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北山悦史    肉 の 檻

目 次
凌辱の蕾――アイドル誕生の淫らな影
幼唇犯す
姉妹美囚
恥辱姉妹
姉妹姦悦
淫魔と孫娘
美少女絶頂
孫娘失神
母娘蹂躙
獣交父娘
淫悦の肛交
相姦の宴

(C)Etsushi Kitayama

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   凌辱の蕾――アイドル誕生の淫らな影

  少女タレントの親

 カーキ色のポロシャツにグレーのズボンをはいた前夫の牛島堅介が入ってくると、真っ昼間だというのにマンションの部屋は急に暗くなったように感じられた。
 酒焼けをしてすすけたような肌、とがった目にとがったあご。まるで悪霊でも引き連れているようだ。いや、堅介自身、悪霊であるだろう。淫らな悪霊。そう、淫霊と呼ぶにふさわしい。
 自分がこんな男を愛し、結婚し、子供すらもうけたのかと思うと、過ぎたこととはいえ薄ら寒くなる。もっと早く、その子供――亜香音が傷つく前に離婚を決意すればよかったと、いまさらながら思う。その意味では、亜香音への責任の半分は自分にあるといっていいだろう。
 一年ぶりに会う堅介は自分の家ででもあるかのようにリビングに入り、革張りのソファにショルダーバッグを落としてからどっかと腰を下ろすと、冷たいビールはないかと言った。
 返事らしい返事もせず、菜南子はキッチンに入った。心は重く、硬い。堅介の言い分など聞くことはできない。堅介が割り込んでくるような問題でもない。一年半前に新しい生活を始めた自分と一人娘の亜香音がようやく手にした輝かしい門出なのだ。
 離婚したときに自分は旧姓の「速水」に苗字を戻し、亜香音も「牛島亜香音」から「速水亜香音」として中学に上がった。亜香音の小学校卒業まで離婚を待ったのは、名前のことがあるからだった。その亜香音は、二ヶ月後か遅くても三、四ヶ月後には「速水亜香音」という本名で歌手デビューする。
 もう自分たちは「牛島」とは関係がないのだ。堅介とのかかわりは、これからもずっと振り込まれつづける亜香音の養育費と生活費だけだ。
(なんで今ごろノコノコと……)
 そう思いながら菜南子がテーブルに置いた缶ビールを堅介は自分で開けてグラスに注ぎ、二口三口喉を潤してポロシャツのポケットからタバコを取り出した。テーブルを挟んで向かいの二人用のソファにいったん座った菜南子はまた腰を上げてキッチンに行き、見た目も新しいクリスタルの大きな灰皿を持って戻った。堅介がニヤリとして菜南子を見た。
「気がきくな。ってより、おまえいつからタバコを吸うようになったんだ?」
「お客さん用なの」
「そうか?」
 何か言いたそうな顔をして言いはせず、堅介はタバコに火をつけた。
 灰皿は、客用というよりは、亜香音が無事歌手デビューを果たしたら再婚することに決めている恋人、浅沼輝樹のためのものだった。
 アパレル関係の仕事をしている輝樹と知り合ったのは半年ばかり前のことだが、亜香音もすっかりなついていて、いつ結婚するの、などと、まるで自分のことのように目を輝かせて訊いてきたりする。
 そういうときの亜香音は年相応、いかにも少女少女していて、父の堅介に深く刻印されただろう心の傷のことも忘れているかのようだ。歌手デビューして世間の耳目を集め、人間的にも成長していけば、いずれその傷も消えていくだろうと菜南子は期待している。
 堅介は品定めでもするように菜南子を見ながらタバコを吸った。別れた菜南子に出来た男のことを考えているようでもあり、ここに来た用件のことをどう切り出そうかと頭をめぐらしているようでもある。菜南子は心を引き締め、堅介の言葉を待った。
 離婚した時点で自分たち母子は堅介と縁が切れたと菜南子は思ったのだったが、堅介はずっと菜南子たちの動向を追っていたらしい。中学に上がってすぐ亜香音がタレント養成スクールに通いはじめたのも、最初から知っていたのだろう。
 菜南子が亜香音をタレントか歌手にしたいと思っていたのは、前から堅介も知っていたことだ。菜南子自身、昔は女優志望で、俳優養成所にも入っていた。菜南子が堅介と知り合ったのも、そこにいた仲間を通じてのことだった。
 しかし、夢をかなえることはできなかった。果たせなかった夢を、菜南子は一人娘の亜香音にたくした。菜南子の血を引いたのか、亜香音は歌ったり踊ったりが大好きな子だったし、親のひが目でなくても美少女であるのは間違いない。
 ただ、タレント志望の子供たちは星の数ほどいる。幸運を手にするのにはコネのようなものがなくては無理なのは、昔の経験から菜南子にもわかっていた。それが偶然、菜南子の妹の留南子が芸能プロダクションに勤めることになった。
 
 
 
 
〜〜『肉 の 檻』(北山悦史)〜〜
 
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