山口 香 制服の捲りかた
目 次
第一話 制服を脱いで裸になれば
第二話 制服の姉がまぶしい!
第三話 制服に悶え狂った恩師
第四話 制服OLの〃男狩り〃
第五話 制服の中身がまた疼く
第六話 制服に残す情事アルバム
第七話 制服姿から本番へGO!
第八話 制服の回想は初夜の艶技
第九話 制服の名残りは恍惚と
第十話 制服の我が子はもう大人
(C)Kaoru Yamaguchi
◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。
第一話 制服を脱いで裸になれば
1
昼間の暑さとは対照的な初秋の風が、ビールで火照った頬に快く感じられる。肩口にかかった敏志の手が、時折、意識的に抱き込むように動く。指先がノースリーブのブラウスから覗いている腕の付け根を這う。
電車から降りて駅前の道を過ぎると、人通りは少なくなった。その道を行くと、団地群はもうすぐであった。外灯が一直線に並んで見える。
「郁ちゃん……ここで少し休んでいこう」
肩を抱き寄せながら、敏志が首を傾げて郁子を見つめた。外灯の光が、コンクリートに二人の姿を、影絵のように浮かび上がらせている。
「でも、もう十時よ。姉さんがうるさいのよ……だから」
敏志のTシャツの胸に手をあて、指先で押した。鼻孔に汗の匂いがゆっくりと流れてきた。
「だから少しだけ……ね、いいだろう……」
肩口を引き寄せ、一方の手で髪の毛を撫でつけてきた。
郁子は抱かれたまま、両腕を敏志の背中にまわし、上半身を押しつけた。肩に顔を乗せると、全身に甘い痺れが襲ってきた。
傍らを、クラクションを鳴らして車が通り過ぎて行った。真っ赤な尾灯がすっと闇の中へ消えていく。
「よし、じゃ、二十分ばかり涼んでいこう。そのくらいなら姉さんだって許してくれるだろう。いいだろう……」
二人は公園の小さな入口を入った。
郁子は現在、姉夫婦と一緒に住んでいる。都心の私立女子高校に通うには、両親のもとからでは二時間近くかかった。それでも、姉が一年前に結婚するまでは、自宅から通っていた。そして姉が結婚して半年目に、この高層式の公団住宅に入居すると同時に、郁子も姉夫婦の住居の一室を借りた。そこからだと学校まで四十分ぐらいだった。
そしてある日、郁子は同級生の桃江と雅子に誘われ、沿線の大学の学園祭に行った。そこで知り合ったのが文学部二年の河井敏志だった。
幾度かのデートの末、二人はいつしかペッティングまで許し合うようになっていた。そしてさっき、二人は都心のディスコで踊り、その後、学生中心の居酒屋で軽く飲んでの帰りだった。
公園の周囲は木立に囲まれていた。中央が、円型の広場になっている。どこからともなくコオロギの鳴き声が聞こえてきた。
「誰もいないわね。なんだか少し怖いみたい……」
「あそこに座ろうか……」
敏志は木陰の隅のベンチを指差した。
郁子は押え込まれるまま、ベンチに腰を下ろした。その横にピッタリと敏志が座り、肩口を引き寄せた。
郁子は目を閉じると、唇を突き出し、ゆっくりと腕を敏志の首に絡めた。上半身を反らせ、息を吸い込んだ。乳房が敏志の胸に押しつけられ、ブラジャーの中で歪んだ。
「うっ……」
唇と唇が重なり、舌先が差し込まれてきた。郁子の舌に絡みつき、勢いよく引っ張る。唾液が粘り気を増し、糸を引いて二人の口中を駆けまわった。
「郁ちゃん」
唇を離し、郁子の耳許に顔を押しつけ、敏志は荒い息づかいをしている。そして首筋に舌先を這わせ、一気に吸い上げる。
「だめっ……跡がついちゃうわ……ね、敏志さん……やめてっ……」
顔を振ると、髪の毛が左右に揺れた。
「おれ……郁ちゃんのことがっ……」
敏志は片手をブラウスの胸許に差し込むと、ブラジャーの布地越しに乳房をわし掴みにした。
「おねがいっ……やめてっ……」
敏志の手の上に自分の手を重ね、上半身を反らして見つめた。敏志が血走った視線で見返してくる。
「郁ちゃん……おれのことっ……」
敏志は掴んでいる乳房を指先で揉み込んだ。郁子の全身に小刻みな刺激が走り抜けていく。さっきのビールで火照った体が、とろけていくような感じになってきた。
「敏志さんっ……あたし……」
乳首がブラジャーにこすられ、ピリピリと痺れを持ってきた。両肢を折り曲げたまま、斜め前に突っ張り、背筋を背もたれに押しつけると、ミニスカートの裾が持ち上がり、よく引き締まった太腿が覗いた。あわてて片手で裾を押える。
「郁ちゃんっ……」
敏志は荒々しく胸許のボタンをはずすと、ブラジャーを押し上げ、乳房を引き出した。乳房の裾野からわし掴みし、いきなり顔を押しつけた。一方の乳房はブラジャーに押され、半分が歪んでいる。
「うっ……」
乳首を吸われると、郁子は声を押し殺して周囲に視線を走らせた。そして敏志の頭を抱き締めると、上半身を反り上げた。
乳首は敏志の舌先に絡まれ、充血して膨らんでいる。その先端から、針で突いたような刺激が、下腹部に向かって流れていく。
いつもこの人、こうなんだから、お義兄さんがいつも姉貴にやっているように、ゆっくりと吸ってくれればいいのに。外見はプレイボーイみたいだけど、意外に初心なんだから。でも……あたし――
パンティの中がなんだか湿っぽく感じられてきた。両太腿をこすりつけると、入江のあたりがジーンと熱を持ってくるのがわかった。
敏志はあいかわらず音をたてて吸っている。
まるで赤ん坊みたいだわ――
少しずつだが体から空気が抜けていくような感じがする。脳裏を姉の、口を半開きにして頬を歪めながら、くぐもった声を発している顔が浮かんできた。
敏志の手が太腿にかかった。スカートの裾を持ち上げ、中に手を差し込もうとして勢いよく動いていく。
「だめよ……そこは……」
敏志の手首を掴むと、両足をぴったりと張り合わせ、腰を引いた。
「郁ちゃんっ……」
敏志は太腿にあてた手を少しずつ上下させながら、乳首を口に含んだまま、苦しそうな声を洩らした。
「ああっ……あたしだってほしいのよ。でも、こんなところでは、だめっ……」
また姉の顔が浮かんできた。義兄は、姉の上半身に顔を押しつけながら、夢中で乳房に愛撫をほどこしている。その背中がゆっくりと波打つように上下している。その向こうで姉があごを突き出し、目を釣り上げている。
敏志の手が両太腿の間に強引に割り込んできた。郁子は差し込まれた手を挟み込んで左右に揺すった。その瞬間、指先がパンティの布地越しに、入江の中心に押しあてられた。
「やめてっ……」
郁子はのどの奥から絞り出すような声を発した。背筋に冷や汗が流れはじめた。
好きなのよ……でも、でもこれ以上は――
大声で叫びたい心境だった。出来ることならその場で裸になって、敏志の胸に飛び込んでいきたいと思った。
敏志を押しのけ、勢いよく立ち上がると、ブラウスの胸許を両腕で抱え込むようにして、公園を走り出た。
「郁ちゃん、ごめん……」
後ろから追ってくる敏志を意識しながら、郁子はゆっくりと歩いた。
|