香川 潤 人妻津夜子・堕ちていく道
目 次
第一章 淫獣たちの牙
第二章 マイホームに侵入する淫獣
第三章 課外授業みだらドライブ
第四章 転落する人妻
第五章 入り乱れセックス地獄
第六章 なぶり者への陥落
(C)Jun Kagawa
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第一章 淫獣たちの牙
1
性感がびりびりと、津夜子の全身を襲っている。
男が、左の乳首に吸いついてきた。もう片方の乳房は、先ほどからずっと手でもまれつづけている。
男の名前はわからない。長身長髪、三十歳前後。
数十分前に出会ったばかり。ゆきずりといっていい男だ。その男が、津夜子の左側に座り、彼女の身体をなぶっている。
男はひとりだけではない。
右側にももうひとり。がっしりした体格の、三十代半ばの男。こちらの名前はわかっている。佐川というのだ。下の名前まではわからない。
スカートの下に差しこまれていた佐川の手が、強引にパンティの中に入りこんできた。
「いやっ!」
腰を動かして指から逃げようとしたが、もちろん指は追ってきた。それに両手をふたりの男根にとらわれているので、まるで張りつけにされたのと同じ状態だ。自由を奪われているのと同じだった。
そう、津夜子は、両側にいる男のペニスを、両手で握らされているのだ。
場所は、車の後部シートだった。
運転席には、やはり津夜子の知らない男がいて、車を走らせている。
自由を奪われ、ふたりの男から好きなようになぶられる。しかも自宅のすぐ近くを走る車の中で。
異常な状況に置かれている自分を強く意識した。ほんのちょっとした不注意から、日常では決して経験することのない異常な世界に、足を踏み入れてしまったのだ。
津夜子は頭の中が白くしびれるのを感じた。それと同時に、男たちになぶられている身体の中には、赤いしびれが広がっている。
長髪が津夜子の豊かな乳房をなぶり、佐川の指が女の肉の亀裂をなぞりえぐっている。さらに、あいている手で彼女の太ももをなでさすりはじめた。
それをまねるように、長髪も津夜子の反対側の太ももをなでさすった。
四本の手に、同時になぶられている。そして自分の両手はふたりの男のものを……
「ああ、こんなの……」
身体がどうしようもなく熱くなっていた。羞恥のせいばかりではなかった。
「どうだい? ふたりがかりでやられる気分は? 平凡な主婦生活では味わえねえ刺激だろう?」
もうどちらのものやらわからない指が、津夜子の両脚の間の肉の亀裂を、奥までくじりえぐってきた。
「あ、あ、だめっ!」
無意識に腰を動かしてしまう。そのせいでさらに男の指を誘いこんでしまった。
子宮の入口まで指頭でグリグリとえぐられた。
「ひ……ああっ、そこ、だめっ!」
股間と胸から湧きだした性感が、たがいに共鳴しあうように増幅した。
佐川が、津夜子の太ももに手をかけ、ぐいっと広げた。ショーツの奥の肉の襞が、ぱっくりと口を開けるのがわかる。
「相当飢えてるようだな、下のお口は」
濡れた襞を、ぴらぴらと指ではじかれた。
「そ、そんなこと……」
津夜子はあえぎながら、否定しようとした。男根を両手に握らされ、乳房と股間の割れ目を、男たちの指でなぶられて、とても冷静はたもてない。「こんな男たちのいうなりになって、感じてはいけない」とだけ思い続けている。
しかし、身体はそんな思いを裏切りつつあった。
声はうわずり、性感によって、ガクガクと身体が震えた。身体の奥が、どうしようもなく熱くなっていた。
きまじめな両親のもとできびしく育てられた。妹がひとりいる。姉妹二人ということで、性的なことはほとんどタブーとされ、高校、短大は、厳格な教育で知られるミッション系女子校に通った。結婚するまで、男性とはほとんど隔離されたような生活を送ってきたのだ。
高校の入学試験に失敗した妹は、共学ですっかりのびのびしたようだが、姉のほうの津夜子は、親の期待にこたえようと、まじめ一本槍でやってきた。
もちろん、夫が津夜子の最初の相手であり、ただひとりの男でもあった。
子どもを望みながら、夫の仕事が忙しく、アメリカへの週単位の出張も多く、なかなかタイミングがあわず、セックスの回数もこなせないまま、三年があっという間にすぎた。
このまま穏やかに、ひと月に一、二度程度のセックスが続くのだと思い、また、世間の人も、そのようなものだと思っていた。激しいセックスや、異常性愛、複数の異性とのセックスなどは、すべてアダルトビデオやポルノ小説、あるいは風俗店での話だと思っていたのだ。そうしたこととは、まったく無縁の人生だった。
なのに――
いま、夫以外の誰にも見せたことすらない乳房と茂みをあらわにされ、今日初めて会った男たちにいいように触られている。しかも、二人の男根を両手に握り、上下にしごいている。命令されて仕方なくやっているとはいえ、こんな淫らな自分の姿は、これまで想像すらしたことがなかった。
そして――
あろうことか、そんな状況で、津夜子は感じてしまっていた。
夫にさえしたことのないことをして、夫にすらされたことのないことをされて、どうしようもなく感じてしまっている。
どんなに押さえようとしても、あとからあとから、性感が湧きあがってくる。あとからあとから淫らなあえぎ声が湧き出てくる。
こんな、こんなことって……
津夜子は、わけがわからなくなった。
いったい、私の身体はどうなってるの……
男たちのやりくちは、いかにも手慣れていた。こういうことを、何度もやっているのかもしれない。目をつけられ、まんまと罠にひっかかったのではないか。そう思いついて、津夜子はぞっとした。
いったい何者なのか。
少なくとも、普通の会社員ではなさそうだ。
いま、彼らが乗っている車は、ベンツだった。
ベンツを運転手付きで乗り回す、身体のがっしりした二人の男。
「い! た……い」
あれこれ思いを巡らせているのを感づかれたのか、いきなり乳首に歯がたてられた。
痛がってはみたものの、さっき長髪男がいったとおり、感覚は、痛みというより快感に近かった。ずきんとする疼痛が、うずく性感となって放射状に広がる。
「ほれほれ、ぼんやりやってんじゃねえよ。まじめにやれよ、まじめに」
あわてて、男根を握り直し、しゅっしゅっと手首を動かした。
「うまくなったじゃねえか」
グロテスクな先端が、ぴくぴくと動いた。津夜子はびっくりして、思わず悲鳴を上げた。
「スケベなくせに、妙にウブだぜ。こりゃ拾いもんだな」
男たちは笑いあった。
「さあ、まじめにやりな。町のみなさんが、あんたの仕事ぶりを見てるかもしれねえからな」
津夜子はぎくりとして、窓の外をうかがった。車は、住宅街のメインストリートを走っていた。歩道に、顔見知りの主婦たちが数人、かたまって立ち話をしているのを見つけて、津夜子は身をすくめた。
「おや、お知り合いかな」
どうしよう……見られたりしたら……
佐川が運転手をつついた。運転手は心得たとばかりにうなずいて、速度をゆるめた。
佐川は、親指と人差し指で津夜子の肉芽をこねながら、中指を器用に、肉襞の間に差しいれた。
「あ、うんっ」
いちばん感じる部分をいじられ、津夜子は歯を食いしばった。
ベンツは、主婦たちの立っているあたりを、ゆっくりと通り過ぎていく。
長髪男は、津夜子の乳房をぐいぐい揉みながら、乳首を歯と舌でなぶりつづけている。服は完全にはだけ、窓を覗きこめば、津夜子の乳房が男にもまれ、プルプルと震えているのが見えるはずだった。
津夜子は気が気ではなかった。
誰も、振り向きませんように……!
知らず知らず、手が止まる。
「おら、サボるんじゃねえっ」
長髪男が、怒鳴りつけた。
怒鳴り声が洩れたのだろうか、主婦たちが、ベンツにちらっと目をやるのが見えた。
見られた、かもしれない……
そう思うと、目の前が暗くなった。
「観念して、お仕事に専念するんだな」
津夜子は涙がにじんでくるのを、必死でこらえて、男根をしごきあげた。
粘るような指先が、津夜子の蜜壷の前のほうの壁を、くいくいと押した。
「あふうっ!」
性感が、びりびりと脳天を貫いた。
今のはいったいなに……?
指が、こんなにも鋭い性感を生みだすとは、思いもよらなかった。こんな鋭い刺激には、感じないふりはとうていできなかった。
佐川は、なおもくいくい押しつづけた。
「はうっ……だめっ、やめてっ! ひ……」
身体が跳ねてしまう。それを片方の手で押さえつけられた。身体の自由がほとんどなくなると、いきどころのなくなった性感が、さらに鋭さを増すかのようだ。
身体は頭とはまったく別の生き物なのだろうか。こんな情けない気分だというのに、どうしてこんなにも、身体は反応してしまうのか。
二十本の指が、津夜子の身体を這いまわり、柔らかく熱い部分にもぐりこんでは、かきまわす。津夜子の頭は、完全にのぼせてしまった。
ともすれば力が抜けてしまいそうになる。それをこらえて、二本の男根をしごきたてなくてはならない。理性を保ってなど、とうていいられなかった。
これは夢、淫らな夢を見ているだけなのよ……
そう自分にいいきかせながら、津夜子は必死で、ふたりの男根を上下にしごきつづけた。
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