官能小説販売サイト 北原双治 『吼えろ戦慄教師』
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北原双治    吼えろ戦慄教師

目 次
第一章 美少女トワラー
第二章 暴 行
第三章 蹂 躙
第四章 淫猥熟女
第五章 谷間の白い肌
第六章 昏き孤狼

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   第一章 美少女トワラー

     1

 微かな息遣いが聞こえた。
 拡げていた旅行書から顔を上げると、藤色の制服姿の女生徒が机の前に立っていた。
 胸のローマ字綴りのネームを見るまでもなく、バトントワリング部のリーダーみずしろづきと分かった。
 彼女の担任ではなかったが、三百名ほどいる女生徒の中でも五本の指にかぞえられるほどの美少女で、しかも成績も学年でトップクラスに入る優等生だ。
 全校生六百余名を誇る私立星苑学院の生徒はおろか、全教職員の誰もが彼女の存在を認識している。
(ん、……おれに用かい)
 淑やかに黙礼する水城葉月を見て、あわらんせいいぶかしがった。遠目に彼女を見掛けたことはあるが、間近で見るのは初めてだ。
 粟津は音楽の教師をしている。だが、選択科目になっており、彼女は受講していない。
 それで、学院の教師でありながら、直接指導したことはなく、挨拶すらされたことがない。
「あの、研究中のところ恐れ入りますが、バトントワリング館まで来ていただきたいんですぅ」
 彼が拡げていた旅行書に視線を落としながら、真顔で言う。
「うん、……急に、何だよ。研究の邪魔をされるのは、困るんだよな」
 言いながら、嵐聖は拡げていた旅行書を閉じ、机の隅に音を立てて放り投げた。
 彼が顧問をしているブラスバンド部の、夏休みの合宿地を検討していたのだ。
 星苑学院は全生徒に部活を強いており、各部とも夏休みには一週間程度の合宿を組み、部活の向上を計っている。
〃一芸に秀でた生徒の養成〃を建学の精神にしており、全生徒の部活動を奨励していた。
「粟津先生に、バトントワリング部の練習を見ていただきたいんです」
 わざと研究書ではないことを示したつもりだが、彼女はにこりともせずに言う。
「どういう意味だい。益田先生は、帰ったのか」
 バトントワリング部の顧問は益田不二子という保健体育の教師で、彼女自身もかつてバトントワリングの大会で何度も優勝した経験があり、部の指導に熱心な教師だ。
「はい、急用があるそうで帰りました。十分でいいですから、見てください」
 いよいよ合点がいかない。
 だが、嵐聖は椅子を引いて立ち上がっていた。理由はどうあれ、星苑学院の各部の中でも美少女が集っているという、トワリング部の練習を見てくれとリーダーが自ら要請に来たのだ。
 拒む理由などない。
 しかも男子禁制とも評判のバトントワリング館へ入れてもらい、レオタード姿で稽古する美少女たちの姿態を拝める。
 成熟しきっていない彼女たちの、果実のような汗の香りが満ちているはずだ。
 男ならすいぜんの的であり、金を出しても滅多に適わぬことだろう。教師とて、同じだ。
「見るだけで、いいのか。……」
 昂りを隠すように、平静を装って訊いた。
 おそらく、音楽の教師である彼に、曲の選定をして欲しいとでも依頼に来たのだろう。
「ええ、見ていただくだけで結構です。それと、ちょっとお願いがあるのですが、トワリング館に行ってから……」
 黙礼し、きびすを返す。
(こういうこともあるから、音楽教師も捨てたもんじゃあないぜ)
 頷き、嵐聖は居合わせた数人の教師の視線を浴びながら、胸を張り水城葉月の後に続いて職員室を出た。
 バトントワリング館は校舎の裏手にあり、しかも二百メートルほど離れている。剣道部や柔道部の武道館もそうだが、校舎と独立した場所に設けられてあるのだ。
 他の各部も、それぞれ立派な部室や練習場を与えられている。学院は単に部活を奨励しているだけでなく、相応の場所を生徒に提供しているわけだ。
 それだけに、学院の生徒は部活を義務付けられている。一芸に秀でる者を育てることを旨とした創立者の精神が、生徒全員のクラブ活動を校規とし定めている。
 つまり、学院の生徒は文科系か運動部系のクラブの何れかに所属し、活動をしなければならない。
 それに反する者は、退学と規定されているのだ。
 それだけに学院の部活動は盛んで、殆どの部が各大会で優秀な成績を収めている。
 とりわけバトントワリング部は優秀で、館と呼ばれる独立した体育館を与えられているほどだ。
 サッカー部とラグビー部のグラウンドの脇を抜け、欅並木の下を水城葉月が藤色のプリーツスカートを揺らしながら淑やかに歩いて行く。
 他校の生徒からも羨望される藤色の制服は、彼女のすらりとした姿態に、一層引き立って見える。
 嵐聖は三歩後を歩きながら、プリーツスカートに包まれた水城葉月の形良く盛り上がった尻から視線を逸らさなかった。

     2

 軽快な曲が館から洩れてくる。
 水城葉月がドアを開け、彼を促す。
「いいのかい、……」
 おもわず訊いていた。
 女生徒だけの部であり、密かに彼女の部屋へ招かれたような気がしたからだ。水城葉月が「どうぞ」という感じで、手を差し伸べ彼を促す。
 嵐聖は黙礼し、玄関の中に足を踏み入れた。
 館のフローリングの床を弾ませ、カラフルなコスチュームに身を包んだ女生徒たちがバトンを手に体を躍動させている。
 超ミニスカートから伸びた褐色の太腿が、跳び、撥ね、回転する。
 フレアが捲れ、黄色のスコートに包まれた尻が露出する。何れも、健康美に溢れた肢体ばかりで、コスチュームの背には汗が滲んでいる。
 嵐聖は彼女たちの姿態に視線を向けながら、小刻みに息を吸い、発散する汗の匂いを嗅ごうとした。
 
 
 
 
〜〜『吼えろ戦慄教師』(北原双治)〜〜
 
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