藍川 京 美人OL 濡れて蕩けて
目 次
一章 女豹
二章 誘惑
三章 蹂躪
四章 屈従
五章 恥辱
(C)Kyo Aikawa
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一章 女豹
1
ベッドルームの横に、形ばかりのリビングがついている。
ガラスで仕切られたバスルームから、先にあがった須田が、裸のままベッドに背中をあずけるのが見えた。
須田は湯漕に浸っている理絵に、ちらちらと視線を向けた。
理絵は故意に片手でゆったりと湯を掬い、肩先にかけた。そして、いっそう深く身を沈めた。
須田はもどかしげに煙草に火をつけた。
二十五歳の理絵が、須田には脂の乗りきった三十代から四十代の女ではないかと思えることがある。それでいて、ときには二十歳ぐらいに見えることもある。躰が極端に変わるわけはない。ベッドでの声やしぐさが自在に変貌するせいだ。
上等の水で育ったとしか思えないすべすべの白い肌。なだらかな肩。掌からはみ出す形のいい乳房。くびれたウエストと、そこからひねり出されたような豊満な尻肉。女王蜂を連想させる臀部だ。
理絵を落として抱いた瞬間、須田は一生放せない麻薬を口にしたようなものだった。
湯漕から出て洗い場に立った理絵は、ガラス越しに須田に躰を向けた。そして、悪戯っぽく唇をゆるめ、やや濃いめの繁りを乗せた柔肉をVにした指でくつろげた。
身を乗り出した須田に、理絵は勝ち気そうな唇をゆるめた。
腰を突き出し、くつろげた秘園をガラスにピタリとつける。そして、いっそうVの指を広くした。
水槽に吸いついたアワビのような女貝。だが、理絵のピンクの粘膜は、アワビとは比べものにならない美しく猥褻な肉の器だ。息を呑んだ須田は、煙草を揉み消した。
次の瞬間、ベッドから飛び降り、ガラス越しに押しつけられた秘貝の前にいた。
湯で濡れ光る漆黒の恥毛。その内側に、自由に動き出しそうな肉厚の大きめの花びらがあった。子宮に続くパールピンクの祠はねっとりしている。細長い肉莢から顔を出している肉芽は、男を狂わせる妖しい宝石だ。
大手のアパレル関係の経理部長をしている四十七歳の須田は、上役や部下には決して見せたことがない、涎をこぼしそうな間抜けな顔をしていた。
理絵は笑いながら、腰をクイクイッとガラスにすりつけた。
「おお……」
ピンクの粘膜がグネグネと歪むさまに、須田の鼓動は乱れ、肉棒が硬く反り返った。
須田が舌を出し、ガラス越しに秘貝を舐めたとき、理絵の腰は遠のき、秘貝のくっついていた場所に、腰を落とした理絵の顔が映った。
『バ・カ』
笑っている理絵の口がそう動いた。
須田は風呂場に駆け込んだ。
「理絵っ!」
肩で息をしながら、須田は理絵を抱きしめた。
「アソコを見るとすぐ発情しちゃうんだから」
唇を合わせようとする須田の口から逃げながら、理絵は冷静に男の鼓動の乱れを確かめていた。
「理絵、どうしてそんなに焦らすんだ」
鼻から熱い息を噴きこぼす須田は、唇を合わせるのをいったん諦め、乳首に吸いついた。
「あはっ……」
反射的に理絵の胸が突き出された。
やや大きめの淡い花びらのような乳暈のまん中で、小さな果実はすぐさま硬くしこって立ち上がった。
Dカップの乳房をグイとつかんで、コリコリした感触を舌と唇で味わう須田の肉棒は、痛いほど昂っていた。
「ああ、理絵……」
跪いた須田は、さっきガラスに押しつけられていた部分に顔を埋めた。石鹸の匂いがする。だが、ほのかなメスの匂いは消えていない。
やわらかい部分に舌を這わせていると、ねっとりしたものが溢れ出し、メスの匂いが徐々に強くなってきた。
「ああう……いつもいやらしいオクチね……はああっ……んんっ……」
須田の頭をつかんだ理絵は、秘唇から手足の先に向かって広がっていく細波のような快感に喘いだ。
舐めあげても舐めあげても湧き出してくるネトネトした蜜液。舐めあげるたびに、女園を囲む黒い翳りが須田の顔をくすぐる。
立ち上がった須田は片手を理絵の背中にまわし、片手で反り返った肉茎を握ると、ぬるつく女芯を探って突き入れた。
「おお……」
肉根を締めつけてくるなま暖かい肉襞に、須田は不覚にも、抽送しないまま精を噴きこぼしそうになった。
「ここじゃいや。このままベッドに連れてって。入れたままよ」
囁くように言った理絵は、片足を須田の腰に巻きつけ、首にまわした手に力を入れた。
須田はすぐにでもコトをはじめたい気持をかろうじて抑え、躰に絡まった理絵を放すまいと、背中をがっしり抱えこんで移動した。
いつもの理絵はふんわりしたソバージュの髪を肩まで垂らしている。だが、風呂に入るときはアップにする。風呂上がりの色っぽい髪と襟足のほつれ毛は、須田には興奮剤だ。肉襞の中で、剛直がぐいと膨張した。
「あう……元気のいいこと」
「女房とはあまりその気にならないんだがなァ」
妻とは枕を並べて寝ても、興奮するというほどではない。ただ、単身赴任なので、月に二、三度家に戻ると、妻の方が必ず催促する。不倫を悟られないために、やむなく拒まずにやっているだけだ。
「いつもそんなこと言うけど、案外、お熱いんじゃないの。悪い上司」
下から理絵は腰を動かした。
亀頭が子宮にぶち当たる感触が、何とも言えない。
「きょう買った茶碗は妙に艶っぽいと思ったが、理絵とこうしていると、ただの器に思えてくる」
「だったら、私にちょうだい。もっといいものを探せばいいでしょ」
朝からふたりで美濃焼の窯元を巡った。
須田は桧垣を描いた絵志野の抹茶碗が気に入って、まあまあの金を出して求めた。理絵はその茶碗を、彼の返事を待たずに貰うことに決めてしまった。
「最近見たなかでは上の部類に入る抹茶碗だからなァ。なかなか好みの茶碗は見つからないものだ」
須田は手放すのが惜しいという口調だ。
「私とあれとどっちを取るの?」
理絵は拗ねてみせた。
「おまえに決まってるだろ。しょうがないな……」
白い長石釉も鉄絵の出方も美しい傍らのテーブルに乗った抹茶碗に、須田はちらりと視線をやった。
「ふふ、ありがとう。部長のおかげで、私もやっとこのごろ焼き物のよさがわかってきたわ。もちろん、部長のよさも」
チュッと唇をつけ、須田の背中にまわしている腕に力をこめた。
ひととき理絵の口に舌を差し入れて動きまわった須田は、顔を離すと上半身を起こした。
気の強そうな、それでいて男心をくすぐる唇。理知的な眉。大きな目。細面の顔。会社では理絵は経理部のやり手の部下だ。
風呂上がりで、理絵の乳房はしっとりと息づいている。
掌に入りきらない大きな乳房をつかんだ須田は、淡い花びらの色をした乳首を吸い上げた。
「あはっ……」
色っぽい喘ぎと同時に肉襞が蠢いて、肉茎を絞りあげた。
「おっ」
今度は須田が声をあげるばんだった。
理絵を焦らして、お願い、と言わせてみたいと思うものの、なかなか心の余裕ができない。今度こそと思っても、ついつい須田の方の堪え性がなくなってしまう。
「ああ、理絵」
早くも乳首から離れ、須田は腰を動かして抜き差しをはじめた。
締まる秘口と柔肉の襞。プルンプルンと揺れる乳房。濡れたような目。半びらきのぬらりと光った唇。そこから、覗く白い歯……。
「もっと……あう……そこ……そこが気持ちいい」
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