官能小説販売サイト 園ひとみ 『秘めやかな欲望』
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園 ひとみ   秘めやかな欲望

目 次
1 めぐみ・スキンシップ
2 直子・フェラチオ
3 由美江・エクスタシー
4 美加・レイプ
5 由香・オナニー
6 早苗・トリプルプレイ
7 真由美・乱交パーティ
8 由香里・バイブ

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   1 めぐみ・スキンシップ

     1

 退社時刻になり、女子社員たちが帰りじたくを始めた。
 デスクに向かって電卓を叩いている中原めぐみのところへ、同僚のミエ子がやって来た。
「めぐみ。ショッピング付き合わない?」
「今日、残業なの」
 めぐみは電卓の数字に眼を向けたまま答えた。
「本当? お気の毒ね」
 じゃ、がんばって、とミエ子は楽し気に言って、去ってしまった。
 めぐみは軽いため息をついた。
 今日は水曜日で、恋人の杉本英司とデートの約束をしていた。
 残業になったので中止にしたのである。
 女子社員は皆帰ってしまった。
 総務課にはめぐみ一人と、課長だけである。
 あとは営業部員が数人残っている。
 七時を過ぎると、電話もかかって来なくなり、営業部員たちもざわざわと帰りじたくを始めた。
「中原クン、残業ご苦労さん」
「課長に襲われないように」
「口説かれるかもしれないぞ」
 彼らは口々にそんなことを言って、上着を引っかけ、雑談しながら部屋を出て行った。
 とうとう課長と二人きりになってしまった。
 彼は窓を背にしたデスクで、煙草をくゆらせながら書類をめくっている。
 課長の椅子がきしむたびに、めぐみは胸がドキリとした。
(いやだわ。あたしったら。まるで課長さんに襲われるのを用心してるみたい)
 男性社員が口にした冗談のせいか、めぐみは課長と二人でオフィスに残っていることに、いつになく緊張を覚えた。
 もう四十近い課長に、男性を意識したことはあまりなかったのに……。
「中原クン」
「はい!」
 めぐみは一瞬、胸をドキリとさせた。
「コーヒーをいれて来てやろうか」
「あっ、私が作って来ます」
「いいよ、たまには僕がいれてあげる」
 彼は咥え煙草をしながら部屋を出て行った。
(課長さんて案外やさしいんだわ)
 めぐみは課長を見直す思いだった。
 伝票整理がようやくひと区切りついて、めぐみは時計を眺めた。
 もう八時である。
 コーヒーを飲んで、そろそろ帰ってもいい、ということかもしれない。
 課長がコーヒーをお盆にのせて運んで来た。めぐみのぶんだけである。
「課長さんは?」
「ウン、僕はもう飲んで来た」
 課長は傍らの椅子を引いて腰を下ろした。
 めぐみは何となく飲みにくい。
「さあ、飲みなさい。別に毒は入っていないよ、睡眠薬も媚薬も何にも入れてないよ」
 めぐみはクスッと笑って、カップを口許に運んだ。
 傍に課長がいるので味がよくわからなかったが、
「おいしい」
 と課長を見て微笑んだ。
「おいしい?」
「ええ、とっても」
「男のあれ、飲んだことあるかい?」
「えっ?」
 急に言われて、めぐみは顔を赤らめた。
「男の人のあれって……」
「あれだよ、ザーメン」
「いやだわ、課長さんたら」
 めぐみは、ようやくからかわれているのに気づいた。
「いや、中原クンのチャーミングな唇を見てると、つい卑猥な想像をしてしまって」
「課長さんてエッチなんですね」
「男はみんなエッチさ」
「そうでしょうか」
 めぐみは課長と二人きりでいることにまた危険な雰囲気を感じた。
 めぐみの傍らの椅子にずっと座り込んでいるというのも、何となく変なムードである。
「彼氏はエッチじゃないのかい?」
「えっ」
「知ってるよ、隣の会社の社員と付き合ってるだろう」
 課長はそう言った後で、めぐみの身体を舐め回すような視線で見た。
 めぐみは何だか落ち着かなくなった。
「彼と結婚するのかい?」
「まだ決めていません」
「だけどもう、深い仲なんだろう?」
 
 
 
 
〜〜『秘めやかな欲望』(園ひとみ)〜〜
 
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