官能小説販売サイト 山口香 『媚肉の陶酔』
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山口 香    媚肉の陶酔

目 次
第1話 付け根の火傷やけど
第2話 水蜜桃の女
第3話 夕日と後背位
第4話 後妻地獄
第5話 ラブするベッド
第6話 名器の五十女
第7話 SM未亡人
第8話 ブルセラ・ショップ
第9話 風呂の中の座位
第10話 ふともも芸者

(C)Kaoru Yamaguchi

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   第1話 付け根の火傷やけど

     1

 川崎市多摩区登戸の高級住宅街の一角にあるレンガ造りの洒落しゃれた五階建てのマンションには、午後の日差しが、さんさんと降りそそいでいた。しかし、窓はすべて閉めきられて、同じようなレースのカーテンが、引かれていた。景観を損なうというためか、通りに面した窓辺には、ベランダがない。
 六メートル道路を挟んでの向かいには、洋風な三階建て住宅が並んでいる。
 すずのぼるが、相模大野支店から、ここ登戸支店に転勤してきた五年前には、このあたり一帯は、農地と多摩川梨園がいくつもあり、田園風景が残っている町だった。
 しかし、ここ二、三年、農地の宅地並み課税が強化されたせいもあって、農家は、土地を手離すか、自分の土地に賃貸マンションを建てるようになった。そうなると、サラリーマンにとっては最高のベッドタウン地域となる。
 新宿から小田急線の急行で二十分。交差して、立川‐川崎間の南武線も走っている。人口は一気に増えていった。
 鈴木昇は、白百合銀行登戸支店の、第一渉外係長である。年齢は四十歳。仕事に脂の乗りきった時期である。それにもう一つ、女遊びにも、脂が乗りすぎるぐらい乗っている。
 彼は、単なる好色家ではない。女なしではいられない身体なのである。早い話が、男のモノが、並みの男性の倍近くあるのだ。長さだけでなく、太さもである。そのことを意識したのは、大学に入ってからである。
 彼が性に目覚めたのは、小学五年生の時だった。神奈川県伊勢原市の農家の次男として生まれた彼は、近所のガキ大将だった。
 五年生の夏、熱帯夜。当時は、まだクーラーなんて取り付けてなくて、どの家も窓を開けて、を吊って寝ていた。
 二階に兄と寝ていた彼は、眠れぬままに、階下に降りて庭に出た。
 両親の部屋の窓際に来た時、身震いした。悲鳴のようなものを聞いた、と思ったからである。夫婦がセックスして子供が生まれる。ぼんやりとそう思っていたが、まさか、自分の父と母が、世間の夫婦のようにしているとは考えてもいなかった。
 窓は開いている。夏の夜のこと。蚊帳の中の父と母の姿ははっきりと見えた。全裸の母が、大の字になってクネクネと身体をくねらせている。八の字に開いた両肢の間に、父親がふんどし一つで腹這いになっていた。母は泣き叫んでいた。父親にいじめられている。助けてあげなければ……。彼は、子供心にそう思っていた。
 しかし、部屋に飛びこんでいくことは出来なかった。
 自分の部屋に戻って眠ったが、夜明け前に、下半身がネバネバしているのに気づいて、目が覚めてしまった。最初の夢精だった。便所に入って、犯罪者の気持ちで、パンツを落ろし、紙で執拗にぬぐい続けていた。
 翌朝、母親の姿は、いつもと変わらなかった。もちろん父親も、同様だった。
 それ以後、何度か、もう一度のぞいてみたい、という衝動に突き上げられたが、両親のセックスシーンを見たのは、その一度だけだった。
 中学校に入ってから、マスターベーションを覚えた。
 高校時代に、何人かの女生徒と付き合ったが、ペッティングまでは行ったものの、それ以上は踏みこめなかった。
 童貞とさようならをしたのは、大学一年の秋だった。相手は、コンパで行きつけになったスナックのママだった。当時、三十歳前後の、小柄な女性だった。
 新宿のゴールデン街の一角。一階はカウンターだけの店。二階に八畳ほどの広さの住まい。
 未亡人だということだった。通っているうちに、彼はのぼせ上がった。酔って、好きだ! と叫んでいた。カウンターで眠ってしまって、店が終わると、二階に誘われた。未亡人の一人住まい。化粧品のにおいと彼女の体臭が充満していて、彼は、彼女に飛びかかっていった。彼女を押し倒し、揉み合っているうちに、射精してしまった。
 しかし彼女は、とまどう彼を横にして、やさしくぬぐってくれた。そして、うっとりした表情で見つめ、
「想像したとおりだわ。ああっ、見ただけでボーッとなってしまいそう……」
 甘い声を出し、半立ち状態のものをペロペロと舐めて、口に含んで吸いたてた。若さあふれる童貞ペニス。未亡人の彼女には、絶好のオモチャだった。鈴木のものは、射精後一、二分で、いきり立った。
 彼女は、女上位の恰好で、彼のものを股間に飲みこんだ。そして激しく腰を上下させながら、
「ああっ……大きすぎて、子宮が押しつぶされちゃうっ」
 くぐもった声を出しながら、同時に、自分の手で乳房を揉みたてていた。
 その後、もう一度、彼女にもてあそばれて、正常位の格好で身体を繋いだ。
 翌朝の目覚めは最高だった。自分もとうとう大人の世界に仲間入りした。
 そう思うと、また彼女が欲しくなった。
「あたしも水商売に入ってたくさんのお客さんと遊んだけれど、あなたみたいな大きなものを持った人、見たこともないわ。きっと、これから女の人を泣かすわよ」
 そう言った彼女は、目の下にくまをつくりながらも、いとおしそうにペニスにフェラチオを加えはじめていた。
 
 
 
 
〜〜『媚肉の陶酔』(山口香)〜〜
 
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