官能小説販売サイト 北本世之介 『マル秘欲望ファイル』
おとなの本屋・さん


北本世之介   マル秘欲望ファイル

目 次
早朝ジョギング中、三百メートル先のアパートで大学生と密会する若妻
水泳教室インストラクターと駅反対側マンションで秘密の関係結ぶ人妻
家族水入らずの温泉旅行に若い愛人同行して密事
精力絶倫! その夜のゴミ袋をあさると八個も中身入りコンドームが!
テレクラ浮気妻を尾行中、モーテルから出てきた有名男女優と遭遇
二十年も貞操を守ってきた人妻を夫と別れさせる離婚請負
サラ金地獄に堕ち売春婦になってしまった人妻の軌跡
会員制乱交クラブで若いホストと性宴に燃える社長夫人
なまぐさ坊主の口淫に痺悦するごく凡俗な美人お嬢様
トウモロコシ畑で若い男と白昼情事に溺れる人妻の恍惚
女子寮でエンエン何時間も同性愛戯に惑溺する美人銀行OL
夜の海辺で大胆交尾する女子大生は医者と愛人契約
禁断の木の実食べ暴走した主婦のショッキングな浮気のお相手
男からはカネを巻き上げ女には乗っかる悪徳探偵の哀れな結末
マジックミラー越しに妻と美少年の交悦のぞく美術商の淫靡な愉しみ
一日三人の男との浮気で濡れる単身赴任妻の好色ぶり
一億円貯めた元人妻ソープ嬢の目覚め
妻子ある百八十センチの大男が女の声あげて喜悦するお相手
同性愛戯に溺れるエリートディレクター妻の白い快楽
同棲中の恋人が出張中、乱交パーティに溺れる好色OLの痴態
ハネムーン直後、年下大学生との密戯に走る新妻OL
暇と肉体もてあます人妻が水泳教室で出会った男との大胆法悦
ノルマ達成のためソープで体を売る某新興宗教に入信した女子大生
愛欲の海に惑溺する売春妻の秘められた過去
あっけらかんと禁愛に走る現代父娘のタブー感覚
ランチタイムにホテルでラブゲームする新人OLの放胆感覚
新入生お嬢さん女子大生が魅了されたバイト先の妻帯者の熟練技巧
教え子高校生の分身を映画館でしごきたてる女教師の秘態
二人の年下男との淫奔な交歓にわななく美人女医の異常陶酔
純情青年がのぼせた独身美人OLとなまぐさ坊主との乱倫現場
職場で妻に長距離電話しながらオフィスラブに燃える単身赴任者の独身生活
夏休みのレジャー代欲しさに青い果肉売る現代女子高生気質
昼は院長、夜は院長の息子と乳くり合う好色人妻看護婦
テレクラ男達との行きずり肉愛にわななく高級第二夫人の淫悦
毎晩相手を変えカナキリ声で悶える家庭内離婚妻の媚態
暴走族グループに群らがる夜遊び少女達の乱倫な性態
たくましき労働者の厚い胸に抱かれてわななく上流夫人の情炎
被調査人がシロだった時に起こる気抜けしたような心理
無精子症の夫を持つ美人妻が宿した子供の本当の父親
結婚十三年目の平凡主婦を襲った異常エクスタシー
年下のハンサム独身社員を玩弄する熟れた女重役の好色秘態
スナックのカウンター下でくりひろげられる人妻OLの密戯
単身赴任者と夫が外国出張中の妻がドッキングする白昼のドラマ
年上三段腹おばさまとマザコン的快楽に身をゆだねる若い婚約者
一晩に複数の行きずりの男とあっけらかん肉愛に走るフツー妻の好色
挙式寸前に昔の絶倫男と不倫する独身OLの好淫度
結婚約束したOLの純情を裏切ったプレイボーイ君が受ける返礼
カネとおんなができた夫が貞淑な良妻を裏切って支払うオネダン
入社目前、アベック公園で屈託なく売春する新人OL
好色未亡人の性戯に負け家出した美少年の早過ぎる絶頂
新婚旅行先に昔の愛人呼び出し淫悦するインモラル新妻の乱倫
昔の男と同時交際しながら甘い新婚生活に酔う若妻の強欲
白昼から同性密戯に溺れる美貌妻が選んだ偽装結婚への道
結婚紹介所を舞台に売春もどきの淫奔ぶりを示す美人ギャル
妻の浮気に怒り愛人つくるだけでは足りずに妊娠させた男の暴走
八十歳マンションオーナーが失った六十二歳愛人との狂おしい痺悦
淫乱幼な妻の要求にひるみ愛想つかされた夫が抱える苦悩
PTA役員と女上位で乳くり合う熟れ妻の好色痴態
性戯達者な年上妻が夫に裏切られて逆上し不倫妻と路上乱闘!
自分の息子ほどの若い男三人と白昼から淫奔に乱れる40代夫人の情念
年上男の上に乗り獣欲むさぼる家庭内別居中の50代美女の悶え
夜昼問わずラブホテルの密室で艶奏される男女の秘めやかな会話
恩師、息子の友人、連れ子の娘など盗聴テープに聴く不倫相手の数々
親のカネ目当てで家出したお嬢さん女子大生の桃色現場
亭主が聴いたら殺意を抱きそうな新妻と不倫相手との熱い会話の中身
子育て一段落した平凡主婦が若いツバメに暴走し哀れな末路
女子大生と絶倫夫の不倫が発覚して子連れ妻がとった態度
複数の男性と奔放社内不倫に励む有職主婦のもう一つの真実
グータラ息子が身も心も本気で惚れたジャパゆきさんの正体
十年間も妻の不倫に泣いて暮らした心優しい中年男の感性
亭主の弱さにつけこみ次から次へと男漁りする今どき主婦の過激
結納を交わしてから昔の男たちとデタラメに乱れまくる女の行く末
元夫の借金返済のためソープ嬢に転身した女の上器に惚れた男の純情
夫の単身赴任でシャブに手を出し売春まみれになった美人妻
生と性を楽しみ始めた離婚妻に未練タラタラの元夫がしでかした愚行
自分の娘に寝取られたとも知らず年下男に惑溺する離婚妻
家じゃ粗大ゴミ扱いの働き蜂サラリーマンがやがて倒錯じみた復讐劇
世の中が複雑になるにつれ増える多種多様な男女の関係
インタビュー ――(一九九五年)探偵業界の現状

(C)Yonosuke Kitamoto

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   早朝ジョギング中、三百メートル先のアパートで大学生と密会する若妻

 電話帳をペラペラめくってみればすぐ気づくことだが、派手な広告の大半がサラ金、結婚相談所、美容形成外科、産婦人科、そしてここに紹介する興信業である。
 いずれも、できればあまり親密になりたくない世界だ。
「興信所あるいは探偵社は、他人のプライバシーに関わる仕事なのに届け出の義務もなく、まったくの自由営業なんですよ。しかも、組合も上部団体もありませんし、業者間の連絡もない。各人各社が好き勝手にやっている不思議な業界なんです」
 こう語るのは、ルポライターである私が同行取材することになった、「一本釣り探偵社」のR探偵社所長。「一本釣り探偵社」とは、業界用語であり、大手どころの経済興信所などと違って、固定客を持たない。フリー客の事件を中心にやっている。電話張に一行広告を載せている大半が、実はこの一本釣り探偵社なのだ。探偵社にはさまざまな種類の相談や依頼が舞いこんでくるが、世の中が建て前と本音で成り立っているとしたら、後者のホンネに鋭く関わっている裏稼業といえようか。
 一本釣り探偵社が受注する仕事のほとんどは、男と女の、つまり浮気である。
 都心に事務所を構えるR探偵社のS所長(といっても電話番兼お茶くみ)は、
「十年ほど前までは9対1くらいの割合で奥さんからの依頼が多かった。ところがいまは、5対5、中には4対6で男性からの依頼がグンと増えてきましたね」
 という。昼のテレビ番組だったか、行方不明の奥さんに、帰ってこい、と泣いて訴える亭主の姿が思い出される。
 さて、二月下旬のある寒い日の早朗ちょうど六時ごろ、その日は平日なのだが、私はSさんと、東京足立区の土手近くに立っていた。遠くに東京拘置所が見える。前もっていわれて通りSさんと同様、なぜかジョギング・スタイルである。
 被調査人が近くに住む24歳の主婦で、調査依頼人は彼女の夫。29歳の団体職員。二人の間に子供はいない。第一回目の同行取材だ。
「半月前に調査を依頼されて尾行したんですが、どうしてもシッポをつかめない。私は浮気の事実はなさそうだ、と報告したんですが、彼は納得しないんです。いや、証拠はないが、絶対に男がいるはずだってね。だいたい、そういう直感は当たるんですよ、経験的に。で、ふたたび調査を開始して、最近ようやく、彼女が毎朝ジョギングをやっていることを突きとめたんです。彼女には早朝、一時間ほどの空白があったんです」
 というわけで、この日、早朝の尾行となったしだい。これからも折りにふれ紹介してゆくが、探偵という仕事が、いかになまなかなものではないか、だんだんと明らかになっていくと思う。
 さて、荒川土手の近くに車を停め、その中に着換えを置いて待っていると、くだんの奥さん、ピンク色のジョギングウェアに、モスグリーンのセーターと濃紺のタオルを首に巻いて、平屋の借家から姿を現わした。
 準備体操もしないで、いきなり門から飛び出し、細い路地を走り出してゆく。
「あの女だ。さ、行こう」
 S所長のことばに、私もあわてて物陰から路地に飛び出す。
 彼は三十代後半なのだが、さすがに体力が勝負の世界の人間らしく足が軽やか。こっちは二百メートルも走っただけで息が切れる。途中、新聞配達の若者ともすれ違った。(くそお。こんな早朝に浮気なんかするわけねえのに)と思いつつ次の角を右へ折れたときだ。彼女とは五十〜六十メートル距離を保って尾行していたのだが、ふいに女の姿が消えた。所長が目の前をゆっくり歩いている。
「どうしたんです?」
「そこのアパートに入っていった」
「え!?」
 私が白い息を吐きながら驚くと、S所長は、そのアパートの前まできて、しみじみした口調でいった。
「なるほどなあ。考えたものだよ。まさに死角だ。浮気の相手はすぐそばにいたのさ」
 目の前の二階建てのモルタル老朽アパートに、彼女の浮気相手が住んでいたとは。それからほぼ四十分近く、彼女はそのアパートから一歩も外には出てこなかった。出入口は一つである。
(大胆だなあ。自宅から二百メートルと離れていないじゃないか。今ごろあのぼろアパートで、あのムチムチの若妻は、ジョギングと見せかけ、朝っぱらから汗だくだくでナニしてるわけか)
 私は、体の中から熱く盛り上がってくるものを覚えた。
 四十分後。スッキリ顔の若妻がアパートから出てきた。意識してかどうか、汗をかいたままだ。額の汗がなまめかしいというかいかがわしいというか、早朝のきらめいた陽光を反射していた。
 さらに驚いたことには、S所長と私が物陰から見ているとも知らずに、彼女はそこから自宅まで、〃全力疾走〃してご帰還したのだ。目をさましただろう依頼王の亭主は、どんな顔をして妻を迎えたことだろう。二、三日後、S所長が私に語ってくれた。
「相手は大学生だったよ。女は合鍵も持っていてね。以前は昼間でも密会していたらしい。結果? 目下、別居中さ」
 
 
 
 
〜〜『マル秘欲望ファイル』(北本世之介)〜〜
 
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