高 竜也 ふとい奴
目 次
ふとい奴
第一章 肉の標的
第二章 新鮮な獲物
第三章 才女の淫謀
第四章 罠の裏側
第五章 蜜 の 味
第六章 変身願望
第七章 肉体賛歌
花神めぐり
(C)Tatsuya Kou
◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。
ふとい奴
第一章 肉の標的
浴室から出て来た秀人を鏡の中に見た美津穂は、ちょっとはにかみながら秀人の方を振り返った。
穏やかな笑みを浮かべながら秀人は、腰に巻いたバスタオルを落とした。
釣られるように視線を落とした美津穂の表情が一瞬凝固し、全身におののきにも似た震えが走った。
秀人は中肉中背であったが、肉体の或る部分に関しては絶対的な自信を抱いていた。
相手が小娘ならいざ知らず、美津穂のように性的な経験が豊富であればある程、その効果が大きく、相手に与える印象が強烈であることも熟知していた。
「社長……どうしました?」
「あ、いえ……」
耳たぶまで赤く染めた美津穂の足元は急に覚束なくなっていた。
全裸のまま歩み寄った秀人は、美津穂の肩からバスローブを外すと火照った体を抱きしめ、耳たぶに熱い息を吹きかけて囁いた。
「その綺麗な手で握って下さい。風呂に入っている時からそう思っていました。そしたら見境もなく勃ってしまって」
さりげなく女を惑わせるような露骨な言葉を使うのは、いつもながらの秀人のやり方だった。
「さあ、握って……」
しなやかな美津穂の五本の指がこわばりに巻き付くと、二人は異口同音に「ああ」と呻き声を上げた。
「こんなの初めて……怖いわ」
美津穂は手の中で脈打つ長大なものの大きさを確かめるように、根元から先端まで何度も握り返して息を弾ませた。
「ぼくも同じことをしたい……いや、触る前にまず見たい。見て、触って……ゆっくり舐めたい」
途端に美津穂は膝から崩れ落ちそうになった。咄嗟に抱きかかえた秀人はそのままベッドに運んで横たえた。
「もっと暗くして、お願い」
「男から見る楽しみを奪うなんて残酷ですよ」
秀人はバストとふくらみを隠そうとする手を邪慳に払いのけると、両膝の間に割り込んだ。まだ愛撫の手を差しのべたわけでもないのに、栄養の行き届いた女の中心はぐずぐずに濡れ、内股から会陰部にかけて性臭に満ちた愛液にまみれていた。蠢き、甘美な蜜を垂れ流す女陰は、別の生き物のように見えた。
美津穂の両脚の間に入り込んで平たくなった秀人は、暫くの間、ただじっと女の開かれた中心を眺めていた。
今までの経験から、女は間近に見られるとひどく恥ずかしがる反面、大きな歓びを感じることも知っている。
全裸で仰臥している長岡美津穂がまさにそれだった。
熱い秀人の息がふくらみの上から鼠蹊部の辺りにかかると、見られる恥ずかしさでもじもじしたが、それとは別に体の奥で何かがトロリと溶け出して、花唇の外に溢れるのを感じた。相反する感覚の中で美津穂は、先程チラリと見た秀人の長大なものを思い浮かべ、それがやがて秘孔を切り裂くように入って来る時の、女だけが知る喜びを想像し、ブルルルッと全身を震わせた。
「そんなに……見ないで」
「さっきも言ったでしょう。見るのは男の喜びの一つだって……」
こんなに近くで見ているんだぞとばかりに、秀人は亀裂上辺の分岐点を鼻先で擦った。
「ヒイーッ」
小気味よく尻肉を震わせて、美津穂は悲鳴を上げた。
|