官能小説販売サイト 由紀かほる 『美囚クロニクル 聖奴の十戒 (上巻)』
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由紀かほる   美囚クロニクル ミューズの十戒 (上巻)

目 次
第1章 狂気の教団
第2章 憎悪と淫欲の輪廻

(C)Kaoru Yuki

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★主要登場人物
佐倉哲太
 世界聖神教会の内幕を暴くことに執念を燃やすルポライター。
萩原奈緒美
 哲太の婚約者。JANの国際線スチュワーデス。
佐倉雅彦
 哲太の兄。新聞社の記者であったが、娘の死の直後、海外支社に赴任する。
佐倉かずき
 JANの国際線スチュワーデスにして、雅彦の妻。娘を聖神教会信者に殺される。
佐倉史郎
 佐倉三兄弟の長兄。フリーのカメラマンをしていたが、アジアで消息を絶つ。
若菜美咲
 失踪した史郎の婚約者。JANのスチュワーデスパーサー。
佐倉知世
 雅彦とかずきの娘。聖神教会信者に襲われ死亡。
竜門一馬
 奈緒美の先輩スチュワードで、哲太の大学時代の後輩でもある。
佐倉大和
 佐倉三兄弟の祖父。三段跳びでオリンピック出場。大戦中はS国に駐屯。
金丸草一
 雅彦と大学の同期生。剣道部のライバルだった。
里見
 西ノ河原の漁師。史郎に極秘レポートを託される。
佐田
 哲太がルポを発表している月刊誌『フリー』の編集長。
内田芽久美
 奈緒美と同期のスチュワーデス。
宇田川智子
 聖神教会北海道支部の訓練所監視員。女奴隷の飼育係。
郷原
 S国で軍除隊後、聖神教会に入信。「奉仕活動」を行なう第四セクションの局長。
梁尊明
 聖神教会第一書記のS国人。大戦中日本軍に父親を殺され、日本人を憎悪している。
亜絽夢
 聖神教会教祖の血縁者。矮男。囚人たちをなぶることに悦びを覚えている。
曹副員長
 聖神教会北海道支部の訓練所副監視員長。ノース・ファーム所長。

 北海道(後志)の聖神教会訓練所所長。
留美教授
 教団施設内で男性囚人を支配する女王。調教用の様々な薬物を開発している。
小熊常男
 深夜に帰宅途中の女性を自転車で襲い続けた変質者。
沼地悦男
 強姦・殺人を繰り返した筋金入りの犯罪者。聖神教会が手を差し延べる。

 揚家の使用人。梁尊明の父。
山城茂一
 十叶満里子に執着する国会議員。在日S国人。


   第1章 狂気の教団

     1

〃大和市C町の路上で今朝、通園途中のH保育園児、くらともちゃん(五つ)が、建物から飛び出してきた男に包丁で刺され死亡した。こう容疑者(四十一歳)が逮捕されたが、羽賀容疑者は以前にもハンマーを振り回して、近所の窓ガラスを割るなどしていた。動機については「トラの神様の御告げ」などと支離滅裂な供述をしている〃
〃神奈川県警は昨日、横浜市の路上で帰宅途中の女性を続けて襲ったとして暴行・傷害の疑いで三十四歳の中学教師を逮捕した。自転車で背後から迫り、髪を掴んだり殴ったりする手口で、犯行は三十件以上にものぼっていた。狙いはいずれもロングヘアの若い女性で、悲鳴と逃走するスリルに快感を覚えていたという〃

「本当にいいのかなあ」
 りゅうもんかずはレンタカーのドアを開けて、運転席のはぎわらを見やった。
「イヤならいいのよ、別に」
 スチュワーデスの制服を着た奈緒美は、片手をハンドルにかけて、今にもアクセルを踏み出しそうだった。
「い、いや、行くよ、行きますよ」
 竜門はシートに座ったために、二十センチ以上ムキ出しになった弾けそうな太腿にチラッと目を這わせてから、急いで助手席に乗り込んだ。
 シートベルトを締め終わらぬうちに、車は勢いよく発進していた。
 口を開きかけたが、制服のミニから伸びる脚が力強くアクセルを踏むのを目の当たりにすると、文句も言えなくなった。
「小樽の夜景を観に行かない?」
 言い出したのは奈緒美の方だった。
 中国からのフライトを終えて、二人はすぐに東京に帰ってもよかったし、一泊するのも自由だった。
 スチュワードの竜門には、東京で特別に待っている相手がいるわけではなかった。
「フィアンセの佐倉さんには何て言うんだい?」
 千歳から高速に乗ったところで、竜門が奈緒美に声をかけた。
「何も言わないわ。訊かれたら話すけど。どうして」
 
 
 
 
〜〜『美囚クロニクル 聖奴の十戒 (上巻)』(由紀かほる)〜〜
 
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