村雨狂花 肉になれ!
目 次
娘の目の前で
サディスト夫婦
歪む牝の烙印
いじめて殺して
淫虐のしたたり
刺激が欲しい!
狂気の遊戯
異常な余生の過ごし方
飼育ゲーム
(C)Kyouka Murasame
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娘の目の前で
1
夢と現のはざまを往来していた。
着ているものが、誰かによって脱がされているような気がするのだが、頭の重さがそれをむしろ心地よくさえさせていた。
瞼がどんよりと重かった。
「ホッホホ。目が醒めたようね」
一瞬、母親の声かと思ったが、すぐにそんなはずはないことはわかった。声があきらかに違う……。
「ああ……誰?」
「あら、あたしのことは憶えてないの?」
「え?」
信子は、そこで大きく目を開けて女を見た。いや、いるのは女ばかりではない。見知らぬ顔の男たちが取り囲むようにしているではないか。そして、その男たちが舐めるように自分を眺めてきていた。
「ひっ」
思わず叫んだが、頭が痛くて、すぐにもたげようとしたそれをまた下げた。
「ホッホホ。いいからおとなしくしてなさい」
そこでようやくハッとするのだった。
(由美っ。由美ちゃんっ)
もう脱がされていることも忘れたように、信子は、必死の顔でキョロキョロとあたりを見渡した。
「安心しなさい」
「えっ!?」
「子供はちゃんとあずかってるわよ」
「ど、どこ? どこですかっ。ひいっ。い、いやあっ。や、やめてェッ」
信子は、また母であることを忘れたように叫んだが、スカートが一気に引きおろされたのである。胸はブラジャーが剥きだしになっていた。
「こらこら、じっとして。お母さんでしょ」
「い、いやあっ。触らないでっ」
「子供に会いたくないの?」
「そ、それはっ」
「だったらおとなしくしてなさい。さあ、もう立てるわね。これから身体検査よ」
ようやく重い頭がはっきりしてきて、記憶がよみがえってきたのである。
いつものように、三歳になるひとり娘の由美を連れての買物の帰りだった。車のなかから中年の女に声をかけられたのだ。「かわいいお嬢ちゃんだこと」などと立ち話をしていたら、うしろからいきなり口をふさがれたのである。当てがわれた布から、薬品の強烈な匂いがしたと思ったら、意識がかすれてきた。
(そ、そう……そうだったんだわ…)
どうして自分が誘拐のようなことをされたのか。それも子供まで一緒に。頭はますます混乱してくるのだった。
ヨロヨロと立ったが、はだけたブラウスはともかく、下は、パンストとパンティーだけなのだ。靴は脱がされていた。
「い、いやっ。スカートをくださいっ」
胸を両手で包みこんで信子はわめいた。
「何言ってるの。これから全部脱ぐのよ」
「ひいっ、嘘っ」
女は、車のなかから声をかけてきた中年女だった。あの時はやさしそうに見えたが、いまはただただその浅黒い顔が不気味に見える……。
「子供のことはかわいくないの?」
「こ、子供を返してっ」
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