官能小説販売サイト 北本世之介(監修) 『濡れる女囚たち1〜慟哭ドキュメント〜』
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北本世之介(監修) 濡れる女囚たち1〜慟哭ドキュメント〜

目 次
まえがき
一話 血が憎い! 美人教師を襲った淫愛
二話 マザコン夫と姑の仕打ちに失望
三話 未来の院長夫人を夢みた美人女子大生
四話 ヤクザの性戯に溺れ、三角関係に
五話 騎乗位で夫を貪り奪う姪の背中に凶刃を!
六話 酒乱の暴力夫に芽生えた殺意と年下男への愛
七話 愛児を虐待する義父への凶行とただれた愛
八話 四角関係を血の海に染めた日陰女の愛
九話 披露宴会場の新郎を襲う子連れ未亡人
十話 純愛を奪った父の心臓を抉った娘
十一話 狼たちにオモチャにされ、復讐の刃を!
十二話 悪徳淫獣の性戯に濡れた人妻の結末
十三話 射精の瞬間に男へ刃を向けた女
十四話 浮気を夫に密告された人妻が呼んだ惨劇!
十五話 愛娘の死に半狂乱、朝帰り夫へ逆まく殺意
十六話 妊娠を許さぬ男への愛と性欲を履き違え
十七話 更生への道を歩む元女囚に立ちはだかる牡獣
十八話 ムショ帰りの男に捧ぐ美人看護婦の哀しい性
十九話 真面目OLがハマった白い粉の魔力と甘い蜜
(登場人物はすべて仮名です)

(C)Yonosuke Kitamoto

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   まえがき

 愛した男との狂おしい情炎の嵐、初めて知った目もくらむばかりのやるせない歓喜……。
 寝てもさめても男に抱かれる悦びを追いかけていた私を襲ったのは、底知れぬ憎しみと絶望、そして殺意でした。明日のことなど考えもしなかった愛の情念が負の感情に反転したとき、血の海の向こうに立ち昇ってきたのは、みずからも傷つき、涙も枯れた多くの女たちが棲む、高く白い塀に囲まれた無機質の建物だったのです――。


 一話 血が憎い! 美人教師を襲った淫愛

 車のスピードが増すにつれ、高い塀に囲まれたコンクリートの建物が、しだいに玩具のように小さくなってゆく。
 その建物の上には、雲ひとつない澄んだ青空がどこまでも広がっている。
 みずしまは、その建物の中で過ごした一年間という、長いようで短かった時間と、さらにそれに続く前のほぼ一年間の時の流れを、ゆっくり頭の中でなぞってみた。
 合わせて二年間のちょうど真ん中に、あのひんやりと冷たい地裁の小さな法廷で読み上げられた裁判長の淡々とした判決文がはさまる。
「主文。被告を懲役一年に処する。訴訟費用は被告人の負担とする」
 それに続いて、かつて同棲していたなかふじあきのりに全治三カ月もの重傷を負わせるに至った犯行の経緯、あるいは犯行の動態、さらには、夕希子すら驚くほど詳細に彼女の生い立ちなどにふれて、判決文が読み上げられた記憶を、夕希子の頭は、初めによみがえらせていた。
(もしわかじまこうに出会わなかったら、中藤昭紀とうまくいっていただろうか……)
 そう心の中でつぶやいてすぐ、夕希子はかぶりを振った。

 いまから約二年前の冬。
 東京の大学を出たばかりの水島夕希子は、中学校の新任教師として、故郷である北関東のこの土地へ舞いもどってきた。
 担当科目は国語で、美術教師をしていた中藤昭紀と、不倫の関係になったのである。
 中藤は当時三十四歳で妻子がいたが、そのことを知りながら、夕希子は死ぬほど中藤に心惹かれてしまったのだ。
 それは中藤も同様で、地方都市のことゆえ、二人は人の目を忍んで逢引きしなければならなかった。
 背徳を犯す罪の意識と、二人だけの秘密を共有する暗い情熱。二人は、初めこそ郊外のモーテルで肉欲をむさぼったが、やがて、週に一度くらいの情事では収まらなくなっていった。
 放課後、誰もいない音楽室や美術室で、わずか五分や十分のあいだに交歓を遂げることもあれば、ときには授業中でも二人で示し合わせておいて、教職員専用のトイレで快楽にわななくこともあった。
 中藤昭紀の前にも何人かの男を知っていたが、夕希子が心を許した男は、中藤が初めてである。
 本当に心を許したとき、性感が何倍にもふくらんで開花し、極端なときには、廊下で中藤の顔を見ただけで、条件反射のように秘部がぐっしょり濡れてしまう事実を、夕希子は彼によって初めて教えられた。
 それまでは、自分のからだの上で息を乱して、ひたすら目的を遂げんとする男たちを、彼女はシラけた気分で眺めていたのだ。
 
 
 
 
〜〜『濡れる女囚たち1〜慟哭ドキュメント〜』(北本世之介(監修))〜〜
 
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