官能小説販売サイト 北原童夢 『甘美な標的』
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北原童夢    甘美な標的

目 次
第一章 復讐の一幕
第二章 過去の訪問者
第三章 白衣の裏側
第四章 エレベーター嬢の痴態
第五章 カリスマモデルの秘密
第六章 女性弁護士の花弁
第七章 ラスト・エチュード

(C)Doumu Kitahara

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   第一章 復讐の一幕

     1

 あい興信所の調査員・しまおかこういちはその朝、都心に向かう急行電車の車内で女子高生にぴたりと体を寄せていた。
 相手の名前は、かざもえという。狙いすました獲物だった。
 朝の通勤ラッシュで混み合う車両の中で、島岡は背後から萌花の身体を抱えるようにして、その息づかいを感じとっている。
 眉の上で一直線に切り揃えられた前髪の下で息づくくっきりとした丸顔が、ドアの窓に映っていた。白のブラウスに濃紺のベストをつけ、襟元に紺のリボンをあしらった制服は、紺と赤のチェックのプリーツミニのスカートとあいまって、彼女の清廉さを引き立てている。
(かわいいじゃないか。姉貴たちとは大違いだ)
 島岡は静かに右手を下げて、尻のあたりを手のひらで柔らかく包み込んでやる。
 ビクッと尻がこわばる。
 だが、まだこの段階では痴漢だとは断定できないのだろう。スクールバッグを前に抱え、うつむいてじっとしている。
(よしよし、いいぞ。そのまま……)
 そろり、そろりと尻たぶを丸みに沿って、撫でてやる。
 膝上三十センチのスカートの布地が手の動きそのままに、尻の表面をすべっていく感触がこたえられない。
 明らかに痴漢だとわかったのだろう、萌花は左手を後ろにまわして、
「やめてください」
 消え入りそうな声を出して、尻の手をはねのけようとする。寿司詰め状態の周囲の客がその声に反応して、島岡を非難がましい目で見た。
 島岡はいったん手を引いておいて、素知らぬふりをする。
 ほとぼりが冷めた頃に、また尻を触る。萌花が手をはねのけてくる。
 それを繰り返しているうちに、萌花はあきらめたのか、両手でスクールバッグを持った状態で完全にうつむいてしまった。
(姉貴ほど気が強くはないようだ。これなら、いけそうだ)
 スカートの布地越しに、少女のぷるぷるした尻を触りながら、島岡はこの少女の姉である風間きょうのことを考えていた。
 島岡は二年前までは、一部上場企業の商社マンをしていた。食品部門で主に小麦などの輸入の仕事をしていた。仕事も結婚生活も順風満帆であった。
 ところが、ある朝、通勤電車の中で痴漢に間違われた。懸命に否定したものの、相手の女(これが、風間恭子だった)が「絶対にこの人です」と言い張ったために警察に突き出された。まったくのえんざいであった。
 その後、刑事部屋で屈辱的な取り調べを受けた。認めれば執行猶予がつくし、大した罪にはならないと言われた。だが、やってないものはやってない。一貫して冤罪を主張したために、二十一日間も不当拘留された。その後、一年半に及ぶ裁判の末に裁判所が出した裁定は、「有罪」であった。
 係争中に、島岡は会社からはクビにされ、妻からも愛想を尽かされて離婚されていた。その後、友人がやっていた興信所に拾われて、何とか食いつないでいる。
 今の島岡を支えているのは、自分を冤罪で告発した風間恭子に対する強烈な復讐の一念であった。興信所という仕事がら、調査にはけていた。
 風間家には三人の姉妹がいた。長女の恭子、次女の、三女の萌花。恭子ひとりを陥れるだけでは、島岡のめらめら燃える復讐の炎はおさまりそうにもなかった。
(姉妹を三人とも、地獄の底に突き落としてやる!)
 島岡が自殺しないで生きていられるのは、この思いがあるからだった。
 三女の萌花は、お嬢様学校に通う女子高生であった。学校の成績も良く、このまま行けば同じ系列の大学に推薦で進めそうだった。
(順調な人生を歩もうなんて、甘い。恨むなら、姉を恨めよ)
 スカート越しに丸みを帯びた尻を撫でさすっていると、尻が震えたり、こわばったりする。
(この女、もう強くは出られないだろう)
 萌花がおとなしい性格であることは、調査済みだった。引っ込み思案のためか、いまだにボーイフレンドはいない。バトン部でも、美人でテクニックもあるのに、目立つポジションにはいない。
 島岡は徐々に尻たぶの中央へと指を進めていく。
 左右の丸みのはざを、スーッと下に撫でさげると、「あッ」と声をあげて、萌花は尻たぶを引き締めて、指の侵入を拒もうとする。
 かまわず手をすべらせ、尻の底を持ち上げて、太腿の奥へと指を届かせた。
 
 
 
 
〜〜『甘美な標的』(北原童夢)〜〜
 
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