官能小説販売サイト 高竜也 『姦虐姉妹〜青獣の寝室〜』
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高 竜也    姦虐姉妹〜青獣の寝室〜

目 次
第一章 自淫の浴室
第二章 誘惑の部屋
第三章 挑発の寝台
第四章 魅惑の下着
第五章 禁忌の時刻
第六章 嫉妬の個室
第七章 淫獣の魔檻
第八章 凌辱の部屋
第九章 邪欲の寝室

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 第一章 自淫の浴室

 その日、大和田家には、紀子の他には家政婦の民子がいるだけだった。
 三年前に妻を亡くした父の圭は、取引先の重役と泊まりがけのゴルフに出かけていたし、高校生の雅彦は、試験に備えて友人宅へ泊まりがけで勉強に行っていて不在だ。
 民子は要領のいい女で、圭がいないと、よほどのことがない限り自分の部屋から出てこない。だから、紀子がリビングルームでウイスキーを飲んでいるのがわかっていても、話し相手をするでもなく、さっさと自分の部屋の布団に潜りこんで、録画をしておいたテレビ番組を再生し、熱心に見つめている。
 紀子は、酔うほどに気持ちが昂り、同時に体の芯が疼きだすのを、はっきりと感じとっていた。
 その原因は、数時間前の、雪村信吾とのディープキスにあることは間違いなかった。
 信吾とは一カ月後に結婚が決まっているにもかかわらず、これまで紀子は、信吾にキスさえ許したことがなかった。
 見合いで知り合った信吾は、父の圭が重役をしている広告代理店の、取引先会社の社長の息子だ。今は父親が経営しているレジャー産業会社の、ゴルフ施設部門の担当責任者をしており、二十九歳の若きエリートだった。
 紀子を妻にしたいと望み、見合いをすすめたのは、信吾の父親だった。そして信吾も、初めて紀子と会ってからは、彼女の清楚な美貌としとやかな性格に惹きつけられ、強く結婚を望むようになっていた。
 もちろん、交際している間に信吾は何度か紀子の体を求めた。けれども紀子は、決して情に溺れず、結婚するまでは許してほしいと強く拒んだ。それがかえって、プレイボーイと噂の絶えない信吾の気持ちを紀子に傾けたようなところがあった。
 今日は、映画を観たあと、ホテルのバーで酒を飲み、その帰途に紀子は車のなかでキスをされた。一カ月後に結婚式を挙げる。いつまでもキスさえ拒んでいては相手に失礼だ。そうした思いで紀子は初めてキスを許した。ところが、情熱的な信吾のキスは、たちまち紀子を危険な桃源郷へと誘いこみ、舌と舌とを絡ませ互いの唾液を送りこむ、ディープキスにまで発展したのだった。
 キスを交わしながら強く抱きしめられた紀子は、衣服越しにも、硬い男の象徴を感じとり、一時的にせよエクスタシーに達してしまった。
 二十三歳になる紀子は、かつて学生時代に恋人がいた。しかし、二人が結婚を前提にして真剣な付き合いをしている最中に、恋人は交通事故に遭い、亡くなった。
 紀子はその恋人との深い付き合いのなかで、女となり、性的な歓びを知っていた。それ以後の紀子は、多くの男たちから言い寄られても、決して心を開くことがなかった。
 なのに何故、結婚に踏みきったのか。それは三年前に妻を失った父が、交際している女性の存在を明らかにし、再婚をほのめかしたからである。
 紀子は、四十五歳という若さで男やもめとなった父が、今がもっとも充実した世代であることを友人から聞き、初めて男の性に関心を抱いた。
「その年で、三年も女なしでいられるわけがないわ」
 友人は断言したが、そのことを半信半疑に思っているさなかに、父から付き合っている女性がいることを打ち明けられた。父はそのとき四十八歳になっていた。父親が生臭く思えたのも事実だが、考えてみれば五十、六十になって再婚する男性は、いくらでもいる。
 紀子は父の再婚に同意すると同時に、自分もまた、いい相手が見つかれば結婚しようと意思を固めたのである。
 結婚相手の信吾について、ある程度の予備知識はあったし、過去の女性関係の噂を知らないわけではなかったが、サラリーマン重役の父親の行末を考えると、オーナー社長の一人息子のもとへ嫁ぐことは、自分も含めた家族のためにもなると考えた。
 それにしても、車のなかで信吾は、硬くなった一物を意識的に押しつけてきたふしがあった。強い力で抱きすくめられると、衣服を通して、脈打つ熱いペニスがはっきりとわかった。
 恋人を亡くして二年近くも禁欲を守り通してきた紀子だったが、秘めやかな指との戯れは月に何度か経験していた。それは成熟した肉体が求めるものであったから、紀子はあえて避けて通ることはせず、欲求のおもむくままに自らを慰めていた。
 信吾さんは、あんなに欲しがっていたんだわ……。
 ウイスキーに酔った頭と体にペニスの震えが甦った直後、紀子は体内で生温かい愛液が溶けだすのを感じとった。
 紀子は、自分の体が結婚への期待で、性的な欲求に熱くなっていることを思い知らされた。それは、信吾との愛とは別の次元の、いわば女の本能であった。
 紀子はグラスに残ったウイスキーを一気にあおると、ふらつく足で立ちあがり、廊下に出て階段脇の部屋に目を凝らした。
 民子の部屋から明かりはもれていない。すでに寝入ってしまったらしい。テレビの音も消え、家中が静まりかえっていた。
 紀子は脱衣室に入ると、勢いよく衣服を脱ぎ捨てた。
 均整のとれた二十三歳の肉体を包んでいるのは、イタリアのパラのシルキーなブラジャーとパンティだった。婚約者の信吾がヨーロッパへ行った際、ミラノ近郊のバレーゼの町で買い求めたものである。
 それを着て信吾と会ったことは、自分の心のなかに、いつでも抱かれてもいいという気持ちが存在しているからではないかと紀子は思った。
 なのに、私は今夜も拒否した……。
 それは女のずるさなのかもしれない。一カ月後の結婚まで焦らすことで、自分の売り値を吊りあげるテクニックのように思え、いやな気分に陥った。
 紀子は高価な下着を脱いで浴室に入ると、すぐさま指先にボディシャンプーをつけて、股間を洗おうとした。
 ぬめりがあった。すでにそこは普通の状態ではなかった。
 あああ、こんなにも感じていたんだわ……。
 脳裏に浮かんだのは、唇を求めてきた信吾の顔と、太腿に押しつけられた熱くて硬いペニスの感覚だった。
 紀子の指は、洗うという目的からはずれて、そっと陰唇をめくっていた。秘唇の内側に溜まっていた愛液がいっせいにこぼれて、しなやかな指を濡らした。
 指先のシャンプーと愛液を洗い流してから、もう一度、陰唇の周囲を撫でた。全体が充血して熱を帯び、敏感になっている。
 バスタブの縁に腰をおろした。両腿の付け根を彩る縦に長い茂みが、目の前の壁面にある鏡に映った。
 かつての恋人に脚を開かされて、恥部を見られ、舐められた記憶が甦った。好きな男の前に秘めたる部分をさらす羞恥と、マゾヒスチックな悦びが、今でもはっきりと思いだされる。
 紀子は少しずつ両脚の間隔をひろげていった。
 一条の肉の亀裂が割れ、左右にひろがるにつれ、サーモンピンクの秘唇が織りなす肉層が生きた貝のように現われてきた。
 ここに男を迎え入れるんだわ……。
 紀子の細い指は、いつものように割れ目の上方に生えた淡い繊毛をかき分けて、薄い包皮を剥いた。そこに外気が触れただけで、疼きが生じた。そして包皮の下で息づく肉芽に指先が軽く触れると、さらに強烈な感覚が体内を衝きあげた。
 もうこんなに大きくなっている……。
 肉芽は存在を主張するように、急速に膨張していた。
 人差し指と中指で挟み、裾のほうをやさしく揉みこんでやる。思わず両脚が突っぱってしまう。いつもよりも、はるかに体が感じやすくなっていた。
 紀子は、鼠蹊部に窪みができるほど両脚を大きく開いた。生温かい愛液で濡れているのに、んやりした感覚がある。
 もう一方の手指で、果肉を取り囲むように生えている短毛の上を撫でているうち、腰骨のあたりに重い痺れが生じてきた。
「あううっ……」
 ついつい呻き声をあげてしまい、あわてて周囲を見まわしたものの、もとより誰かいるわけでもない。それを確認し安堵すると、もう途中でやめるわけにはいかなくなっていた。
 だって信吾さんがあんなものを私に押しつけるんですもの……。


 
 
 
 
〜〜『姦虐姉妹〜青獣の寝室〜』(高竜也)〜〜
 
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