官能小説販売サイト 甘粕蜜彦 『淫叔母 滴る蜜〜甘粕蜜彦短編集2〜』
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甘粕蜜彦    淫叔母 したたる蜜〜甘粕蜜彦短編集2〜

目 次
淫叔母 滴る蜜
秘書・真由子 恥臭にまみれて
肛姦 人妻の誘惑

(C)Mitsuhiko Amakasu

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   淫叔母 滴る蜜

     1

 頬を撫でる風が柔らかい。次々に舞い降りてくる桜の花びらが、池の水面に薄紅色の絨毯を作っていく。
 上野にある不忍池の畔で、田島祐介は投げ込まれる餌をついばむ鴨をぼんやり眺めていた。
 一時間前に、同じ大学の後輩である彩香から別れを言い渡されたばかりだ。祐介自身、仕方のないことだと思う。
 半年ほどの付き合いだったが、身体を重ねた回数は数えるほど。いずれも、おざなりのセックスだった。また、こちらから彼女に電話したのは数えるほどしかない。
 テニスサークルでピカイチの美貌を誇る彩香から告白された時は、祐介も信じられなかった。
「据え膳食わぬは男の恥」とばかりにつきあってはみたものの、お嬢様特有のわがままさが鼻についた。やはり何かが違うのだ。
「あなたには、他に好きな女性がいるのね。ううん、答えなくてもいいわ。私だって女よ。ちゃんとわかるんだから。これ以上、放っておかれるのに耐えられないの。……もういいわ。さようなら」
 唇をクッと真一文字に結んだ彩香は、そう言うとくるりときびすを返し、足早に歩いていった。
(女の勘ってやつは恐ろしいな……)
 段々小さくなっていく彩香の後ろ姿をぼんやり見つめながら、祐介はそう思うしかなかった。
 小学生の時に、母親を亡くした祐介にとって、優しく包んでくれるような大人の女性が理想だった。
 実際、祐介にはあこがれの女性がいた。叔母の麗子である。耳鼻科の開業医である叔父の後妻。時折家に遊びに行く度に、祐介は麗子の美しさとしとやかさに目を奪われた。
 肩まで伸びたストレートヘアは綺麗なブラウンにカラーリングされ、艶やかな光沢を放っていた。
 四十歳という年齢を全く感じさせない肌の美しさ。皺一つない色白の顔にすっきり通った鼻筋と、憂いをたたえた黒目がちな瞳がよく映えている。また、きちんと整えられた眉と肉厚の唇のギャップが、祐介の淫心をそそってしまうのだった。
 スレンダーなのに、出るところは出ているという理想的なプロポーションも、祐介を夢中にさせている理由のひとつである。彼女に子供がいないことも、身体のラインが崩れていない理由のひとつかもしれない。
(彩香と別れたことなんかどうでもいい。僕は麗子さんが好きなんだ。あの人が叔母だっていうことが悔しくてたまらない……)
 隣の家族連れが投げ入れる餌に群がってくる鴨を見ながら、祐介はそう思っていた。

 三日後の月曜日、祐介は耳鼻科医院から少し離れた叔父の家を訪ねた。どうしても麗子に会いたくなったからである。
 ここに来る途中、耳鼻科医院をのぞいてみたが、待合室は患者で満員だった。季節柄、花粉症が蔓延しているせいかもしれない。
 それとは正反対に、自宅周辺はひっそり静まりかえっている。家の中に麗子しかいないことはわかっていた。
「あら、いらっしゃい。さ、どうぞあがってちょうだい」
 麗子は突然の訪問だというのに、嫌な顔ひとつせずに祐介を迎えてくれた。
 淡いピンクのタートルニットセーターに、サイドスリットの入ったアイボリーのスカート。艶めかしい肉厚の唇から白い歯がこぼれた。
 応接間に通された祐介がソファに座っていると、麗子はコーヒーを運んできてくれた。
「祐介君は、今、大学四年でしょう。そろそろ就職活動で忙しいんじゃないの?」
「ええ、まあ……」
「最近は就職難らしいわね。でも、祐介君はS学院大学だもの。大きな会社から引く手あまたなんでしょう」
「は、はぁ……」
 祐介はそう言ってごまかすしかなかった。未曾有の不況下である。大企業もリストラの大ナタを振るい、新規採用を極力抑えている現状だ。
 一応名の知れた私立大学に通っているとはいっても、大企業への就職の難しさは、サークルの先輩からも嫌というほど聞かされていた。
 実際、企業に資料請求をしても、返事がかえってくるのはその二、三割に過ぎない。以前はマスコミ志望だったが、そんなものはとうにあきらめていた。
「医院の方はずいぶんはんじょうしているようですね。叔父さん、かなり忙しいんじゃないですか?」
「そうなのよ。花粉症の患者さんが増えているみたい。でもねえ、来年春から医療報酬がカットされるし、あの医院には跡継ぎがいないでしょう。だから頭が痛いのよ……」
 そう言うと、麗子は深いため息をついた。ほつれ毛が数本、頬に降りかかっている。麗子のそんな深刻な表情も、またゾクッとさせられてしまうのだ。
「あのね、せっかくだけど、そろそろ夕飯の買い物に行かなければならないのよ。すぐ側のスーパーに行くだけだから、三十分くらいで帰ってくるわ。悪いけどここで待っていてくれないかしら」
「そうですか……。ええ、いいですよ。僕、テレビでも見てますから」
 麗子は祐介に穏やかなほほみを投げ掛けると、財布を手に買い物に出掛けていった。

     2

 百坪はあろうかと思われる大邸宅。一階には広い部屋が八つもある。応接間にぽつんと取り残された祐介は、どうしても落ち着かなかった。
 今まで何度かこの家を訪れたことはあるが、独りになったことは一度もなかった。せっかく麗子と二人きりになれたというのに……。
 しかし、考え方を変えてみるとこの上ないチャンスとも言える。今まで祐介は、麗子の裸やみだらな姿を想像しながら何度もオナニーにふけっていたのだ。
 生身の麗子を味わうのが無理なら、せめて身に付けているものが欲しい。彼女の温もりが欲しい。そう思っていたからである。
 
 
 
 
〜〜『淫叔母 滴る蜜〜甘粕蜜彦短編集2〜』(甘粕蜜彦)〜〜
 
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