花森えりか 淫ら願望のおんなたち
目 次
淫らな癒し
お尻好きの男
オナニーごっこ
三人プレイ
離婚願望
甘美な企み
美人受付嬢の秘密
誘惑の秘めごと
ポルノ体験
淫ら願望の女
義弟に襲われて
昼下がりの快楽
脅された淫乱夫人
(C)Erika Hanamori
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淫らな癒し
1
繁華街にある中国料理店の宴会場で、アルコールがかなり入った客たちの、にぎやかな談笑が繰り広げられていた。
(盛り上がってきたわ……!)
ビールと紹興酒を飲んで目許をピンクに染めた真沙美は、店内を見回して、ますます楽しい気分になってきた。
アルコールの酔いが回っているせいだが、飲み会で盛り上がるのが、真沙美は大好きなのである。
今夜は、勤めている会社の同僚OLが、〈寿退社〉するので、所属の営業部だけで彼女のための送別会を開いたのだった。
〈寿退社〉するのは、真沙美と同期入社の三十五歳のOLである。
大学を出て、この会社に十年余りも勤務していた。
結婚相手は、大学時代からの恋人らしい。
といっても、ずっと付き合い続けたわけではなく、一度は別れたのだけれど、偶然、街中で再会して、ヨリを戻すように、ふたたび交際が始まった。
その時には、互いに大人に成長していて、若い日のように喧嘩もなく、思いやりと妥協の精神を大事にしたので、メデタク結婚というゴールに行き着いた――ということらしかった。
彼女は、特に美人というわけではないが、世話好きで姉さん女房タイプと、人から言われていた。
結局、選んだ相手は年下ではなく、同い年の同級生。
結婚を打ち明けられた時、真沙美は、
「この、裏切り者」
と、冗談で彼女をにらんだが、それは、二人とも生涯、シングルで自由な人生を生きようと決めていたからだった。
負け惜しみではなく、結婚とか家庭とかに魅力を感じないというのが、二人の一致した意見だった。
それより、何からも誰からも束縛されずに、自由気ままにシングル生活をエンジョイしたほうがいい――と。
社内の同僚や先輩や上司からは、彼女より真沙美のほうが先に結婚するのではないかと言われていた。
真沙美のほうが、女としての魅力があるからだった。
切れ長の目がパッチリとした、愛くるしい可愛い顔立ちだし、バストとヒップも豊かで、男の欲望をそそる身体つきである。
それなのに、何となく男性と縁がないのは、性格が男っぽいというか、男勝りの一面があるせいかもしれなかった。
(いいわよ、あたしは、一生シングルだって……)
そう思っていた。真沙美は一人っ子で、両親は和歌山に住んでいる。
父も母も六十代だが、現在は健康で、主にミカン栽培の仕事をしている。
親の介護が必要になったら、実家に帰るつもりだった。
それまでは、大学の時から住んでいる東京で、めいっぱい楽しんで思い出を作っておけばいいと考えていた。
料理もかなり平らげた後で、アルコールが飲める男女社員たちは、まるで会費ぶんは飲もうと言わんばかりに次々とグラスを重ねていた。
真沙美もイケル口と誰もが知っているので、紹興酒だの老酒だのの入った新たなグラスを持って来てくれたりする。
「次は、真沙美ちゃんだね。いい男、見つけなよ」
そう言って真沙美の肩をポンと叩いていく上司もいれば、
「嫁のもらい手がなかったら、どうだい、おれの愛人にならないか」
と、冷やかすように、そんな冗談を口にする男性社員もいる。
「あら、いいわよう。お手当、月に百万円で、週に三日来てくれて、一晩三回やってくれるならね」
真沙美はニヤリと悪戯っぽく笑って、そんなふうに冗談を返した。
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