鳳春紀 『僕の兄嫁〜典子が白衣を濡らすとき…〜』
鳳 春紀 僕の兄嫁〜典子が白衣を濡らすとき…〜
目 次
第一章 僕が見てしまった兄嫁の痴態
第二章 僕が知った禁断の味
第三章 僕が辱しめた兄嫁の妹
第四章 僕と兄嫁の新しい日常
第五章 僕の味を忘れられない兄嫁
第六章 僕のものになった兄嫁
(C)Haruki Ohtori
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第一章 僕が見てしまった兄嫁の痴態
僕が拾った魅布
すんなりとした脚が、ダイニングテーブルの下に伸びている。締まった足首、くっきりとしたアキレス腱。立ち働きに馴れている女の脚である。
十八歳になったばかりの
田
た
島
じま
享
きょう
介
すけ
は、さっきから布張りのソファにぐったりともたれかかるような姿勢でテレビを観るふりをしつつ、如才なくダイニングテーブルの下の脚に鋭い視線を流していた。
さんざんに考えて選んだ位置から見えるのは、美しい脚ばかりではない。女っぽい膝、さらにはたっぷりとした腿。今しがた脚を組みはじめたために、ふだんはスカートに隠されている腿の裏までが、二メートルばかり先のところに見えている。テーブルの下の薄暗がりなのに肌の白い輝きがくっきりとわかる。
頼むから、もう少しだけ脚を開いてくれよ……享介はじりじりとした気持ちで念じた。
彼女が暑がるようにと、あらかじめエアコンの温度を少し高めに設定しておいたのだ。どのような下着でこの女が恥ずかしい部分を隠しているのか、知りたかった。派手なパンティでもいい、コットンの質素なものでもいい。とにかく、どんなものであろうとも彼女が着けているならば、それは魅惑的なはずだと享介は確信していた。
田島家のダイニングテーブルで遅めの夕食をとっているのは、倉崎紗智子である。紗智子とは血は繋がってはいないが、赤の他人とはいえない。享介の兄である田島恭一郎の妻、典子の実妹なのである。
しかし、姉の典子とは似ているところよりも似ていない部分のほうが多かった。二人とも女らしさが全身にあふれてはいるが、雰囲気がずいぶんと違っていた。享介の兄の恭一郎と結婚している姉の典子には、少しむちっとした体型に見合った女らしい抱擁力があるのに、独身である妹の紗智子はスレンダーな感じで、少し人見知りするようなよそよそしさがあるのだ。
もちろん、それは単に見かけだけのことであり、紗智子が実際に享介に対して特別によそよそしく振る舞うというわけではなかった。むしろ、享介が意識をしているためにそう見えてしまうのである。
これまで享介は、年上の女に性的な魅力を覚えたことは一度もなかった。けれども、ここに仮住まいするようになってから気持ちがずいぶんと変わってしまったことは、みずから認めるしかなかった。姻戚関係にあるのにもかかわらず、この二人の姉妹に限っては独特な意味での「女」を感じてしまうのだ。
それほど悩ましい女のひとりである典子は同じ家に住み、倉崎紗智子のほうはこの家のすぐ隣りにあるアパートの一階の部屋に仮住まいしているのである。だから、彼女らのことをすっかり忘れて受験勉強に打ちこむにはかなりの努力が必要だった。
そもそも享介が兄夫婦の一戸建ての二階の一室に約三週間だけ居候することになったのは、予備校の夏期講座に通うためであった。本来は、勤務している病院の新しい看護婦寮の完成が遅れているため、倉崎紗智子が短期間だけ二階の一室を借りることになっていた。しかし、添乗員をしているために恭一郎は留守がちであり、用心のためにも紗智子にではなく男の享介に一室を貸したのである。
享介は最初こそレンタルマンションにでも住みたいと思っていたが、とりあえずここの二階の一室に起居してみて、思いもかけない居心地のよさを知った。まずは、兄恭一郎の不在である。仕事の関係でほとんどが長期の出張である。だから、危惧していた兄弟ならではの干渉などほとんどなかった。
また、恭一郎の妻である典子も、近くの町病院で看護婦をしているせいで家を空けることが多いのである。週に三日も夕食を一緒にとることがあればいいほうだった。たいがい帰宅は早くても夜の八時過ぎになる。
田島典子は、自分が遅くなるときでも享介のための夕食を作っておいてくれていた。スーパーで買った総菜だけで間に合わせることは、一週間に一度くらいしかなかった。いや、典子は享介のためだけに夕食を準備しておいてくれるわけではなかった。妹の紗智子のためにも夕食を作っておいてくれた。
大学病院で看護婦をしている紗智子は、勤務ローテーションによって遅番の日と早番の日があるが、早番の日と休みの日だけは田島家で夕食をとるのである。洗濯機も田島家のものを使い、干すのは自分のアパートでだった。
そして蒸し暑くなった今夜、倉崎紗智子が家で夕食をとるのを知っていた享介は、いつも通りに二階の部屋には引きあげずに、ダイニングに残ってテレビを観るふりをしつつ、テーブルの下に見える彼女の脚や腿を鑑賞しているわけであった。
「確か、享介くんは教育学部を受けるんだったわよね」
紗智子から突然に話しかけられて、彼はあらぬほうへと眼を向けた。
「いや、教育学部じゃなくて教養学部」
かえす声もちょっとだけうわずってしまった。
「ふうん、そういう学部もあるのね」
紗智子は食べ終わると皿や茶碗を重ねてキッチンへ運び、冷やした麦茶を持ってきた。テーブルの上に夕刊をひろげて目を通しはじめる。
「また脱線事故」
〜〜『僕の兄嫁〜典子が白衣を濡らすとき…〜』(鳳春紀)〜〜
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