山口 香 制服の脱がせかた
目 次
第一話 可愛い悪魔
第二話 子供じゃないのよ
第三話 舌なめずり
第四話 ピンキー・スクール
第五話 女子寮の性宴
第六話 燃えつきるまで
第七話 牝猫の復讐
第八話 窓の中の女
第九話 スターの夢
第十話 教授も燃えます
(C)Kaoru Yamaguchi
◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。
第一話 可愛い悪魔
1
「おじさん、先にお小遣いくれる?」
ドアを入るなり、真紀は男の胸許にほっそりした白い手をさし出した。
「ああ。それにしても本当に夢みたいな話だなあ、中学生を抱けるなんて」
男は満面に笑みを浮かべながら、背広の内ポケットに骨張った手を突っ込んだ。そして黒革の財布を取り出すと、中から一枚の一万円札を抜いた。
「わあっ……おじさんお金持ちなんだね。あたしのお父さんなんか、いつも財布の中がピーピーしてるんだから……素敵!」
真紀は男の胸に顔を押しつけ、背中に腕をまわして、抱きつくようにする。酒臭いにおいが鼻孔を襲ってきた。
「おいおい、そう押すなよ。おじさん倒れちゃうよ」
男は目を細くして、頬に薄笑いを浮かべると、札を持った手で、真紀の髪の毛を撫でるようにした。
「おじさんって大好きっ……」
真紀は顔を起こし、下から男を見上げながら、片目を閉じて見せた。
「さあっ……マキちゃんって言ったね。シャワーを浴びよう。おじさんは少し飲みすぎたようだから、さっぱりしたいんだ。背中を流してくれるかい?」
真紀は男の手から一万円札を受け取ると、肩から下げているポシェットの中に突っ込んだ。
男は真紀の背中に手をかけ、押すようにして中に入った。
「わあっ……凄いベッド。かっこいい!」
直径三メートルはあろうかと思われる円型ベッドの上に、真紅のシーツが敷いてあった。
真紀は両腕を大きく羽のように左右に広げると、ベッドの上に腰を降ろした。クッションでふわりと身体が持ち上がった。
男が傍に寄ってくると、肩口に腕をまわして引き寄せるようにした。
「あっ……天井が鏡になっている。凄いわ……おじさんとあたしが映っている!」
真紀は首筋にまわされた男の手首を掴むと引き離した。そして正面の窓ぎわに行ってカーテンを引いた。隣りの雑居ビルの壁に取りつけてある、原色のネオンが部屋の中に飛び込んできて、天井の鏡に反射して、キラキラと光った。
「だめだめ、マキちゃん。外から見えちゃうよっ……早くカーテンを閉めなさい」
男は背広を脱ぐと、隅の戸棚の中からハンガーを取り出して掛けた。
真紀はカーテンを閉めると、ゆっくりと後ろを振り返った。そしてベッドをまわるようにしてやってくると、おじさんっ、ともう一度甘えたような声を出した。
「さあっ……早くシャワーを浴びようよ。マキちゃん十二時には帰らなければならないんだろう。それとも泊まっていくかい?」
「ううんっ……それはだめよ……」
真紀はゆっくりと頭を振った。
男はワイシャツを脱ぎ、上半身裸になると、その上からホテルの浴衣を羽織った。そして背中を向けてズボンを脱いだ。
「じゃ、さきに入ってる」
真紀は浴衣を掴むと、入口横のシャワールームのドアを開けた。中に入って、ドアから顔だけ出すと、男が生唾を飲み込むのを見ながら、少ししたらきてね、と白い歯をのぞかせた。
真紀はわけもなくハミングをしながら、Tシャツを脱ぎ、ジーパンを下ろした。そして足許の脱衣かごに投げ込んだ。
ブラジャーを取り、パンティを脱ぐと、ポーズをつけるように、首筋に両手を持っていった。髪をすくい上げるようにして、あごを突き出し、上半身を反らす。姿見に映っている自分の肢体を見ながら、頬を紅く染めた。
中学三年生の真紀の身体は、まだ未発達の肉付きではあったが、色は透けるように白かった。盛り上がりの不充分な胸許には、まだかすかにあばら骨さえ見えそうだった。
その中に埋もれている乳首がピンク色がかっている。
細い脇腹から張り出しているヒップライン。まっすぐに伸びている両肢。その付け根にまだ生え揃っていない薄い茂みが見える。
真紀は妖しく身体をくねらせると、鏡の前を離れた。
シャワーのコックをひねると、温水が勢いよく肩口を打ち、飛沫が全身を包んだ。
「もういいかい、入っても……」
男がドアを開けて入ってきた。
真紀は男の視線を背中に感じながら、シャワーを浴び続けた。
男が真紀の背中に恐る恐るという感じで手を伸ばしてきた。そして背筋に指を立て下から撫であげるようにしてから肩口を掴んだ。
「あらっ……おじさんっ……もう元気になっているっ……」
男が下腹部を突き出し真紀の臀部に押しつけてきた。欲望で猛っているペニスが双丘の谷間に押しつけられた。
「だめよっ……おじさんっ……」
真紀は身体を激しく揺すると、男から逃げるようにして、脱衣かごの中からバスタオルを取り出した。細い胸許を包むように、乳房の上で両端を交差させる。
「おい、マキちゃんっ……」
「ベッドでねっ……早く洗ってきてっ……待っているわっ、おじさんっ……」
男が股間を両手でおさえつけるようにして、真紀を睨み付けた。
真紀は脱衣かごごと持ってシャワールームを出ると、ベッドのわきに置いた。
本当にスケベーおやじなんだから、だから中年男ってのはいやなんだよなっ――。
ベッドの上に大の字になると、天井の鏡に映っている自分の姿に向かって、唇を丸めるようにして小声を出した。
脳裏に男に組み敷かれ、もだえている自分の姿が浮かんできた。
いやらしい娘だこと。――
身体を揺すると、クッションがよくきいていて波に乗っているように身体が上下する。
肩口から立ち昇っている湯気が、天井の鏡の中にうっすらと白く映っていた。
シャワールームのドアが開いた。男が腰にバスタオルを巻きつけて出てきた。その中心がなだらかなスロープを描いて盛り上がっている。
「あらっ……おじさん胸毛が凄いのね。かっこいいわっ……野性的で……」
真紀は起き上がると、ベッドの端に座った。そしてバスタオル越しに胸許を押え込んだ。
「さあ、さっぱりしたから、ガンバルぞ」
男は腕を振り上げる格好をして、真紀の横に腰を下ろした。そして首筋に腕をまわすと絡みつけるようにして、真紀の上半身を押した。そのまま自分の身体を重ねてきた。
「おじさんっ……待って。そう乱暴にしないでっ……マキ壊れちゃうわっ……」
真紀は勢いよく男の胸板を押し上げた。
男がいったん顔を上げ、頬に薄笑いを浮かべると、今度はゆっくりと唇を突き出してきた。
「うっ……」
男の舌先が唇を割るようにしてさし込まれると、真紀の鼻孔に、甘酸っぱい口臭が襲ってきた。
|