官能小説販売サイト 高竜也 『年下の義母』
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高 竜也    年下の義母

目 次
第一章 二十七歳の義母
第二章 双乳を震わせる義母
第三章 肛姦に疼く義母
第四章 柔肌を火照らせる義母
第五章 太腿を絡ませる義母
第六章 剛直を咥える義母
第七章 暴辱にむせぶ義母
第八章 肉襞を蠢かせる義母
第九章 愉悦に濡れる義母

(C)Tatsuya Koh

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 第一章 二十七歳の義母

 時間にしてほんの一、二分だったかもしれない。それまで雲間に隠れていた月がぽっかりと姿を現わした。
「まあ、きれい……」
 由貴子はバスタブから立ちあがって、開け放しにしておいた窓から空を見あげた。雲が薄く月の表面を覆うようにして流れてゆくのが、なんともいえず風情がある。
 天気予報では、今夜の中秋の名月の観賞はほとんど望めないと言っていただけに、この思いがけない予報外れは、由貴子を浮き浮きさせた。
 十月七日ともなれば、暦の上では寒露も近く肌寒いはずなのに、日中は二十七度もあった。ちょっと動くと汗ばんだが、さすがに夜になると、ひんやりと冷気が伝わってきて、風呂で温まって、ほんのりと火照った肌に心地よい。
「ほんとにきれい……」
 由貴子はもう一度呟くと、雲の中に消えてしまった月から視線をそらせて、名残り惜しそうに窓を閉めた。
 今夜は夫の修三は泊まりがけのゴルフに出かけて、広い邸の中にいるのは由貴子と修三の実子の智史と、あとは用心のために庭に放し飼いにしている秋田犬のダンだけである。
 脱衣室で、ハナエ・モリのふんわりとしたバスタオルを使って濡れた体を拭いている時、由貴子はピンと上を向いた乳首に鈍い痛みを感じた。
 そろそろなんだわ……。
 二十八日ごとに巡ってくる女の生理をちょっぴり恨めしく思いながら、用意した新しい下着を身につけガウンを羽織ると、バスルームの隣りに特別にあつらえた化粧室に入り、念入りに肌の手入れをした。
 まだ子供を産んだことのない二十七歳の肌は少女のように初々しい。修三と結婚して一年、由貴子の肌は美しい輝きと見事なが加わり、成長期の少女が開花する時のような妖艶さとあどけなさの織りなす、アンバランスな魅力に満ち溢れていた。
 自分でも綺麗になったと思う。先ほど見た満月を、ちょうど二つに割ったような形のいい乳房にそっと手をそえてすくいあげると、両手にたっぷりとした量感が伝わってくる。愛しさと不憫さに耐えかねて、思わず呻くほど強く握りしめてしまう。
 ああ、こんなに男の愛を欲しがっているのに……。だが、肝心の修三は半年ほど前から急激に男性機能が衰えて、完全な男女の結合がままならない状態になっている。修三も気の毒がって、ベッドに入れば、必ずといっていいほど手を差しのべてくるのだが、それは他人の手を借りた自慰のようなものだった。かえって由貴子には辛くて切ない。
 そんな由貴子の気持が修三にも伝わるとみえて、近頃の修三は、愛撫するにも思わず顔を赤らめてしまうような、大人のオモチャなどを使ってくる。
 ところが妙なもので、初めのうちこそ、いやだと思っていたオモチャも、そのうち、なんとなく体になじんできて、今ではかえってそれを心待ちするようになっていた。むしろ最近では、ちょっと異常とも思える行為でいじめられないと、あまり感じなくなっているような気がするのだ。
 そんな妻を見て修三は新しい発見をしたように喜び、近頃ではいじめることに興味を覚え、しだいに、それがエスカレートしてくる傾向にある。
 由貴子は、そういうことにしか感じなくなってしまうのではないかと怖くなるのだが、いざその段になると、すっかり体が反応し、我れを忘れて取り乱してしまう。
 ほどほどにしてもらわなくては……と思っている矢先に、一カ月ほど前だったが、修三が行為の途中で軽い心臓発作を起こした。倒れこそしなかったが、激しい息遣いの末に寝込んでしまったのだ。まだ五十五歳をすぎたばかりの修三であったが、その夜以来用心深くなって、無理なことは一切しかけてこない。
 由貴子との間の交渉もすっかり疎遠になってしまったが、それでも元来が好色なタイプの修三は、由貴子に自慰を強要して、目で楽しむことだけはつづけている。これは若い由貴子にとって地獄の責め苦も同然なのだが、それにもいつしか反応してしまう自分が恨めしくてならない。
 男のオモチャにされているという意識が、知らないうちに由貴子を興奮させ、いつしか高みへと押しあげてゆくのも事実なのだ。
 この頃の私ってどうかしている……。快い酔いのままに寝入ってしまいたいと願った由貴子は、ブランデーを飲もうとリビングルームに向かった。
「あら……帰ってたの?」
 スラリとした体にガウンをまとった由貴子は、息子の智史の姿を認めると、襟もとに手をやりながら戸棚を開けた。
「ええ、ほんの少し前に」
 智史はその時だけ、それまで観ていたビデオの画面から顔を離して由貴子を振り向いたが、彼女が開放的なガウン姿だと知ると、目をしばたたかせ、あわててビデオの画面に視線を移した。
 由貴子は笑い声こそ出さなかったが、そんな智史のあわてぶりがおかしくて、思わず顔をほころばせた。
 智史は修三の先妻との間に生まれたたった一人の実子で、今年で二十九歳になる。由貴子は二歳年下の義母というわけだ。由貴子は修三の再婚の相手としてプロポーズされた時、倍も年齢差があることよりも、むしろ修三の息子である智史の存在にこだわった。
 だが、いざ智史と対面してみると、その気さくな人柄に触れてすっかり安心し、修三との結婚に踏みきった。その当時の智史は、ちょうど男性の結婚適齢期ともいえる二十八歳で、五歳年下の絵理という恋人がいた。
「お父さんたちは二人だけの生活を楽しんでくださいよ。僕は絵理と結婚したら、しばらくは別居しますから」
 こう言って、修三と由貴子の結婚を好意的に受けとめてくれたのだ。だが、智史の許嫁の絵理は、わざわざスキューバ・ダイビングの資格取得のために出かけたハワイで、海難事故にあい呆気なく死んでしまった。
 その当時の智史の生活はかなりすさんだものだったが、近頃は、ようやくその心の傷も癒えたのか、以前のように優しい顔つきに戻っている。
 由貴子はグラスを二つ用意すると、一つを智史の前に置いてブランデーを注いだ。
「ありがとう。少し飲んできたんだけど」
 智史ははにかんだ表情を浮かべると、ビデオ画面のスイッチを切ろうとした。
「私も観るわ」
 由貴子は智史の斜め後ろに腰をおろして画面に顔を向けた。もともと映像関係の仕事に興味を持っていた智史は、大学を出ると、ほんの短期間だが、テレビ局の下請け製作プロダクションに勤めていたことがある。将来はドラマのディレクターになることが夢であったが、父親の不動産業の仕事が忙しくなると、修三に口説き落とされて、仕方なく父のもとで働くようになった。
 それだけに、映画とかテレビドラマには未練があるとみえ、質のよい映画やドラマがテレビで放映されると、自分からセッティングしてビデオにっておく。今、観ている映画も、昨日の深夜に放映された話題作である。戦後まもない頃の地方の娼家の話で、時折り、ハッとするような濃厚な男女のラブシーンが登場する。そんなシーンのあとで、智史は、首筋のあたりに、妙に生々しい由貴子の息遣いを感じた。本人は気づいていないらしいが、フーッと大きな吐息をついたりもする。
「もう少し注ぎましょうか」
 すぐ耳もとで声がしたので振りかえると、由貴子が目の縁をほんのり赤く染めて微笑んだ。黙って空になったグラスを差しだすと、そこに由貴子がブランデーを注いだ。
 智史はその時、はっきりと由貴子の手がこまかく震えているのを見た。
 由貴子は自分の手もとに注がれている義理の息子の視線を感じると、まるで金縛りにあったように全身が硬直してゆくのを感じていた。その寸前まで、彼女はブラウン管に映る画面を見ながら、自分と目の前に清潔なうなじを見せている智史の姿をダブらせていた。ブラウン管では、野卑で粗暴な娼家の主人が、暴力で女を組み敷き、ついには意のままに翻弄するきわどいシーンが映っている。
 突然、由貴子の内部で何かがパッと燃えたが、それをあわてて打ち消した時、由貴子は自分の意志とは何のかかわりもなく、「もう少し注ぎましょうか」と口を開いていた。振りかえった智史の表情は、お前が今の今まで考えていたことは何もかも承知さ、と言っているようであった。


 
 
 
 
〜〜『年下の義母』(高竜也)〜〜
 
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