妻を狂喜させ、春江をおぞましさと羞恥に狂乱させることとなった。同じ日の夜、ヘンダーソン少佐は、ドイツ駐留時代から彼の右腕となっているニグロの空軍憲兵曹長ネッド・ヤンシイと、その妻であるメキシコ人とインデイアンの混血の妖艶で野性的なファニタを招待して、春江の経血に汚れた女体を心ゆくまで賞味させようとした。
その邪悪な計画を知った春江は、(彼女は長崎のミッション系女学校の卒業生で、英会話にほとんど支障がなかった)夕方ひそかに基地の外へ逃亡しようとしたが、ゲートで憲兵と日本人警備員に捕えられた。
魅力的な春江に欲情をそそられた若い憲兵は、憲兵詰所の中で春江を黒い月経帯だけの姿にひんむいて辱しめようとしたが、ヘンダーソン少佐のメイドと知ると、そのままの姿で後ろ手錠をかけて少佐の居宅へ送り届けた。その週末の汚辱と苦痛のいまわしい夜を境に、春江は青い瞳の淫虐な悪魔に魂まで屈して、黄色い淫売奴隷に成り下がったのだ。
四人の残酷な好き者たちは、黒の月経帯一枚に手錠をかけられた春江の、絶望の涙にくれるチャーミングな姿を熱狂の目で迎えた。
白い肌の美しい女を責め苛む行為に、異常なまでに情熱を持つニグロのネッド・ヤンシイの赤く充血した目のぎらつきは、不幸な春江を絶望のあまりに失神させるほど凶悪なものだった。
三年前、アメリカ本国の空軍基地に勤務する頃、ネッド・ヤンシイ曹長はセクシイなメキシコ女の新妻ファニタを、週に一度、中隊長のヘンダーソン大尉の歪んだ欲情の生贄として提供していた。
ネッドは、その代償として月に三百ドルを受け取った上、ヘンダーソンの慰み者同然のガール・フレンドだった、可愛いニグロ娘のナンシイを好きなようにすることができた。
この醜悪で下劣な契約は、ヘンダーソンがロンドンで、ジェニファーというチャーミングで同性に対してサディスティックなパートナーを見つけて妻とした日までつづいた。
そしてドイツでの終戦後の二年間、共通の邪悪な快楽で結びついた夫婦は、不幸な美しいドイツ女の血と涙と愛液を啜り合って、さらに淫虐への情熱を高め、黄色い肌の美女の血を求めて東京へ進駐してきたというわけだ。
ヤンシイ夫人のファニタは、今では白人女のジェニファー以上に残忍なレズビアン・サディストに変身していた。
ヤンシイ夫妻の淫虐な快楽の歴史を示すコレクションの数々は、かの悪名高いアウシュビッツ強制収容所に君臨した加虐の女王イルゼ・コッホですら赤面するような、すさまじい代物ばかりだった。
彼らが手を下して拷問し、処刑した戦犯やナチ協力者という名目の美しいドイツ女は三十八名にものぼり、そのすべての女たちの片方の乳房と女芯はえぐり取られてアルコール漬になり、彼女たちの全裸の拷問と凌辱の生々しい場面写真とともに保存され、ドイツ女たちの血と愛液と涙を染み込ませたパンティ、ブラジャー、生理帯のコレクションも百枚をはるかに超えていた。
ネッドとファニタのベッドの枕は、淫虐の生贄となったドイツの美女たちの恥毛で満たされている。
春江を見つめるニグロ夫妻の鋭く熱い凝視は、春江の子宮を刺し貫かんばかりの強烈さで、彼女をおぞましさに震えあがらせた。
「今夜は、死ぬほど泣かせてやるわ、春江」
ファニタは、スカートの下で自分の指で欲情をそそりながら、ハスキィな声で宣告した。
「そうよ、逃亡の罪がどんなものかも思い知らせてやるわ。おまえ、きっと女に生まれた事を後悔してよ、春江。月経女のカントが、どんなに殿方を昂奮させて楽しませるかわかって? 自分の体で恥ずかしさと辛さをたっぷり味わうがいいわ」
ジェニファーも、欲情に疼く乳房を白い指で握りしめながら、うわずった声で言う。
「ファニタ、ネッド、今夜の懲罰はあなたたち二人に任せるから、好きなようにしていいわ。あたしたちは、明子を慰みながらお相伴してよ。ねえ、ネッド、もう一匹の黄色い牝犬を連れてきて引き合わせてやらない? あたしたちが苛め飽きたら、牝犬どうしで共演させるのもおもしろいわ」
逞しいニグロの曹長は白い歯を見せて笑い、ファニタにウインクして隣室に消えた。
呆然とうなだれて三人の残忍な男女の熱い淫虐の視線を浴びて立つ春江の耳に、日本人の女の哀願の叫びと、裸の肉を打つ鋭い音が聞こえた。ネッドの荒々しい罵り声と鉄鎖のジャラジャラ触れ合う音、悲痛な嗚咽とともにドアが大きく開いて、太い鎖に引きずられた裸の女がよろめきながら現われた。
「春江、おまえの相棒の小池悦子を紹介するわ。うちのハウス・メイド兼奴隷よ。年は四十を少し出ているけど、まだまだ若々しくて、好き者を硬く張りきらせる魅力は充分だわ。悦子、なんて礼儀知らずのすべたなの! お尻を引っ込めて女を前に突き出して、春江によく見せておやり! これが白いご主人さまの新しい淫売奴隷になった園田春江よ」
ファニタの嘲笑うような紹介に、二人の裸同然の日本女性は、涙に潤む目を悲痛に見交わし合い、新しい嗚咽に悲しげに裸身をわななかせたのだった……。
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