官能小説販売サイト 矢切隆之 『倒錯の白衣奴隷』
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矢切隆之    倒錯の白衣奴隷

目 次
第一章 白衣の誘惑
第二章 恥辱の洗礼
第三章 美肉の玩具
第四章 恥獄の調教
第五章 淫虐の陥穽
第六章 肉欲の狂宴

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 第一章 白衣の誘惑

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「おはようございます」
 夜の九時、ナースセンターに飛び込んできた種村彩子は、婦長に挨拶するといそいそと更衣室に消えた。
 吉野病院の勤務は三交替制だが、看護婦は出勤すると「おはようございます」が挨拶になっている。
 看護婦が集まるナースセンターは、ホルマリンなどの消毒の臭いがしているが、センターに隣接した看護婦専用の更衣室に飛び込むと、そこはむっとする女の匂いが満ちていた。女の匂いでロッカーが染まるのも無理はなかった。
 内科・外科、婦人科の看護婦がここに集結している。若い看護婦たちの女体の汗腺から、ふきこぼれるフェロモンの香りが沈殿している。
 吉野病院は中堅クラスの病院だが、看護婦には専門の所属はなく、内科・外科・婦人科のどの科も担当した。新人の彩子は初めは内科だけだったが、婦人科が忙しい時は応援に駆けつけた。
 更衣室のロッカーに向かうと、同僚の吉野悦子が下着姿になって、着替えをしているところだった。悦子は院長夫人の従姉妹で、看護大学を出てからすぐに吉野病院に就職していた。
 悦子はスリップ一枚の恰好だった。お淑やかにみえる彼女だが、黒のメッシュの下着を付けている。小柄な割りには、大きな尻がゆらゆらした。
「あら、今から出勤?」
 悦子の目が彩子を見つめた。
「そう、これから朝まで」
 彩子はロッカーを開け、白衣を取り出す。
 いつも白衣を手にしただけで緊張する。看護婦という仕事は聖職なのだ。人の命を預かる大切な仕事をしている、そんな実感が胸に迫る。看護大学を出た彩子は、吉野病院に勤務するようになってまだ半年が経っていなかった。
 彩子はスカートのホックを外し、しなやかな腰を折った。
 ミニスカートの裾から、ムッチリ肉付きのいい桃尻が突き出た。わずかに白いTバックのパンティが覗く。ブラウスをはだけ、ミニスカートを腰から落とした。ブランドもののブラウスは、恋人の西田鷹彦からの贈り物だ。
「あら、彩ちゃん、意外に肉付きいいのね」
 悦子の言葉に、彩子が頬を染めた。
「いや、見ないで」
 たしかに下着姿になると、彩子はかなり肉感的だった。
 身長は一五七センチで、体重は四十八キロ。顔が小さく、首は細く、見た目は華奢そうにみえる躯だが、若いだけに、柔らかそうな二の腕がピチピチしている。ブラジャーの谷間から、匂うような女の色香が漂った。
 汗を浮かべている白い双つの谷間、くびれている胴体、弾力ある腰の曲線。若さのみなぎった肉体が、天井からの蛍光灯で輝いてきた。
 スリップの上に、彩子は急いで白衣を身につけた。
「ね、七号室のクランケには気をつけて」
 着替えをした悦子の声に、彩子の顔に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「七号室って、あ、杉原老人ね」
「そう、あのスケベ爺ちゃん」
 悦子の紅唇が歪む。
 入院患者は数名だが、杉原老人は看護婦の間で有名だった。
「気をつけるって、何を?」
「ふふ、年寄りなのに、アッチの方はお盛んなんだから。今度はオッパイばかりか、お尻も掴まれちゃった」
 悦子の言葉に、彩子が笑った。
「お尻を掴まれたの」
「そう。油断してたら、グイッとお尻を抱き寄せられた。イヤって叫んだけど、平気な顔して、お尻を捏ねるように掴むの。ああ、お尻が真っ赤に腫れちゃった」
「あら、うれしがってる」
「何をいうの。ただの掴み方じゃないんだから。白衣の裾に手を突っ込んできて、パンティを脱がそうとするんだよ」
 悦子の口がとんがった。
「そんなこと、いつもじゃない?」
「いつもだけど、エッチなんだ、あの指」
 悦子の眸が充血していた。
 たしかに杉原老人の女を見る目つきは、少しヘンだった。
 脈を計っていても、看護婦の白衣の下の、こんもり盛り上がった胸を見つめている。油断していると、オッパイを掴まれる。ちょっと隙を見せれば、すぐに白衣の裾に手が忍び込む。
 悦子と話しているうちに、彩子は着替えおわった。
 吉野病院の制服の白衣は、胸の部分が前ボタン式に開き、膝上までのスカートはふんわりと広がっている。看護婦たちは、白衣の下にブラジャーとパンティが透けるので、スリップを身につけていた。
 新入り看護婦である彩子は、頭にキャップをかぶった。
 真新しい白衣を身につけキャップを頭にのせると、二十三歳の天使は、すがすがしい表情で輝いてきた。
 ナースセンターに戻ると、婦長の柏木信江の指示が待っていた。
「種村さん、たったいま、七号室でコールがあったの。杉原さんが、また催眠剤のおねだりなの」
「え、またあのお爺ちゃんですか」
 いま話題にしていた杉原老人なので、彩子はクスッと笑った。
「はい、でも、いいんですか、あのクスリをまた与えて」
「本当はクスリなしで寝てほしいんだけど。でも、欲しいっていうんだから仕方がない。新薬のグラミール・アルノーデ、二錠持っていって」
「はい」
 彩子に指示を与えると、婦長は帰り仕度を始めていた。若い看護婦ばかりだが、婦長は年齢が四十を越している。新入りの看護婦には三交代で出勤時間はまちまちだが、婦長には徹夜勤務はなかった。
 彩子はいつも婦長を見る度に、徹夜のない役職が羨ましくなる。
 その時、「おはようございます」といいながら、パート勤務の米村ヨシ子が入ってきた。ヨシ子は正式の看護婦の免許は持っていないが、人手不足の看護婦の代わりにパートで夜間勤務をしている。
「じゃ、種村さん、後は頼みますよ」
「はい、わかりました」
 婦長の声に頷いた彩子は、薬剤を入れているガラスケースから新薬を取り出した。グラミール・アルノーデ。三つ星製薬のその催眠剤は、最近病院でよく使われている。
 白衣姿の彩子は、新薬を手にすると、いそいそと七号室に向かった。
 ノックをしてから、七号室のドアを開けた。足を踏み入れた途端に、老人のすえたような体臭が匂ってきた。
「待ってた」
 ベッドの上の浴衣姿の老人が枕を背に上半身だけ起こし、目玉をギョロリとさせ彩子を見つめた。
 杉原栄作、七十三歳。
 かつては大手の生命保険会社の重役だったが、引退後は悪性の糖尿を患い、長期入院している。
 風変わりな老人だが、彩子が看護婦になってから初めての担当患者だ。眼光の鋭い老人で、経済的に潤沢なので個室に入っている。七十三にしては肌の艶が若々しかった。皺の多い顔だが、頬などはテカテカしている。
 唯一の趣味は占いで、的中率は本職の易者以上だといわれていた。ベッドの枕元には、いつも本屋に注文した易占の本が山になっている。好色そうな目は淫乱な感じで、舐めるように彩子の白衣の下を透かして見た。
「どう、よく眠れませんか」
 老人の近くに行くと、彩子が微笑んだ。
「老人には何の愉しみもない。今夜は、あんたの当番だから期待していた」
「期待って、何をですか」
「ふふっ、ベッピンさんの可愛いオッパイとお尻にさわれるだけでも、生きていてよかった」
「あら、ご挨拶。顔じゃなくて、女はオッパイとお尻があればいいんですか」
「その通り」
「ま、お爺ちゃんたら――はい、おクスリ」
 彩子が微笑んで錠剤を手渡そうとした途端、老人の手が白い手首を掴んだ。そのまま、ぐいっと引き寄せられた。
「キャー!」
 叫んだが、白衣の胸がぐらっと傾いて斜めになる。
 そのまま、ベッドの上に倒された。裾が乱れて太腿までめくれ上がった。白衣の内側から女臭が匂いたち、白いTバックパンティまでが覗いた。
「やめて、離してッ」
 
 
 
 
〜〜『倒錯の白衣奴隷』(矢切隆之)〜〜
 
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