花森えりか 燃えて辱しめられて
目 次
誘惑の秘めごと
燃えて辱しめられて
セクシー下着で変身
甘い唇と舌
変態セックスの結末
レイプの悪夢
父と娘の夜
好色社長の脅迫
(C)Erika Hanamori
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誘惑の秘めごと
1
ベッドの上で、夫にネグリジェとパンティを脱がされ、肉感的な裸身をあらわにしたとたん、
(ああ、今夜こそ――)
と、由梨絵はふるえそうなほどの熱い欲望に包まれた。
「欲しいか、由梨絵、欲しいか」
夫の敬介が、由梨絵の白い豊かな乳房に顔を埋め、わざとそう聞く。
「欲しいわ……ああ、あなた!」
悶えるように身をくねらせ、由梨絵は早くも喘ぎ始める。
いつもなら、前戯の時に歓喜の声をあげていても、敬介が挿入を始めようとすると、乱れた息もしずまり、目を閉じたままの顔を半ばそむけるようにしてしまうのだ。
もちろん夫とのセックスを、嫌がっているわけではなかった。たった今まで、夫の舌と指の愛撫で由梨絵の肉体は、快感のうねりに何度も翻弄されたのだから――。
肉体の結合の前に、夫の口と指の愛撫で、繰り返しのぼりつめさせられるのが、最近のセックスのワン・パターンといってよかった。
ワン・パターンではあるけれど、その甘美な絶頂感は由梨絵の肉体を歓喜させる。
けれど、その絶頂感だけで満足できる女体ではなかった。
それどころか、愛撫が始まる前より、いっそう夫の肉体との結合を狂おしく求めて悶えながら、せつなく恋い焦がれる女体となってしまうのだった。
夫もまた、そうである。若い男のような精力や欲望の漲りはなくても、男の機能を失ってしまうほど高齢というわけではなかった。
由梨絵は三十四歳、敬介は四十九歳で、結婚して二年余り。
由梨絵にとっては初婚だが、敬介は再婚である。
敬介は離婚して、由梨絵と結婚した。
妻から敬介を奪ったことになるので、俗に言う、略奪結婚である。
敬介は妻との離婚後、一人息子を引き取った。
由梨絵は、義理の息子を持つ、母になったことになる。
三人での暮らしは平穏だった。
義理の息子は、大学を自主留年して、ロー・スクールに通っている。
今年、十九歳だった。両親の離婚にナーバスになる思春期ではなく、もうすぐ成人なので、義母の由梨絵に対して、彼は淡々とした態度で接していた。
敬介は都心に事務所を持つ公認会計士だが、数か月前から、肉体が不能気味になってしまったのである。
(こんなはずじゃなかった……!)
と、由梨絵はショックだった。
もちろんセックスのために結婚したわけではない。
身体も心も激しく愛し合って、前の妻から奪い取るという情熱的な結婚をした。
それが二年かそこらで、肉体で愛し合うことが不可能になるなんて、夢にも思わなかったのである。
夫も同じだった。ダブルベッドの上で、肉体が萎えたままの自分に、敬介はショックを受けて、
「まだ、インポになる年齢じゃないよな……」
自信喪失したような口調で、呟くように言ったものである。
「もちろんよ。まだ男ざかりだわ。それに、あなたって四十九になんて見えない。三つも四つも若く見えるわ」
由梨絵は、そう言って慰めた。
けれど、敬介の肉体の不如意のため、由梨絵の肉体への愛撫だけで終わってしまうのは、二人にとって残酷なことだった。
それで敬介は、思いきって知人の医師が勤務する病院へ行き、バイアグラを処方してもらったのである。
今夜、入浴をすませた後、敬介はそれを飲んだ。
一時間後に、効果があるということらしい。
冷えた白ワインを数杯飲んで、軽く酔うと、二人はベッドに入った。
(ああ、今夜こそ……敬介さんの指じゃなく……あの硬く、たくましくなったあれで……)
と、その甘美な挿入感を知っている由梨絵の花芯の襞が、彼の愛撫で絶頂感をもたらされるたびに、悶えてヒクヒクと脈打つようにふるえた。
その狂おしいひくつきは、敬介が全裸になっておおいかぶさってきた瞬間、最高潮に達したといってよかった。
敬介もまた、今夜こそ男としてのエネルギッシュな肉体を、証明してやるぞと言わんばかりのハアハアと荒い息づかいで、もどかしげに挿入を始めようとした。
「由梨絵、愛してるか」
「愛してるわ……ああ」
「このペニスの虜か」
「もちろんよ……あなた」
「おれのペニスでなくちゃ、由梨絵は満足しないよな」
「言わなくても、わかってるでしょ」
「欲しいか」
「とっても」
「言ってくれ」
「あなたを、欲しいの、あなたの、これが欲しいの」
それらの言葉のやりとりを、単なる会話として交わしているだけではなかった。
敬介は由梨絵の裸身の上に重なりかけ、股間のペニスを、濡れた花芯に何度も当てがい直したり、押しつけ直したりしている。
その時の敬介は、真剣な顔そのものだった。バイアグラという魔法の薬を飲んだとはいえ、男としての証明をしてみせる行為なのだ。ペニスに手を添えたままの姿勢で、肥満気味体型のためもあり、息をはずませながら結合部に眼をやっている。
そうしながら、自分のペニスを誇示するような言葉を口にして、自身を奮い立たせているのだった。
そんな夫の質問に、由梨絵は期待と昂奮とともに喘ぎながら、甘い声と口調で小さく答えている。
やがて……。
「変だな……入る……はずなんだが」
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