官能小説販売サイト 北原双治 『妖魔八つ目軍団』
おとなの本屋・さん


北原双治    妖魔八つ目軍団

目 次
プロローグ
第一章 新妻をろうらくする淫魚
第二章 二人の女子大生
第三章 とこたんがわかいこう
第四章 衛星放送第二地球局
第五章 首都の幻影
第六章 臨海の巨頭
第七章 裸女舞い
エピローグ
あとがき

(C)Soji Kitahara

◎ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
個人利用の目的以外での複製等の違法行為、もしくは第三者へ譲渡をしますと著作権法、その他関連法によって処罰されます。


   プロローグ

 十三年前のある夏の日――
 ゆるやかなカーブを描き浅瀬を作っているのを見て、うちけいは走らせていたバイクを減速した。
 水草がれるような気がした。
 熱帯魚の水槽に入れれば、さらにえるだろう。
 北の川の水草が、熱帯の水温に調節している水槽の水に馴染むかどうかは分からなかったが、熱帯魚は嬉しがるに違いない。
 川底の水草を描いた厚紙を、水槽の外壁に貼ってあるが、それは模造でしかなく熱帯魚を欺いているだけだ。
 エアポンプの気泡と砂利だけの水槽では、淋しすぎる。
 水草を入れれば、いろどりが出る。
 熱帯魚が、じかに触れることができるのだ。玄関脇の下駄箱の上に置いてある水槽を目にするたびに、そのことを考えてきた。
 矢内恵子はバイクを停めた。
 浅瀬に水草が生えているかどうかは、岸辺に茂った草に隠れて見えなかった。
 川淵まで三十メートルほどあり、僅かにけものみちのような細い道がついている。降りて行って水草が生えてなければ、徒労になるだろう。
 そのときは浅瀬に足を浸してくればいいと、おもった。
 素足にサンダルを突っ掛けた格好で、ヘルメットもかぶらずに、バイクに乗ってきたのだ。
 むろん、免許証は持っているが、この村はヘルメットなしで平気だった。
 一カ月前に、恵子は東京から来たばかりだ。
 OL生活を六年続けたあと、学生時代の友人に紹介され、酪農を営むうちかずの許へ嫁いだのだ。
 東京ではアパート暮らしながら、熱帯魚を飼っていた。その熱帯魚は東京を離れるときに、彼を紹介してくれた友人にあげてしまった。
 だが、北の村へ嫁いで来て、直ぐに熱帯魚を飼いたくなった。
 新婚であり、誰もが羨む蜜月を送っている。
 夫をはじめ姑たちとの暮らしに、なんの不満もなかった。案じていた村の生活にも、同化できたとおもっている。
 それでいて、熱帯魚を飼いたくなったのは彼女にも説明ができなかった。強いていえば、東京から来た花嫁の存在を、どこかで演出したかったのかもしれない。
 僅か一カ月足らずの生活で、どんどん村に馴染んでいったからだ。望んでいたこととはいえ、焦りを感じた。どこかで東京から来た女の面影を、残しておきたかった。
 夫の気持ちの中にも、それを望んでいることが感じられた。
 それで、熱帯魚を飼うことにした。
 東京でのOL生活を、思い出させてくれるからだ。熱帯魚が東京の女の面影を保ち、村の女への同化を制御してくれる。
 夫に頼み、釧路市のデパートから水槽と熱帯魚を買ってきてもらった。つい一週間前のことだ。
 矢内恵子は砂利道から、川べりへ降りていった。
 深緑色の水草が、浅瀬の中程におうぎがたをつくり揺れていた。彼女が見当をつけてたとおり、水深は三十センチくらいしかなかった。
 矢内恵子はサンダルを脱ぎ、スカートの裾をつまむと、片足を川面に入れた。冷水の中へった足を浸したように、心地よく爪先から滲みてくる。
 両足を入れ、川底の砂利を踏み締めた。
 微かに水が濁っただけで、白い足がかげろうのように歪んで見えた。矢内恵子はスカートを太腿までまくり、足を踏み出した。
 ふと人の気配を感じ、バイクの停めてある道路を振り返った。
 人影はなかった。滅多に車も人も通らない山中の道路だ。
 矢内恵子は独りで含み笑いをすると、スカートの裾をパンティの太腿のゴムに挟んだ。釣り人か誰かが覗いていたとしたら、きっと刺激的に映るだろうとおもった。
 そう考えると、体の奥が火照った。
 男に見られても構わない。逆に覗かせてやってもいいと、おもった。男をそそらせるほどの肢体を持っていると、自負している。太腿くらいなら、覗かせてやってもいい。
 決して淫らな考えではない。
 若くみずみずしい肉体を持った女なら、誰でもおもうことだ。
 そんなことを考えながら、矢内恵子は足を踏み出した。
 川底の砂利のザラザラした感触が足裏を刺激し、汗ばんでいた体を拭っていくように心地好かった。
 深緑色の水草が揺らぎ、彼女のすねくすぐる。
 矢内恵子は片手を水の中へ差し入れ、水草の茎を握った。
 ろうとした刹那だった。
 太腿の内側に、ぬめった肌触りを感じた。おもわず声を上げそうになり、足をね上げた。水飛沫があがり、水草が霞んだ。
「あっ……ツツーぅ」
 こんどは声をあげずには、いられなかった。
 パンティの中に這い上がったそれは、音もなく滑った感触を伝え、彼女の秘めやかな肉の中へ侵入していたからだ。
 矢内恵子は声をあえがせ、スカートの上から下腹を押さえた。
 侵入した異物が、にくひだの中でうごめく。
 矢内恵子は続けて声を発し、浅瀬の中で体をくねらせた。男根が潜ってきたみたいに、異物は内側から彼女の粘膜をさっする。
 むろん、男根などめられるわけがない。
 浅瀬に立っているのは彼女だけだ。しかも、パンティを穿いている。透明人間がいたとしても、パンティを下げずに挿入することは不可能だろう。
 だが、異物が自身の体内へ侵入しているのは確かだった。
 異物が蠢く。
 ちつひだえぐられる。子宮が吸引されたみたいに収縮反応し、強烈な快感が異物を呑み込んだ部分から、全身へ走る。
 矢内恵子は下腹を両手で圧するように押さえたまま、呻きながら岸へ向けて足を踏み出した。
 異物が暴れる。
 巨大な牛の舌が侵入したみたいに、膣襞を滑り擦過する。OL時代の肉体経験を含め、蜜月の閏房の中でさえも、こんなとろけるような感触を味わったことはない。
 矢内恵子は喘ぎ身をくねらせながら、岸へ這い上がった。あたりはばからずパンティの中へ片手を入れた。蜜液がおびただしく垂れ、水色のパンティを汚していた。異物が膣襞の中で、うねる。矢内恵子はうなり声をあげ、濡れ火照った自身の溝へ指を押し込んだ。ねばついた異物に指先が触れた瞬間、子宮壁が吸引され津波のような快感が脳天へ走った。矢内恵子はたまらず草の上に突っ伏し、全身をわななかせていた。
 
 
 
 
〜〜『妖魔八つ目軍団』(北原双治)〜〜
 
*このつづきは、ブラウザの「戻る」をクリックして前ページに戻り、ご購入されてお楽しみください。
 
「北原双治」 作品一覧へ

(C)おとなの本屋・さん