高 竜也 愛戯の媚薬
目 次
悦楽のカーニバル
第1章 志麻子・爛熟
第2章 由佳梨・艶美
第3章 千秋・哀愁
第4章 美佐・淫蕩
第5章 雪乃・狂熱
第6章 里奈・ジェラシー
第7章 穂波・淫花
第8章 美矢・淫楽
第9章 女たち・終章
ほしがる性器
飢えた名器
長尺な愛交
(C)Tatsuya Kou
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悦楽のカーニバル
第1章 志麻子・爛熟
ざっくりしたパイル地のバスローブが素肌に心地いい。
さすが一流のシティホテルだな。
そんな思いを抱きながら功紀は脱衣室を出た。
志麻子は薄いブルーのバスローブを着て、二十五階の窓から外を見ていた。大きな
硝子窓の向こうは茜色に染まって、都会の夜の訪れを予告していた。
(この女は、おれと同じようにバスローブの下は素っ裸だろうか)
「愛田さん……」
志麻子が振り向いた。
「あら……。じっとそこで私の後ろ姿を眺めていらしたの?」
「ええ、どうか夢でありませんようにと祈りながらね」
志麻子は微笑みながら功紀の前に来ると軽く頬をつねった。
「どう? 痛いでしょ」
「確かに痛い……現実だ」
「私も現実だって証拠が欲しいわ」
「それは……簡単だ」
功紀の自信たっぷりな言葉に、志麻子は期待するように瞳をキラキラさせた。
功紀はゆっくりとバスローブを脱ぎ捨てた。
学生時代に金になる重労働のバイトで鍛えた二十九歳の裸身がそこにあった。
品定めをするような志麻子の目が一点でとまった。
恐ろしいものでも見るように、みるみる表情が変わった。
そして瞳は急速にかすんだ。
二、三歩よろめいてから「信じられない……」と呟いた。
「夢じゃないですよ」
功紀は志麻子の手を取ると、どの女に対しても百パーセント自信のある怒張に導いた。
志麻子はブルッと震えてから、自身の手元を見つめた。
「さあ、握って。夢じゃないことを確かめるんだ」
「こんなに大きいなんて……」
うわごとのように呟きながら、何度も硬さ・長さ・太さを確かめるように握り直した。
「ああ、今度はぼくが触る番だ」
新進のテレビ脚本家伏見功紀と将来性のある若いタレント愛田カンナの母志麻子の長い夜の幕開けだった。
功紀は勃起時の自分の象徴には、絶対の自信を持っていた。
貧しい漁師の四人兄妹の一番上だった功紀は、高校生になると家計を助けるためにアルバイトに精を出したが、彼の働きぶりに目をつけた人材派遣会社の女社長が可愛がってくれ、女の肉体の存在価値を懇切丁寧に教えてくれたのだった。
当然功紀はその時は童貞だったが、むしろ夢中になったのは女社長のほうだった。
一物の雄大さに惚れたのである。
(そうか、そんなにおれのは立派なのか)
それ以来、功紀は当たるを幸い女を薙ぎ倒してきたのだが、彼が偉いのはそのことに溺れず、テレビや映画の脚本を書きたいという夢を持ち続けてきたということである。
そして当代きってのベテラン脚本家浅井俊介の知遇を得て、まだ二十九歳という若さながら、ようやく名前もそこそこに知られるようになったのだった。
こうなるとタレント予備軍というか、女優になりたいという連中がわんさと寄ってくる。あるいはかつては売れっ子だったが、現在はやや盛りを過ぎた有名女優なども妙な色目を使う。
そうなれば手当たり次第なのだが、功紀はスキャンダルを恐れて慎重に相手を選んだ。第一条件は口がかたいこと。第二はいい女。第三は都合がよくて利用できる女である。
今目の前にいる愛田志麻子はすべての条件に合う女性だった。
N県の土地持ちで県会議員の妻志麻子は、愛娘カンナを女優にしたいがために、所属プロダクションの社長の仲介で功紀に急接近してきたのだった。
最初は多忙を理由になかなか会わなかったのだが、先週カンナの誕生パーティに招かれたのでようやく顔を出し、その折りに、今日の秘密のデートを約束した。
これまでの勘で、志麻子が性的飢餓を抱えていることも見抜いていたから、堂々とシティホテルの部屋を予約させ、密会したのだった。
長大な逸物を握らせて志麻子を陶酔させてから功紀はバスローブを肩から滑らせた。豊満な女体を包むのは僅かな面積のスキャンティで、ほんのりと黒い翳りが浮き出ていた。
バスローブを脱がされた志麻子は、未練気に怒張から手を離すと乳房の上で交差させて隠した。
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