北山悦史 禁猟区 若妻の滴り
目 次
他人妻の味見
若妻の滴り
犯されよがり
若妻・甘い受難
恥悦の報償
緑陰の凌辱
貢戯の悦楽
淫咬ウグイス嬢
甘すぎる罪
灼熱の淫液
(C)Etsushi Kitayama
◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。
他人妻の味見
1
午後三時、佐伯秀之が日曜出勤から戻って集まりのある大塚家に行ったとき、すでに宴はたけなわだった。
今日の二時から始めるということは、二週間も前から決めてあった。急な仕事が入ったのが昨日のこと。二時ぐらいには戻れるだろうと、予定どおり飲み会を開くことにしてあったのだった。
「かけつけ何杯とか言うでしょ? はい、ドーゾ。お仕事、ご苦労さまでした」
バラみたいに顔を赤くした大塚早苗がすかさずビールをついでくれた。
「こっちも冷えてますよー。キーン、て」
と言って、赤いダリアみたいな顔をした長浜晴美が日本酒をついでくれる。
「まあまあ、とりあえずイッパイ」
と、酔った男たちも焼酎のオンザロックやらチューハイやらを作ってくれたりする。十分たつかどうかで、秀之はみんなに負けないぐらい顔を赤くしていた。
秀之たち夫婦、大塚良平と妻の早苗、長浜公彦と妻の晴美、三組の夫婦の飲み会だった。去年までは、三家族、だったが、秀之の息子の大介が中学に上がり、親についてくることが少なくなってから、構成が崩れだした。
良平たちの娘の智奈美と公彦たちの息子の俊也はまだ小学生で、行動をともにすることが多い。今日も、大介は友達とどこかに出かけた。智奈美と俊也は二階でテレビゲームをしているらしい。
(いよいよ大人だけの集まりになるのかあ)
一息ついた気分になった秀之は、何かいつもと違うことに気づいた。秀之が来るなりビールをついでくれたこの家の主婦早苗は、秀之に寄り添うように座っている。秀之の妻の麻希は長浜公彦とくっつくようにしているし、この家の主人の良平は、それならばということか、晴美と仲よく並んでいる。
「なんかそっちの人たち、いやに仲がいいんじゃないか?」
秀之は早苗の赤い顔を覗き込み、言った。
「そうなのよお。なんか今日は子供たちが一緒にいないせいか、みんなしていちゃいちゃしてるの。秀之さんが来るまで、あたし一人で淋しかったのよお」
と早苗は、冗談とも本気ともつかない言い方をした。言われた向こうの四人は別に悪びれた様子もなく、睦まじく飲んでいる。
子供たちが大きくなってきたから、自分たちのつきあい方もそろそろ変わってくる時期かな、とは、秀之も思っていた。
今はみんな一戸建ての家に住んでいるが、前は同じ団地に住んでいて、その知り合いだ。大介が幼稚園に上がった頃からのつきあいだから七、八年にはなるか。
今やみんな中年の仲間入りだ。秀之は四十二歳でダントツに年をくっている。あとの五人は三十五歳から三十九歳までの間にかたまっている。秀之が最年長ということもあり、何かのときの号令掛けは秀之の仕事だった。みんな、秀之の号令で動くことを心地よくも思っているらしい。そんな関係だ。
「だけど、これは、もともとは麻希ちゃんの言ったことが原因なのよ? ねえ」
良平とくっついている晴美がそう言ってみんなを見渡し、クスッと笑った。早苗を含めほかのみんなも笑ったが、秀之の妻の麻希だけは「あれは冗談よおー」と言って、酔いで赤らんだ顔をいっそう赤らめ、秀之の顔をチラッと見てうつむいた。
テーブルに並んだ刺身を指差したりしながらそれを秀之に話したのは、この家の主人、良平だった。
麻希のアソコの味は、周期的に変わる。生理が近くなるとマグロの赤身の味がする。生理前日ぐらいになるとトロ味になる。生理中はわからないが、終わった時点では脂の乗ったハマチ、それから一週間ぐらいすると旬のカツオ。だから、マグロ味のときは安全日で、カツオになると危険日、ということになる。ハマチも気をつけたほうがいい――。
「ウソよお。冗談だってばあ。ただうちのヒトがそう言ってるだけなんだからあ」
顔の前でひらひらと手を振って否定する麻希に、寄り添っている公彦が、
「そりゃあ、麻希ちゃんが自分のアソコの味、わかるわけもないからなあ」
と笑って言い、全員がドーッと笑った。秀之も笑い声を合わせた。どんな状況で麻希がそのことをしゃべったか知らないが、それは事実だからだった。
秀之は〃特殊能力〃と自負していることがいくつかあるが、味と匂いに関しても一家言持っている。
気心の知れたグループ。今は子供もいない。アソコの味の話がきっかけとなって、勢いソノ方面にのめり込んでいくのは、必然ともいえた。
2
「うちのカミさんの秘密、知られたからには、よその奥さんの秘密も知らなくちゃなあ」
秀之はそばの早苗のふくよかな肩を肩で押し、にらんで言った。早苗は、三人の女の中ではとびきり豊満な体をしている。秀之の妻の麻希が中肉中背、晴美がどちらかというと華奢だから、相当に目立つ。自分では「おでぶちゃんおでぶちゃん」と言っているし、夫の良平もそう言っている。
その良平が華奢な晴美と仲睦まじくしてるのは、秀之には十分に理解できた。結婚当初はともかく、十年も夫婦をやってくれば、隣の芝生がよく見えたりするものだ。
秀之はもうずっと前から、早苗みたいなタイプが好きだと、麻希には言ってきた。麻希がみんなにそのことを言うので、秀之が早苗に「ほ」の字というのは、公然の事実となっている。
「あたしはやーですよ。イチぬーけた」
|