官能小説販売サイト 鳳春紀 『蜜桃少女』
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鳳 春紀    蜜桃少女

目 次
美しすぎる獲物
秘書が淫情にく夜
美少女恥態責め
蜜桃少女
淫室のカノン
OLの揺れる秘密
冬に咲く若淫花
モデルまりの匂い蜜
十九歳の甘蜜しぼり
果肉のくねり
弟いびり
お相手は同級生のパパ

(C)Haruki Ohtori

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   美しすぎる獲物

 制服のプリーツスカートはかなり短めなのに、白いブラウスの上に着ている紺のカーディガンはあまりにも大きめだ。長すぎる袖からは指先しか出ていない。
 そんな通学姿だから一見では子供っぽい高校生だが、実際にはみごとな肢体を隠し持っているのが藤木麻由美である。
 そのことを岡村が知ったのはつい十日ばかり前のことだった。架設電話線の補修をしていたときに電信柱から偶然に彼女の部屋が見えたのである。
 ちょうど学校から帰ってきたときだった。彼女はかばんをベッドの上に放り出すと、カーディガンやスカートを脱ぎ出した。部屋が二階だし、隣が駐車場だから警戒感が薄れているのか、カーテンも閉めていなかった。
 電柱に登って絶縁確認の作業をしていた岡村は思わず手を止めた。これまで仕事中に、昼寝をするホステスの姿や、自慰らしいことをしている若い女の姿などをかいま見たことがあるが、今回はまったく別格だった。
 窓ガラス越しとはいえ、ぞっとするほど魅惑的な女子高校生だったのだ。
 もう三十近い岡村にとって、これまで女子高校生など小便くさい子供にしか映っていなかった。その観念は、彼女を見たときに簡単にくつがえされてしまっていた。
 ポニーテールをほどいて軽く頭を振った彼女の肘あたりまで黒髪が落ちた。茶色や赤に髪の毛を染めるのがあたりまえのようになっている今時分にあって、しっとりとした艶のある黒い髪はかえって貴重な美しさに満ちていた。
 彼女はブラウスを脱ぐと、手慣れた感じでブラジャーもはずし、白いパンティ一枚だけの姿になってドレッサーのスツールに浅く腰かけた。
 ドレッサーの鏡に彼女の上体の半分が映っているが、前にたれた長い髪が残念ながら胸の乳房を隠していた。電柱に安全ベルトを掛けている岡村に見えるのは、窓越しに斜めに見下ろされた彼女の背中だけである。
 それだけでも男の眼を奪うには充分だった。そった背の真ん中がまっすぐ縦にへこみ、細いウェストにもかかわらず尻が大きく張り出している。しかし下品ではなく若い色気に染まり、同時にまた危うい淫猥さを隠し持っているような雰囲気があった。
 美とも淫とも判定しがたい絶妙な均衡の上に彼女の肉体はあるのだ。崩れた雰囲気など微塵もないから処女のように見えるが、豊かなヒップに掛かっているパンティの形は高校生にしては扇情的なものだった。
 白い生地ではあるが、尻たぶがはみ出ている。あんなに生地面積の小さい下着をつけて高校の授業を受けていると思うと、岡村としては眼がくらみそうになる。
 しかし、パンティの生地端が尻の割れ目に食い込んでるせいで、そう見えるのかもしれなかった。遠目のうえに窓越しだからそのあたりが見極めにくい。
 もうちょっと姿勢を変えてくれないだろうかとじれったがっていると、
「おおい、まだかよ」
 下にいる同僚から催促の声をかけられて岡村は再び作業の手を動かした。
 それだけで終わるならば、たまに訪れてくるぎょうこうの一つにすぎなかったろう。それから数日後、駐車場の配線の点検の仕事があって、岡村はまた彼女の家の近くで作業をすることになったのである。
 今度はあの女子高校生の姿を見ることはできなかったが、家の表札から苗字を知ることができた。「藤木」である。そして、外国製らしいしゃれた郵便受けに眼を転じてみると、家族それぞれの名前が小さく記されていた。そこで彼女の名前が「麻由美」だとわかったわけである。
 その日以来、岡村は給料が入ってもいつものように女を買いに行くことができなくなってしまった。藤木麻由美のことが頭から離れないのである。
 中学生時代、岡村にとって女は神秘であった。それと同じような気持ちが今再び芽生えていた。藤木麻由美も女ではあろうが、金や酔いの勢いで男に抱かれるような他の女とはまったく異なったものに思えるのである。
 どんな声をしているのか。どんな体臭なのか。どんな形の乳房なのか。恥毛はどんなふうに生えているのか。もう勃起を間近で見たことがあるのか……。藤木麻由美のすべてが知りたくなった。
 そのすべてを知ることは難しいだろうが、部分的に知るのは決して不可能なことではない。職業柄、高い場所に登ることは得意だ。暗がりの中でもあの家の塀から彼女の部屋のベランダに行くことくらいは容易だ。
 けれどもそんなバカなことまでして、という気持ちが行動を抑制していたのはほんの数日の間だった。ある夜、岡村は同僚らと酒を飲んで別れてから、衝動に押されるようにして藤木麻由美の家のベランダに登った。
 寒い日だったせいか、カーテンが半分だけ引かれていた。岡村はジャンパーのジッパーを首元まで締め、コンクリートに這いつくばった姿勢でガラス戸に顔を近づけた。彼女はベッドの上にいた。
 えんいろのチェックのパジャマ姿で腹ばいになって、枕を抱くような形でマンガ本を読んでいる。時折足をばたつかせたりしている様子はいかにも少女っぽい。
 髪が揺れると横顔が見える。岡村はかたを呑んだ。電柱の上から見たときよりも整った容貌だった。並みの女が一流のコスメをしてもらっても獲得できない美貌が彼女の地顔なのである。
 上唇が少しめくれがちで、睫毛が上下ともに濃く長い。それは、彼女の陰唇のめくれ具合いと、周囲に密生する恥毛の濃さを想像させた。
 すると、ふと彼女は片手を伸ばしてミネラルウォーターのミニボトルを引き寄せた。その一瞬だけ、パジャマの上着がずり上がって白い肌が見えた。
 岡村はもう少し早くここに来るべきだったと悔やんだ。居酒屋をもうちょっとだけ早く切り上げていれば、藤木麻由美がパジャマに着替える半裸の姿をこの近さから拝むことができたのだ。
 しかし、チャンスは今夜ばかりではない。明日の夜も、あさっての夜にも可能性は開かれているのだ。ベッドに入る前に風呂に入るかもしれない。全裸を観賞できることもありえるのだ。そう思うと、熱い嬉しさがこみあげてくる。
 しばらくして、彼女は伏せたまま寝入ったようだ。しどけなくなった手からマンガ本がベッドの下に落ちた。部屋の明かりはついたままだ。
 ひょっとしたら部屋に充満する彼女の匂いだけでも嗅げないだろうか。そう思って岡村はガラス戸に手をかけたが、施錠されていて動かなかった。彼はそれから十五分ほどベランダにいてから、用心深く塀の外に降りた。
 翌日の夜、岡村は藤木家の前まで行ってみたが、彼女の部屋は真っ暗だった。近くのコンビニで時間を潰し、もう一度足を運んでも部屋にはまだ明かりがついていない。外出しているのか、別の部屋にいるのかさえ、見当がつかない。赤ちょうちんに十一時までいてから見に来ても同じことだった。
 次の日は彼女の部屋に明かりがともっていたが、ベランダに登ることはできなかった。車上荒らしでもあったのか、隣の駐車場に制服の警官が何人も来ていたのである。
 そういうしょうがいがあるほど、岡村の気持ちはいやがうえにも高まった。こうなれば、どんな手段を使ってでも彼女の無防備な姿を窃視したくなる。
 そして思いついたのが、下着を送りつけることだった。最近の宅配便は時間指定ができる。彼女が帰宅する頃に届くようにすればいいのだ。
 無邪気な好奇心からその下着を身につけてくれればベストなのだが、驚いて恥じらう顔を観賞できるだけでもかまわない。きわどい下着だから家人に相談することもできないだろう。彼女はいったいどんな反応をするのか……。
 岡村はランジェリーショップの女店員の視線を浴びながら、選びに選んでブラジャーとTバックパンティのセットを買った。一万円以上かかったが、高いとは思わなかった。
 色は燃えるような赤だ。しかも部分的にシースルーになっている。ブラジャーのカップは乳首がこぼれそうなほどに浅く、パンティはほとんど布地がなく、紐に近いものだ。包みにはプレゼント用の可愛いリボンをかけてもらった。
 まだ夕暮れ時である。危険はあったが、コンクリートの色に近いジャンパーを着込んだ岡村は周囲を注意深く見渡してからベランダに登った。そろそろ宅配便が配達されてもいい時刻である。
 ガラス戸に体が映らない場所にうずくまり、じっと息を殺した。藤木麻由美がベランダに出てくればおしまいである。そのときは下に飛び降りるしかないと覚悟していた。
 あたりに暗さが増してきたころ、部屋から人声が聞こえてきた。一瞬ぞっとしたが、やがてテレビの音だとわかった。岡村は静かにガラス戸に片目を寄せた。
 思わず声を出しそうになるくらいの光景がそこにあった。長めのだぶだぶのTシャツを着た彼女がすぐそこにいたのだ。
 ベッドに背をもたせかけ、こころもち開いた両脚を左右に軽く投げ出し、崩れた体育座りのような姿勢だ。だから太腿どころか、内腿に挟まれた薄水色のパンティまですっかりあらわになっていたのである。
 たちまちにして岡村の股間が反応した。熱が籠ってうずき始める。眼のまわりも熱くなっていた。藤木麻由美という美少女がここまで刺激的な格好を見せてくれることがまだ信じられなかった。
(……本当かよ。すげえじゃん、麻由美ちゃんよ)
 しかし、これは否定しようもない現実だった。長めのTシャツにパンティ一枚だけというリラックスした彼女がすぐそこにいるのだ。
 小型のテレビをつけていながら、麻由美は携帯電話を片手にメール作成に没頭していた。ベランダのほうに視線を向ける気配もないから、岡村はさらにつごうのいい窃視角度を得るためにガラス戸にぐっと顔を近づけた。
 股間が視線の正面になった。
 蛍光灯の明かりが斜めに射している内腿の光景は、ガラスを破って手を伸ばしたくなるほど官能の魅惑に満ちていた。薄水色のパンティ生地のよじれだと思っていたものが、どうやら彼女の陰唇の形を浮き出した形らしいのだ。
 
 
 
 
〜〜『蜜桃少女』(鳳春紀)〜〜
 
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