官能小説販売サイト 中村嘉子 『恥ずかしい時刻』
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中村嘉子    恥ずかしい

目 次
痴漢男と女高生
柔娘の吸唇
叔母夫婦に犯されて
剃毛儀式
はじまりは教師から
売春への憧れ
後ろもなめて
母がライバル
放尿のあとで
上質な肉唇
セーラー服の報復
覗 き 娘

(C)Yoshiko Nakamura

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   痴漢男と女高生

     1

 冬になると、つまらない。
 とりわけ通学のために毎日乗っている電車の中が、退屈で、うっとうしくてたまらない。
(……あーあ、夏はよかったなあ。まわりのどこを見たって、みぃんな刺激的だったもん。汗でカラダにくっついちゃってるTシャツとか、中身がいかにもれてる感じのピチピチジーンズとか……。それに比べて、冬はダーメ。みぃんなモコモコな厚着しちゃってて、森のクマさんみたいじゃん……)
 扉のガラスにはりつくように満員電車に乗りながら、ともは心の中で溜め息とともにそう思った。
 冬は、とにかく、つまらない。
 なにがつまらないかと言えば、男どもの服装である。
 着ぶくれて、肌の感じは勿論、からだの線さえ見えず、男どもがちっともセクシーに見えない。
 夏場の友子の最大の楽しみは、男性の、例えば、薄いTシャツの下に感じる筋肉とか、ピッチリしたジーパンの股間のふくらみとか、そういった、〃オスくささ〃を、電車の中や街なかで、盗み見ることだった。
(わっ、アイツのって、おっきい! 顔や躰つきナヨナヨしてるのに、アソコだけしっかりオトコしちゃってる……)
 とか、
(やだ、あのヒト、Tシャツのワキの下から毛が出てるよォ……。でも、男のワキ毛って、なあんかちょっと、セクシー……)
 などと、盗み見てはいちいち心の中ではやしたてていた。
 カルイ感じで、ほとんどゲーム感覚……のようだが、これが実はそうでもなかったのだ。
 ゲームしているふりをして、実のところは、男の色気を楽しんでいた。
 友子は、まだ処女である。が、処女は処女なりに感じる男の〃眺め〃というものがあり、夏場は、みんなが薄着をしているおかげで、それをたっぷりと見ることができたのだ。
 その〃眺め〃が、秋になって少なくなり、冬になった今はまったくなくなってしまった。
(……つまんないよン……。アタシなんかさァ、恋人とかいないしィ……女子校だからBFらしいBFもいないしィ……ま、キスはしたことあるけど、処女だもん……性的な楽しみっつったら、ことだけだったのにさ……)
 
 
 
 
〜〜『恥ずかしい時刻』(中村嘉子)〜〜
 
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