川口青樹    奴隷調教ビジネス請負人 
 
 
(C)Seijyu Kawaguchi 
 
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「ううっ、おっ、お水ちょうだい、お水」 
 部屋のどこからか、か細い声が聞こえていた。 
 男は、ちょうどその部屋に戻ってきたところだった。 
「ふふん」 
 顎に手を当てると、男は鼻で笑っていた。 
「み、水…」 
 部屋の押入れのような所を、がらっと開けると、そこには、白い肌の膨らみを麻縄で絡められた女体が横たわっていた。 
 男の顔を見ると懇願するように、体を起こそうとする。 
 ひねった体の動きで、むき出しの乳房がいっそう絞り込まれて突き出された。もう喉は嗄れてほとんど声が出ていない。 
「これが欲しいか」 
 テーブルの上の水差しを指しているのを見て、その女は懸命に頭を振った。 
「く・だ・さ・い。……そ・れ・を」 
「だめだ。その前にあれを欲しいと言わねえと」 
 男の言わんとしていることは、女には分かっていた。 
「おっ、お・ち・………」 
「ふん、あんまり欲しくなさそうだな」 
「うっ、くっ、ください。欲・し・いです」 
「それじゃあ、何が欲しいのかわからねえだろうが」 
「ううっ、ひっ」 
 もう、ほとんど声にならない状態での言葉の繰り返しは拷問に近い。 
「しゃあねえな。声が出ねえなら、体って奴があるんじゃねえのか」 
 そう言うと、男は、縛られた女の前に屈んで股を開いた。 
 彼女は無器用に体を起こすと、男の股間に口を当てた。 
 そして赤い唇を膨らみに当てると、そこにあるチャックを口に咥えて少しずつ引き下ろした。 
「そうだ、やればできるんじゃねえか」 
 チャックを開けると信じられない太さの肉の塊が、女の口元に顔を出した。 
 それは、まるで太いままのハムを思わせる。 
「ほら、くわえんかい」 
 女が男のペニスを頬張ると、口の中に大きな太い棒が押し込まれているように見える。 
「うぐ、うぐう」 
「もっと舌を使うんでい」 
 彼女の口がやや動き始めた。 
 口の動きが体に伝わり、次第にその肌には汗が染み出してきていた。 
「ほれ、口を開けろ」 
「はあ、はあ、うふう」 
 女は息も荒く、その長大な一物を口から抜くと、それでも必死で上に向かって大きく口を開けた。 
 男は、机の上に置いてあったポットを取ると、中の水を自分の口にふくんだ。 
 そして、そのまま口を開けて下へ水を落とした。 
 それを女は、岩場から涌き出てくる清水を受けるように、喉をごくごくと鳴らして飲んだ。 
「もっと欲しいか」 
 ようやく生き返ったような目をして、女はうなずいた。 
「よしよし」 
 男は、ポットの水を全部、口の大きなポリバケツに空けてしまった。 
 さらにその女を正座させるように起こした。 
「この中に顔を突っ込んで、中の水を全て飲め」 
「ううっ」 
 女は、頭ごとポリバケツに入れると、液面に口を当てて飲み出した。 
 よほど喉が渇いていたのだろう。 
 見る見るうちにバケツの中は浅くなっていった。 
「ふー」 
 女は満足したのか、やっと顔を上げた。 
「だめでい。まだ残っているじゃねえか」 
 男が言うと、再びその女は、顔を突っ込んだ。 
 しかし、もうかなりの量を飲んでいるので、それで限界だった。 
「だめー、もう飲めない」 
 男は、女を起こすと、口にマウスストッパーと呼ばれる口枷をはめた。 
 これを付けられると常時、口が開きっぱなしになってしまうのだ。 
 そこへバケツに残った水を注ぎ入れた。 
「ううっ、ごほっ、ごぼっ」 
 水の勢いにむせてしまうのだが、口が開いたままなのでどんどん水が流入してくる。 
 この女は、自己破産寸前の独身OLだった。もうここへ来て一カ月になろうとしていた。 
 電話が鳴った。 
「はい、インタービジネスです」 
「あのー、そちらではM女性を世話してもらえるって聞いたんですが本当ですか」 
「いいえ、お間違いだと思いますが」 
「はあ、そうですか、どうも」 
 受話器を置くと、平田はインターホンを押して里中を呼んだ。 
「おい、また例の電話があったぞ」 
「そうですか、すみません。もう漏れないように充分注意しているはずなのですが、もう一度徹底します。それと、もう一つ、調達の件ですが…」 
 里中と呼ばれた男は、平田より少し老けているが、その礼儀正しい身のこなし方は、どこかの銀行マンを思わせた。 
「そうか、で、どうだ、いい娘がいそうか」 
「はあ、まあなんとかなりそうなのが、五人。うち有望そうなのが、二人ってところですね」 
「…少ないな。まあしょうがないだろう。来週には面通ししたいな」 
「わかりました、準備します」 
 里中が別室に消えると、五分も経たないうちに再び電話のベルが鳴った。 
「はい、あっ、これは先生、どうもご無沙汰しておりまして。はっ、そうですね、まあまあってところでしょうか。……、はい、…そうですか、いつもありがとうございます。いや、もう先生のご紹介なら……はっ、承知しました。では、今夜にもお伺い致しまして、はっ、どうも」 
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