官能小説販売サイト 香川潤 『年の差悦楽味くらべ』
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香川 潤    年の差悦楽味くらべ

目 次
いじめられ好き
おじさまがいいの
襲われた家族
母娘・キャンプ場の絶頂
ブランドの肉贄
母娘・ナンパ泣きくらべ
父娘相姦・3P希望

(C)Jun Kagawa

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   いじめられ好き

     1

 加奈子は恥ずかしくて仕方がなかった。
 ホテルのロビーを横切りながら、だれかに見られるのではないかと思い、身がすくむようだ。
 パンティをはいていないのだ。
 しかも、スカートは超ミニときている。
 ロビーにいる男たちやホテルの従業員の視線を強く感じた。
 そんな加奈子の腰に、池上が軽く手を回して歩いている。
 だいたいが、池上と加奈子という取り合わせが、注目の的に他ならないのだ。
 池上はゲームセンターをいくつか経営している男で、現在五十五歳。髪は豊かだが、白髪がかなり混じっている。一方、加奈子のほうは現役の大学生で、池上の半分以下の年齢だ。寄りそって歩いているふたりがどういう関係だろうと、人から好奇の目を向けられるのも無理はなかった。
 加奈子は池上に連れられて、ロビーの奥にあるホテルのバーに入っていった。
 こじんまりしたバーだ。一流ホテルだが、規模は大きくない。
「ここ、来たことあるかい?」
 カウンターの椅子にすわるように、池上にうながされた。
「いえ、ありません」
 加奈子はスカートの裾を気にしながら、背の高いスツールに苦労して腰をかけた。カウンターの内側からバーテンが粘りつくような視線を向けてくるのがわかった。
 まさか、見えてないわよね……
 ゾクッとした感覚が全身を包みこんだ。得体の知れない感覚だ。加奈子はスカートの裾をキュッと引っぱった。
「私にはマティニを。この子には……そうだな、フローズンダイキリでももらおうか」
 慣れた調子でカクテルをオーダーする。
 今日は会うなり、「服を買ってあげよう」と言われ、断わりきれないまま、高級な会員制のブティックへと連れて行かれた。池上は「思いきりセクシーな服を選んでよ」と店員に注文をつけた。
 店員が持ってきたスカートをはいていると、いきなり池上が試着室に入りこんできた。
「似あうじゃないか。それに決めよう」
 そう言ってから、加奈子を抱きしめてきた。抵抗する間もなく、舌を入れられ、濃厚なキスをされた。と同時に、はいたばかりのスカートの中に手を差しこまれた。
 パンティを引きおろされた。
 さすがにびっくりして口をほどき、小声で抗議した。
「いやです、こんなところで……店の人が……」
「大丈夫。店の者は来やしないよ」
「でも……」
 その間に、パンティをずっと下のほうまでさげられてしまった。
「ほら、足、あげて」
「な、なにを……?」
「脱ぐんだよ。さあ、足をあげてごらん」
 あっという間に脱がされてしまった。
「これは私が預かっておこう」
 そう言って、加奈子のパンティをくしゃくしゃと丸めると、上着のポケットにしまいこんでしまった。
「そんなぁ……」
「先に勘定をすませておくからね。その服装で出てくるんだよ。こちらも私が預かろう」
 着がえる前に着ていたものを、池上は持っていってしまった。
 そういうわけで、超ミニスカートの下に下着を着けていないという不安な格好で、ここまで連れて来られてしまったのだ。
「今ごろ、尾崎くんはまじめに働いているだろうか」
 出されたマティニをすすりながら、池上が言った。その言葉を聞いて、ふたたび加奈子の身体をゾクッとした感覚が包みこんだ。
「彼の話はしないで」
「さすがに罪の意識を覚えるか」
 池上が、加奈子のむき出しの膝に手を置いた。
 加奈子はうなずいた。そして、あたしってどういう女なんだろうと、自責の念にかられた。
 大学の同級生であり、恋人の尾崎誠は、今ごろ、夜のアルバイトに行っているはずだ。ゲームセンターの管理の仕事で、オーナーは池上だ。実を言えば、加奈子は尾崎のアルバイト先に遊びに行って池上と知りあったのであり、池上も加奈子と尾崎が恋人同士であることを充分知っているのだ。
 強引に誘われ、すでに一度、ふたりだけで会っている。今夜は二回めの逢引きというわけだった。
 自分には尾崎という恋人がいる。池上にも妻子がいる。これを不倫と言わずになんと言おう……
「男女関係というのは、罪の意識があったほうが燃えるんだよ」
 池上の指先が、膝頭の回りを、文字でも書くように動いている。くすぐったかった。
「昔からそれは決まっている。後ろめたい気持ちがあればあるほど、人間というのは深く燃えてしまうものだ。スリルという刺激がそうさせるんだね。尾崎くんとは週に何回ぐらいセックスするのかね?」
「何回だなんて……そんな……」
 加奈子はカクテルに口をつけた。冷たくて、酸味があり、口あたりがよかった。
「週に二、三回?」
「そんなに……しません」
 バーテンに聞かれていやしないかと、ひやひやした。例の奇妙な感覚に包まれっぱなしだ。
「じゃ、週に一回?」
「一回、するかしないか、です」
「ふうん。若いのに、寂しいじゃないか。私なんか、そのぐらいのやりたい盛りの頃は、毎日、それも朝昼晩とやりまくったものだけどねえ」
 やりたい盛りという言葉がおかしくて、加奈子はつい笑ってしまった。
「しかしそうだろう? 尾崎くんも、やりたい盛りといった感じじゃないのかね?」
「彼はそんな感じじゃないです。もっとこう、なんていうか……」
「淡白?」
「そんな感じです」
「ふうむ。若いというのに寂しいねえ」
 池上の指が、加奈子の太ももの内側をそろそろとはい回っている。加奈子はくすぐったくて仕方がなかった。つい、モゾモゾと腰が動いてしまうのだ。
 ふと池上が顔を近づけ、耳元でささやいた。
「加奈子ちゃんは人前でセックスしたことがあるかい?」
「そんな……ありません」
「スリルがあるぞ」
「池上さんはあるんですか?」
「あるとも。なんだったら、いま、ここでしてもいいんだよ」
「できませんよ、そんなこと」
「できるとも」
 池上の手が、スッと内股に入りこんできた。
「あ……」
 あわてて太ももを閉じたが、すでに指はほとんど秘密の場所に届きかけている。
「むんむんしているぞ。ここに来るまでの間に、けっこう感じてしまったんじゃないのかね? 女というのは、恥ずかしいことを見られるかもしれないというだけで、感じてしまうものなんだ。きみもきっとそうだ」
「そんなことありません」
「ノーパンで歩いていて、濡れてしまったのだろう?」
「違います」
「確かめてみよう」
「いやです、こんなところで……ねえ、池上さん、ここじゃいやです」
 バーテンは気をきかして、カウンターの端のほうに移動していたが、ときおりちらちらとこちらのほうを見ているのがわかった。
「わかった。じゃ、続きは部屋にしてあげよう」
 池上の手が引っこめられ、加奈子はほっとした。
 一度きりならともかく、どうしてまた会っちゃったんだろうか……加奈子は池上の二度めの誘いに応じてしまった自分に対して、なさけない気持ちになった。
 スツールから降りるとき、なぜか身体がふらついてしまった。
 
 
 
 
〜〜『年の差悦楽味くらべ』(香川潤)〜〜
 
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