官能小説販売サイト 北山悦史 『気まぐれ美少女〜私、クリむいちゃいました〜』
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北山悦史    気まぐれ美少女〜私、クリむいちゃいました〜

目 次
第1章 美少女アイランド
第2章 色々させてあげる
第3章 大人になるって?
第4章 気まぐれ美少女
第5章 美少女レヴュー
第6章 サービスしてよ
第7章 部屋においでよ
第8章 感じるんです
第9章 令嬢がうずく時
第10章 美少女・宅配便

(C)Etsushi Kitayama

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   第1章 美少女アイランド

     雨上りの道路

 400ccのマシンは、相変わらず機嫌よく走っていた。
 といっても、たいして出してるわけじゃなかった。70キロちょっとだ。
 コンビニエンスのバイトの帰り、静かな町外れの県道。そのせいか、むしろゆっくりの感じだった。
 ただ、ついさっきまで雨が降っていたので、スリップには注意しなければならなかった。
 いや、注意するのはそれより、前方の視野のほうだったかもしれない。
 夕刻五時半過ぎ。あたりはすっかり暗くなったが、目がまだ闇に慣れていない。気を付けなければならない時刻だ。
 四輪ならライトの守備範囲も広いが、単車はアッパーとダウン、両方のビームを点けていても、目の前しか見えないといっていい。
 ついせんだっても、無灯火で右側通行していた中学生のガキと、危なく正面衝突するところだった。
 まあ、向こうはティーンエイジャー、こっちも去年成人式をしたばかりで、反射神経ということでは一生でいちばん優秀な年齢だから、事なきを得たが、もしあれが中年の主婦だとかだったりしたらまったく危なかった。
 沼沢達之は60キロに速度を落とした。これから右カーブにかかる。
 右カーブといっても、それは道なりということで、実際は直角に曲がっている。行く手に、白パネルに赤で、『危険』の道路標識が立っている。
 曲がったとたん、道の左側にペラペラした黒いものが見えた。
 それと同時に目に入ったのは、白っぽい靴と、こっちのビームに光る、自転車のスポークだった。
 急ブレーキを踏もうと思った。スリップのことが一瞬、頭をよぎった。
 そこに躊躇があった。しかし、時間にしたら四分の一秒くらいのものではなかったかと思う。
 ところがその四分の一秒は、マシンが自転車と接触するのに十分な時間でもあった。
「キャッ!」
 接触したのは自転車なのに、後頭部で女の声が悲鳴を上げた。
 沼沢達之が転倒しなかったのは、カーブの先が土手になっていたからだった。なおかつ、ガードレールもガードロープもなかったことが幸いした。
 モトクロスの選手みたいに達之は土手に乗り上げ、女の悲鳴があった県道に走り下りた。
「大丈夫?」
 マシンのエンジンを止め、達之はヘルメットを脱ぎながら女に声を掛けた。
 女というより、女の子だった。中学生らしい。
 達之のみたいじゃない、建設現場の男達がかぶる形の白いヘルメットをかぶった少女が、なよとした格好で、濡れた土手の枯草の上にうずくまっている。
「うっう……うー……」
 達之には答えず、白ヘルの少女はうずくまって呻いている。
「大丈夫? どこ、ぶつかったの?」
 カーブを曲がった時、白っぽい靴は見えたが、目立つはずのヘルメットが目に入らなかったのはどうしてだろうと、いぶかしく思った。
 近づいて見ると、少女は右手で左の足首を押さえている。紺色のレインコートを着てるが、前のボタンは全部外されていて、白いブラウスの紺の丸襟の制服が見えている。
 自転車を止めて、レインコートを脱ぐところだったらしい。出る時は雨が降っていたか、降りそうだったのだろう。
 カーブを曲がった時、白ヘルが見えなかったのは、少女がボタンを外そうと、うつむきになっていたからだ。
 それに、コートが自転車の反射板を隠していたのだろう。もし、曲がったとたん反射板が目に入ったら、接触は避けられた可能性がある。
 しかし、現に自分は自転車をはね、自転車の少女にぶつかったのだ。位置関係からすると、たいしたケガはしてないとは思うが。
「足? 痛くしたの」
 少女の肩におおいかぶさるようにして達之は訊いた。
(…………)
 少女は何も言わず、ジェスチャーで他の部位を示した。
 右手で左足首を押さえていた少女は、左手を右脇腹にあてがっていた。
 それを目にしたとたん、達之はムラムラしてしまった。

     コンタクト!

「肋骨、折ったんかな」
 そう言って達之は、レインコートの右胸を開いた。
 少女は痛みに耐えるだけで精いっぱいなのか、さっきみたいにうーうー呻くことこそしないものの、じっと息をつめている。
「ここ、痛い?」
 少女が押さえてる脇腹を、手の上から押してみた。
「うっ……」
 と、さすがに痛いのか、少女は低い声で唸った。
「痛いかい? 我慢、できない?」
 そうく達之自身、我慢できそうもなかった。
 ほんのちょっと手をずらすだけで、制服の膨らみに触れるのだ。
「おっぱいは、大丈夫? こうやってモミモミしたら、痛い? 気持ちいい?」
 ついそうしそうになって、アブネーアブネーと、首を振ってる。
「足のほうは、どうかな」
 目は胸の膨らみに釘付けにして、達之は言った。
「ちょっと……」
 そう答えて、少女は押さえてる手をどけた。
 見てみると、白ソックスに黒っぽく見えるものがある。泥とかじゃなくて、たぶん血だろう。
「どれ。自転車の、どこ、ぶつかったんかな」
 ソックスをいた。女子中学生のソックスを脱がすなんて、なんか、夢みたいなことをしてる。それも、正当的に。
 自転車のどこがぶつかったのか分からないが、内側のくるぶしの上のところの皮膚が三センチばかり裂けて、血を滲ませている。
 だが、痛みはそれよりも打撲のほうがきついはずで、そのあたりが変色して盛り上がっている。
「すごい内出血してる。これじゃすぐ冷やさないと駄目だ。あした、歩けなくなるかも」
「ほんと、ですか?」
 急に目が覚めた顔になり、少女が達之のことを見た。
「ああ、今すぐ手当てしないと、こういうのは、一分一秒が勝負なんだ」
「そしたらあした、歩けますか?」
 少女が真剣な目をして訊くので、そのわけを訊いてみると、明日、部活の吹奏楽部の発表会があるから、歩けなくちゃ困ると答える。
「じゃ、後ろに乗んな。氷で冷やしてやるから。今すぐ冷やせば大丈夫だ。オレのアパート、こっから二分も走らないとこだからさ」
「あの……うちに……」
 そう言って、少女があたりを見回したこの辺に公衆電話はない。
「電話なら、オレんとこの使えばいい。それより一秒でも早く冷やさないと、腫れ上がっちゃう」
 あせってるふりをして達之がそう言うと、仕方ないという顔をして、少女が立ち上がりかけた。
「あ、足、あんまり使わんようにして」
 達之は少女の湿っぽいレインコートの右腕を取り、かかえ上げた。
 劣情がいっそう強く込み上げてきたがその時点ではまだ、何か具体的なことを考えていたわけではない。
 少女もそうだっただろうが、予期せぬ出来事、思いもよらぬ女子中学生と一時をともにできるということのほうが、意識としては大きかった。
 劣情といっても、肉体的なことをどうこうというより、少女を自分のアパートに連れていって手当てしてやれるということの喜びが、やや、性的なことを連想させた、というにすぎなかった。
 少女はバッグにクラリネットを入れていたので、それは、手に持たせた。
 エンジンを掛けると、マシンはかつてなく機嫌よく感じられた。
 
 
 
 
〜〜『気まぐれ美少女〜私、クリむいちゃいました〜』(北山悦史)〜〜
 
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