官能小説販売サイト 由紀かほる 『黒絹の狩人〜美女連続暴行事件〜』
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由紀かほる   黒絹の狩人〜美女連続暴行事件〜

目 次
第一章 真昼の恐喝者
第二章 アクトレスの雫
第三章 堕ちた偶像
第四章 負け犬
第五章 逆 襲
第六章 狼の巣
第七章 勝利の美酒

(C)Kaoru Yuki

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   第一章 真昼の恐喝者

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 赤坂にあるホテルのロビーで、うおずみいわおはスポーツ紙を拡げながら、目玉となっているアダルト記事に眼を落としていた。
 三十分近く、ソファに座って脚を組んでいたので、カーキ色のチノパンツは股間のところにシワが深く刻まれていた。トップは臙脂のパーカーを着て、黒いポロのキャップを眼深に被っている。
 キャップの下にあるはずのもみ上げや、うなじに髪が一本もないのが、どことなく無気味だが、全体としてはその場の雰囲気に溶け込んでいると言えた。
 ただし、ときおり正面入口に向けられる眼差しの鋭さと、ネットリとした濃厚さを湛えた輝きは、やっぱり異様だった。事実、偶然視線のかち合った者は、きまってひるみ、あわてて視線を逸らした。
 夕刻を迎えて、ロビーには入れ替わり客がやって来ては立ち去っていく。
 そこへ回転ドアを押して、胸もとが深く割れたワンピース姿の女が姿を見せた。黒いミニのワンピースは、左脚の腿にスリットが入って、イヤでもまわりの視線を集めずにはおかなかった。
 ハイヒールを履いているせいもあるが、女はスラリとした長身だった。均整がとれている、というより身体つき自体が派手だった。腰のくびれ方がバストとヒップの豊かさを、しっかりと強調していた。自慢げに見せたくなるのも、充分頷ける高級ボディだった。
 来たな――魚住は下唇をチロッと舐めた。
 女がロビーを見渡しながら、空いたソファの方へ歩いていくのを、眼の隅で追うと、新聞をたたんで立ち上がった。
 すぐ先にある電話ボックスに入り、このホテルのロビーへダイヤルした。
「人を呼び出してもらいたい」
「お名前は?」
「青島だ。女性だ。ロビーにいるはずだ」
「かしこまりました。ただ今、お呼びいたしますので、少々お待ちください」
 ロビーに青島を呼び出す声が流れた。先ほどの黒いミニのワンピース姿の里乃がフロントへ行くと、係の男が脇にある電話の方を手で示した。
 里乃が受話器を取るのが、電話ボックスから見えた。
「はい」
「時間にはルーズらしいな、青島里乃さんは」
「車が混んでいたのよ」
「取り引きする気がないなら、中止にしてもいいんだぜ」
「……」
 ムッとした里乃の表情が見てとれた。
「どうする? 元ハイレッグ・ガールズの青島里乃の本番裏ビデオなら、高く売れるからなぁ」
「……」
「まだ五、六年は芸能界で稼ぎたいんだろう? 引退するのはもったいないぜ。実際、いい身体してるじゃないか」
「わ、わかったわよ。どうすればいいの」
 里乃はイラついた声を出した。
「金は持って来たんだな」
「ええ」
「よし。一人で来たか、たしかめさせてもらう。いったん外へ出て、ホテルのある通りから裏通りに出て歩道橋を渡れ。降りずに、そこで待ってるんだ。携帯に電話する」
「で、でも――」
「言われた通りにしろ、もし、妙な行動をとったら取り引きは中止だ。ビデオは流すからな」
 かまわず魚住は電話を切った。
 里乃がホテルの玄関を出て行くのを待って、電話ボックスを出た。
 フロントでキーを受け取ると、魚住はエレベーターで四階へ上がった。取っていた部屋に入る。灯りはつけずに、窓から下を窺う。
 やがて、ほとんど人の利用しない歩道橋の上、里乃の姿が見えた。二十分ほどしてから、自らも携帯を使って電話をかけた。
「何してたの、ずっと待ってたのよ」
 不安が怒りになって、里乃は話しかけてきた。
「言ったろう? 一人かどうか確かめていたって」
「誰もいないわよ」
「ふうん」
 はぐらかすように言って、魚住は双眼鏡で見下ろした。
「じゃあ、その証拠をみせてもらおう。もし、尾行者がいたら、思わず駆けつけたくなるようなことをするんだ」
「何をすればいいって言うの」
「裸になれ」
「……」
 里乃は息を呑んでいた。本気か冗談か判断がつかなかったのだ。
「聴こえなかったのか」
「じょ、冗談じゃないわ」
「フフ、ま、それは冗談ってことにしておこう。ところで、今夜のパンティの色は何色かな。そのセクシーなレースのワンピースの下なら、やっぱり黒かな? うん?」
「何の話」
「答えろよ。逆らうなら取り引きは中止だぜ」
「そ、そうよ」
 声がさすがに低くなった。
「聴こえねえぞ。ハッキリ言いな」
「く、黒よ」
「どんな形だ、うん?」
「フ、フツーよ」
「ちゃんと説明しろ。ハイレグかい」
「まあ、そうだけど――」
 
 
 
 
〜〜『黒絹の狩人〜美女連続暴行事件〜』(由紀かほる)〜〜
 
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