二階堂修一郎 美少女忍法帖
目 次
女忍七人衆
男伊賀VS女甲賀
ふたりの奈落
奈落は二度死ぬ
イクのは奴らだ
(C)Shuichiro Nikaido
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女忍七人衆
1
大きな竹籠を背負い、なだらかな坂道を山の中へ向けて歩いていく、若い女の姿があった。
間もなく初夏だったが、日差しはもう真夏のそれといってよいくらいだった。娘の額からは、荷の重さもあって、それこそ玉のような汗がしたたっている。娘はそれを拭おうともせず、ただひたすら山道を登っていたが、大きな木影にはいると、さすがにひと息いれるのだった。
竹籠のなかには、あちこちの農家をまわってもらってきた作物がはいっていた。
娘は、その村がもうはるかかなたの下にあることを確認すると、何を思ったか、着ているものを脱ぎだしたのである。
といって、今日のようにブラやパンティーをつけているわけではないから、着物を脱ぐとたちまちのうちに全裸となった。娘は、腰巻すらつけていなかったのである。
長い髪も乱暴に束ねているだけだった。だから町娘でもなければ村娘でもない。その証拠に、肌こそ白く輝いているが、ムダ肉をかけらも寄せつけてはおらず、どこかそのしなやかな裸身は、スポーツ選手でも思わせたのである。
大胆にもスッポンポンになった娘は、またひょいと竹籠を担ぐと、坂道を堂々と行きだした。ヌメ白い柔肌に、また汗が噴きだすが、それはヌラヌラとして官能であった。時折の風が、まだ淡いピンクの乳首と下のヘアを嬲った。
2
獣道といってよいような草深い道へと、娘ははいっていった。
竹籠の作物は、かなり重そうだが、それにしても強靱な体力というほかない。その顔はまだどこか稚くあきらかに十代である。乳首にしたところでまだそのふくらみは未完成の余地を残しているといえなくもない…。
だが、ヒップはまろやかで、もう十分に女そのものだった。よく肉は締まっていて、健康美に充ちた太腿とのバランスは絶妙だ。
荒い息遣いが、もう少しきこえてもよさそうだが、それはさわさわとした風が揺らす木々の葉の音のなかに消えてしまいそうだった。
そういえば、足の運びもどこかただ者ではない。
娘は、あきらかに忍びであった。
といってここは忍びの里ではない。丹波篠山六万石の山中である。丹波には、波多野流という忍術の流派があるが、どうやらこれとは関係なさそうである。
一般的に、忍者といえば、伊賀か甲賀、あるいは、戸隠流、風魔忍法ぐらいしか知られていないが、無名の流派も数多く存在するのである。
伊賀と甲賀が、忍者の代名詞となったのは、いずれもが江戸城の警護に当たっていたからであろう。
下り坂になってようやく視界が開けた。彼方に谷川が見え、その手前に小屋があった。やけに長身の男が、ひとり手裏剣をもくもくと投げていた。
3
「奈落っ」
娘が大声で叫んだ。
男は、村雨奈落であった。彼は、手裏剣の手を止めると声のほうを見あげた。
娘が手を大きく振った。そして、娘の脚は早くなって坂道を駆けおりた。
「おまえ、素っ裸で歩いてきたのか」
「だって、暑いから」
「まさか里へも裸で行ったんじゃないだろうな」
娘は、やけに意味深な微笑を見せた。
「だったら、どうする?」
「裸を見せて、作物をもらってきたのなら、最低だ。そんなもの、おれは食わんぞ」
奈落は顔をそむけた。娘はヨイショッと竹籠を置くと、奈落にすり寄った。
「妬いてるのか?」
「バ、バカいえ」
「ふふ。そうだろ」
「おまえが誰に肌を見せようと知ったことか」
「素直になれ。村雨奈落」
「本当に裸を見せたのか」
「だったら、どうする?」
「尻をたたく」
「うんっ。たたいて」
「よし。鞭でだぞ」
「それはいやだ。おまえの手でぶってくれ」
奈落が、大きな石のうえに腰をおろすと、娘は、その膝に俯せになってしなだれてきた。そのスレンダーな裸身は、まさに柳の枝のようにしなやかだ。
「大勢の男に、このからだを見せたのだな」
「うんっ。見せた。みんなに見てもらった」
奈落の剣を握る硬い手が大きくあがると、娘の尻に向かって振りおろされた。
4
パアンッ!
肉をはじく大きな音がそれこそ山中にこだました。
「ひいいっ」
あまりの痛さに娘ははねあがった。そのむっちりとした白い尻たぼに、みるみる大きな手形が浮かびあがるが、奈落は、もうひとつのそれにももう思いきり振りおろすのだ。肉音と共に、また甲高い悲鳴が響いた。
「どうだ、こたえたか」
「すっごく痛いよォ」
娘は、自分からせがんだくせに涙声だった。
「もっとたたくぞ」
「あ、あたし、誰にも、裸、見せてないっ」
奈落は、ニヤリと笑ったが、もとよりそう思っていたのだろう。
「じゃあ、おれにうそをついたのだな。では、その罰だ」
「ご、ごめんっ。ごめんなさいっ。やだっ」
娘が、脚をバタバタとさせるが、奈落は、こんどはそのプリプリと肉の張った双丘へ、連打していくのだった。
パン、パアン、パンッ。
「ひい、ひい、ひいいっ」
まさに、おしおきであった。これでもかと奈落は尻をたたいていく。ついには自分のほうの息が切れた。
「痛い、痛いよっ」
娘は、ついにわんわんと幼児のように泣きだしていたが、真っ白かったヒップは、もう灼けついたように真っ赤に腫れあがっていた。
「おおっ、熱いわっ。やけどしそうだっ」
そのまろやかさをたしかめるように、奈落は、ねっとりと撫でまわした。
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