矢切隆之    新妻飼育 美肉の交歓 
 
目 次 
第一章 囚われた若妻 
第二章 よがり啼く牝肉 
第三章 美肉の調教 
第四章 淫蕩な若妻奴隷 
第五章 恥辱の祝宴 
第六章 不倫の陥穽 
 
(C)Takayuki Yagiri 
 
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 第一章 囚われた若妻 
 
     1 
 
 川崎の閑静な住宅街にある一軒の真新しい洋館から、美しい女が現れてガレージに向かった。 
 ロングヘアで、全体に華奢な感じがする。だが、胸と腰の部分はきわめて自然な曲線を描いて発育していた。陶磁器のような白い首に、真珠のネックレス。鼻筋はとおり、イヤリングをした耳は貝殻のように美しい。 
 ふくよかな女体は、ドンナ・ミッソーニの優雅な煉瓦色のワンピースにつつまれていた。ひときわ目立つのが豊満な胸で、ブラジャーはDカップ。蠱惑的な双つの隆起は、男なら誰でも振り向かずにいられないほど肉感的に盛り上がってウエストにつながり、その優雅な曲線は、たっぷりとした腰のくびれへとつづいていた。 
 後ろから見た臀部は、はちきれんばかりに盛り上がっていた。 
 ガレージには、メタリックシルバーのベンツS350が駐車している。白魚のような美しい手が運転席のドアを開け、豊満な臀部が優雅に吸い込まれた。 
 ファッションモデルになってもおかしくない彼女は、ヨーロッパ一周の新婚旅行から帰ったばかりの鷹木理沙。年齢二十四歳。鎌倉の桂物産社長令嬢で、城門女子短期大学英文科を卒業していた。 
 身長百五十四センチとやや小柄だが、胸も臀部も肉感的な脹らみを示し、黒いロングヘアは上品な横顔を優雅に見せていた。 
 どこから見ても若奥様で、ワンピースの裾からはすらりとしたカモシカのような両脚が突き出ていた。 
 イグニッションキーを差し込むとエンジンがぶるっと震え、ガレージからベンツが発進した。 
 久しぶりに自分で運転してデパートに行く気になったのは、結婚の御祝い品のお返しが気になっていたからである。 
 国道に向かってハンドルを切り、アクセルを軽快に踏むと、腕に嵌めた金色のブレスレットが揺れた。 
「世田谷の叔父様には、ブランディがいいかしら……そして、豪華な時計を頂いた鎌倉の伯母様には何がいいかしら」 
 アクセルを踏み、バックミラーを見ながら理沙は思案した。理沙の趣味のひとつはショッピングだった。 
 信号待ちをしてから、国道に出た。 
 だが、その途端、ダンプカーやマイカーなどが、整然としたベルトのように渋滞していた。付属のカーナビには、新宿までの道のりが示されている。 
「……あら、どうしたのかしら」 
 運転席の窓から身を乗り出し、前方をみた。どうやらバイクがタクシーと接触事故を起こしたらしく、パトカーが止まっていた。 
 警官が立ち、交通整理をしている。 
 バックミラーを見ると、後ろにはクルマが連なっている。 
 川崎から新宿に出るには、東名川崎インターから東名に入り、首都高速道路を利用するのが最善だった。 
 鎌倉育ちのお嬢さんだが、結婚して新居をもったこの辺の地理についても少しは知っている。 
「川崎インターに向かうには、バイパスがあるはず……」 
 ハンドル片手にカーナビを操作すると、画面にバイパスが映し出された。それによると、国道を捨てて市道に入らなければならない。 
 前のクルマが少し進んだのを見て、ハンドルを右に切った。 
 滅多に都心に出ないのに、こんな日に限って事故があった。それも不運だと諦めながら、アクセルを踏んだ。 
 市道に出ると、いきなり見晴らしのいい眺めになった。それもそのはず、郊外なので両脇が畠になっている。 
 理沙と同じように、何台かのクルマが市道に入った。やはり、渋滞をのがれてバイパスを利用するクルマのようだ。 
 砂利道なので、クルマが震動した。ミラーを見つめた理沙は、ふと後方に、バンパーを凹ませた白いカローラを見つけて不安になった。 
 その凹み具合には見覚えがある。鬼頭史朗のクルマに似ているのだ。 
 鬼頭史朗――。 
 それは理沙にとって忘れられない名だった。 
 新婚旅行に出る一カ月前、赤坂のホテルで高校の同窓会があった。旅行の準備もあったのだが、理沙は無理して出席した。そこでかつての同級生・鬼頭史朗に会った。彼は結婚を控えた理沙に、愛を告白したのである。だが、当然ながら、理沙は拒まないわけにはいかなかった。同窓会の後、理沙と友人を駅までマイカーで送ってくれた。そのクルマがバンパーの凹んだカローラだったのだ。 
 カーナビの指示通りにハンドルを右に切り、左に切った。一本道だが、道路はくねくねと曲がっている。 
「あら……!」 
 理沙はミラーを見て眉をひそめた。尾行するかのように、白いカローラはどこまでもついてくる。 
「まさか……?」 
 ハンドルを握った理沙の胸に、恐怖に似た思いが突き上げた。 
 同窓会で理沙に愛を打ち明けた史朗の、いかにも粘着質らしい言葉づかいがよみがえった。――俺はいつまでもきみを忘れない。史朗はそういった。 
 ミラーに映ったカローラを眺めながら、理沙はハンドルを握ったが、ふと見ると、林道に差しかかったあたりで、ようやくカローラが消えた。 
「……ああ、よかった」 
 理沙は胸を撫で下ろした。 
 結婚したからには、夫との生活を第一に考えなければならない。そんな事は当たり前だが、史朗のような男の出現は、当たり前の暮らしに邪魔になる。 
 林道に入った理沙はほっと一息ついて、アクセルをゆるめた。速度メーターは時速四十キロを示している。タイヤの震動を感じながら砂利道を乗り切り、ようやく森林を抜けた瞬間、理沙の目が点になった。 
 樹木の下に、先回りした白いカローラが隠れていた。 
 人通りのない道路だった。白いカローラは、まるで待ち伏せしているかのようにも見える。一本道なので、脇道に入ることは不可能だった。アクセルを踏み込んで、カローラの脇を抜けようとした。その時、突然カローラのドアが開いた。 
 ――ウォーッ、ワン! 
 豹のように、褐色の影がドアから躍り出てきた。影と見えたのは、大きなシェパードだった。 
 金色の鎖が、カローラの運転ドアから出ている。道を塞がれた理沙が、慌ててブレーキを踏み込んだ。 
 ――ウォーッ! 
 艶やかな毛並みのシェパードがこちらに向かって吠え、その瞬間、ベンツが大きな立木に衝突し、目に火花が飛んだ。 
 がくっと、理沙の上体がハンドルに圧迫された。ようやく顔を上げた時、窓ガラスに男の顔が覗き込んだ。 
「……どうした、理沙さん」 
 飛び出したシェパードの鎖を握り、窓から覗き込んだのは鬼頭史朗だった。上下の紺色のジャージを着て、目だけが炯々と光っている。 
「……んぐぐっ、いったい、どうして?」 
 理沙の声がうわずった。 
 さいわい大した衝撃はないが、バンパーの正面がひしゃげている。コツコツと窓が叩かれた。 
「……大丈夫か」 
 理沙はドアを開けた。 
 いきなり腕がのびてきて、理沙の腕を引っ張った。ハンドルにしがみついた理沙だが、華奢な躯は逞しい腕の中に捕えられた。 
「離してッ」 
 理沙は叫んだ。 
 ウォーッ! ウォン! 
 シェパードが猛然と吠え立ててきた。犬嫌いの理沙は、大きなシェパードに吠えられると全身がすくんだ。 
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