北山悦史 『人妻肉楽園〜北山悦史短編集2〜』
北山悦史 人妻肉楽園〜北山悦史短編集2〜
目 次
はめられ妻恥辱喘ぎ
淫宴の激ショット
口淫、矢のごとし
黒衣の天恵
自慰会蜜戯
灼熱の淫液
恥宴のうねり妻
桃肉の誘い
桃蜜の誘惑
(C)Etsushi Kitayama
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はめられ妻恥辱喘ぎ
1
昼食時で混雑しているのに、そのコンビニのレジは一つが『休止中』で、もう一つのレジの前に客が何人も並んでいた。『休止中』のレジの奥のカウンターで、女の店員が宅配便の荷物を持ってきた客の応対をしている。そのしわ寄せだった。
ビールとミニカクテルとほかのドリンク、つまみにカップ麺にスナック菓子を詰め込んだカゴを持った若井大悟は、十人ばかり並んでいる客の後ろについた。
連れで来ている客も一緒に並んでいるようなので、見た感じほど時間はかからないかもしれない。連れと一緒なのは、大悟も同じだった。後ろに黒田伸矢と堀端善徳が突っ立っている。
「あの、そこ、あたしなんですけど」
ガムかキャンデーを選んでいたらしい人妻風の女が、ツン、とした顔をかしげて大悟の前に割り込もうとした。
「え? そうですか」
気おされる感じを受けて大悟は一歩下がり、すぐ後ろにいた伸矢とぶつかった。大悟は百七十二センチだが、伸矢は百八十ある。伸矢は大悟の頭ごしに、前の女をにらんだ。伸矢には女の横顔が見えている。
伸矢の顔が大きく歪んだ。その半分の意味は憎々しさを表したものだったが、あとの半分は驚いてのものだった。つられるようにして大悟は女の横顔を見た。
これが美女! 透き通るような白い肌は、育ちのよさを物語っているようだ。涼しげな眉に、いかにも聡明そうな大きな瞳。やんわりとウエーブした栗色の髪から覗いているひたいは広く高く、ますます聡明そうだ。
ギリシャ彫刻を連想させるシャープさを東洋風にアレンジした鼻をしていて、これがまた上品で、高貴さを漂わせている。ダークワインのルージュを引いた形のよい唇からは、英語とドイツ語とフランス語が同時に出てきそうだ。年は三十ぐらいだろうか。
大悟を魅了したのは顔だけではなかった。女が着ている明るい山吹色の薄手のニットの胸は、九十五センチを楽々超えるかというボリュームだ。トップとアンダーの落差がすごい。砲弾、そのものの形をしている。
落差といえば、ニットが柔らかく絞っているウエストのくびれが目を引くばかりだった。バスト九十五で、ウエスト五十六というところだろうか。その下に目を這わせて、大悟は目を剥いた。
マリンブルーのミニスカートのお尻が、特大。一メートルというのは大げさでも、九十八センチはあるかもしれない。ミニスカートの裾の下に目を這わせて、大悟はさらに目を剥いた。
抜けるような白さの生脚だ。むちむちのボリューム。あたりに人がいなければ、殴られたり蹴飛ばされたりを覚悟で、すがりつきたい美脚だ。ラベンダー色のペディキュアをした足に、つやつやした朱色のサンダルを履いている。
(すっげー美人! チョー、グラマー!)
驚嘆の目で、大悟は伸矢に訴えかけた。二人の異常を敏感に察知した善徳が手持ちぶさたを装って大悟たちの横を歩いていき、女を一瞥した瞬間、泡を噴きそうな顔をした。
(すげえ美人だぞ。オイ!)
大悟は、前とは違った意味合いで伸矢に訴えかけた。大悟を見下ろす伸矢の喉仏が、大きく上下した。ズボンの中では、とっくに変化しているはずだった。
それは大悟も同じことだった。大学を休んで、朝っぱらから三人でレイプの生撮りビデオを見ていたのだ。一息入れて、また別なのを見ようとしていたところだった。
宅配便の客の応対をしていた店員が仕事を終えて『休止中』のプレートをはずし、こっちに並んでいる客たちに向かって「どうぞー」と言った。ちょうどそっちに歩いていっていた善徳がレジの前に立ち、大悟たちを振り向いた。大悟はそっち側の一番になった。
「あれだけの美人は、そうそういねえぞ。ビデオの女なんか、メじゃねえぞ。最高にオイシそうだぜ」
コンビニを出るなり、目をランランと光らせて伸矢が言った。伸矢の言葉が終わらないうちに、大悟は大きくうなずいた。
(やっちゃうか。おい)
目では、そう言っている。三人の中では背も低くて細っこい体をした善徳も、息を荒げている。こうなったら、三人の意思が一致しないほうがおかしかった。
女は、まだ出てきていない。車で来ているのだろうか。大悟たちの車は、駐車場の端のほうに置いてある。いずれ、車に引きずり込むしかないだろう。問題は、彼女が一人かどうか、だ。そうだと想定して、三人は素早く姦計を練った。
2
やんわりとした栗色のミディアムの髪、整った白い顔、山吹色のニットが明るいオーラを放つ彼女が出てきた。一人だ。少し離れたところでうかがっていた大悟と伸矢は、やった! とばかりに顔を見合わせた。
女は、大悟たちの車とは反対側に歩いていく。車で来ているらしい。車に誰かがいたらとヒヤヒヤしながら、大悟たちはあとを追った。
真っ赤な車の前で、女は止まった。中には誰もいない! 大悟は勝ち誇った気になって声をかけた。マスクは、伸矢よりも大悟がずっと甘い。それで声をかけるのは大悟と決めたのだった。
「あのー、もしもし」
「……は……?」
さっきみたいに、ツン、とした顔をかしげて、美女が大悟を見た。ツン、としてるというよりは、こういう顔なのだろう。要するに、美形だ。
「あのー、おれの友達が苦しがってるんですけど」
「…………」
それで? という顔で女は二人の顔を交互に見ている。左腕にクリーム色のバッグを提げ、左手にコンビニの袋を持っている。車のキーを出そうと右手をバッグの口にかけた状態で、動きは止まっている。
「さっき、レジのとこで割り込んだでしょ。いや、割り込んだのはおれだってことなんだけど、そのときお宅、すごいキツイ言い方しましたよね。それでおれの友達、泡を噴いて死にそうになってるんですよ。ちょっと責任、取ってもらえませんか」
「泡? 責任?」
女は眉を寄せて二人を見比べた。朝、二本見たレイプビデオの女より、はるかに悩ましく、エロチックな表情だった。
自分たちは三人で買い物に来たこと。自分が割り込んだとき、その友達が一緒にいて、女のキツイ言い方で発作を起こしたこと。発作を起こさせた本人に謝ってもらわなければ、たいていの場合は治らないこと。場合によっては命にかかわると医者に言われていること。等々を、大悟は口早にしゃべった。
「場合によっては、あいつは死ぬこともあるんですから」
と言って、伸矢は車の前に回り、ナンバーをメモしている。
「とにかく、一言。ごめんなさいの一言で、あっさり治ると思うんですよ。あの車にいるんですけど」
大悟は駐車場の反対側を指差した。ナンバーをメモした伸矢が女の後ろに立った。女は百五十五ぐらいか。百八十センチで肩幅もある伸矢は、まるで壁のようだ。
あごが張っていかつい顔をした伸矢に壁になられて、女は突如、よりどころをなくしたような顔つきになった。いってても二十八、九と見えた女の顔は、いきなり大悟たちと同年代の女のような、あどけないものになった。
「あの……これ……」
女が、コンビニの袋を示した。これを車に入れて、という意味だろう。袋だけでなく、女に車に入られたりしちゃあ、まずい。
一言、言ってくれるだけで治ると思う。これはおれが持ってあげますからと、おだやかな口ぶりとは裏腹、袋を奪うように取り、大悟は先導した。先導されるよりも後ろの壁に威圧されて、女は歩きだした。
車のリアシートで、善徳は泡を噴いてぶっ倒れていた。白目を剥き、顔は紫色。完璧な演技だ。
善徳は、自在に泡を噴く特技を持っている。唾液腺には、耳の下の耳下腺と、横あごの下の顎下腺と、舌の下の舌下腺とがあるが、善徳は耳の下の筋肉を緊張させることによって、耳下腺液をほとばしらせることができる。
息を詰めて顔を紫色にすれば、これはもう、誰が見たって発作としか見えない。白目を剥いていればなおさらだ。それでなくても善徳は細っこい体つきをしているので、完璧というしかない。そのうえ善徳は、ドアが開けられたとたん、ワナワナと震えだした。
その善徳を見て、女も震えた。「場合によっては死ぬ」という言葉が、目の前の事実として突きつけられた思いだろう。
大悟は反対側のドアから入り、いかにも心配げに善徳に声をかけた。
「おい、善徳、大丈夫か。あの女の人、連れてきてやったぞ。わかるか。謝ってくれるってよ」
善徳はわななきを強め、カニのようにあぶくを噴き上げた。大悟は目を鋭くし、女に言った。
「早く謝ってください。死んだらどうするんですか」
「あ、あの……す、すみません」
シートにだらしなく崩れている善徳の股間の上に顔を突き出して、女は言った。善徳はわななきをいっそう荒くし、射精のときのように腰を痙攣させた。
女のあごにズボンが当たり、女はびっくりして顔を浮かした。当たったのは、モノのところだった。善徳は四肢をひくつかせ、腰を弾ませた。あぶくが顔の下半分をおおい、シートに垂れた。
「だめだな、こりゃ。ゆっくりできるとこに行こう。まずそうしなきゃ、ほんとに死んじまうぜ」
女の後ろで、壁の伸矢が言った。女は戸惑いをあらわにしたが、善徳のアパートは二分とかからないところにある、とにかく一秒を争うと言って、大悟は女の手を引っ張った。
女がつんのめってきた。伸矢が押し込み、ドアを閉めた。整った顔に緊張を走らせた女に、大悟は、お願いですから善徳を死なせないでください。親友なんです! と、泣き落としの戦術に出た。女はひるむようなしぐさをした。伸矢が運転席に入ってきた。
〜〜『人妻肉楽園〜北山悦史短編集2〜』(北山悦史)〜〜
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