北本世之介 粘膜美人
目 次
好淫ゲーム
秘 悦
粘膜美人
好色肉戯
暴 淫
(C)Yonosuke Kitamoto
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好淫ゲーム
1
水島青光の愛撫に身をゆだねながら、宇都宮梢はさっきから頭の中にひっかかるものを感じていた。
それは歯のあいだにはさまった小骨のような不快感を伴ってくるが、その正体は明らかではない。
正体を明らかにする手がかりを見つけ出せないでいるので、不安な気持がつのる。
(誰が、何のために……)
心につぶやいたとき、ふいに青光の身体が下降し、股が大きくひらかれた。
梢の股のあいだで腹這いになった青光が、蜜をためた彼女の大腿部の付け根に、くちびると舌を押しつけてきたのである。
「あ」
梢の白い肢体が小さく跳ねた。
青光の熱いくちびると舌が泳ぎはじめたとき、彼女は両手で白いシーツをつかんでいた。
「ああ、感じる……」
梢は、頭のなかで鈍くうごめいていたものが快感がふくらむにつれ遠のくのを感じた。
青光の口技は多彩である。
強弱のリズムを加えながら、梢の感覚を上昇させてゆく。
彼は、梢の身体の一部だけ残しておき、全身にこまやかな愛撫をほどこし最後に残った部分を攻撃してくるのである。
そこは、とりわけ時間をかけて入念に責める。
それが好きなのか青光は、くちびるをすぼめてなかにうずめ、猥雑な音をたててあたたかいうるおいをすすりたてる。
「ああ……」
くちびるを埋めこまれたまま舌を中の粘膜にそよがされると、梢はやるせない声をあげた。
彼の熱い舌を吸いこむような動きが自分のその部分に加わってくるのを意識する。ヒクつきすら示しているのを梢はいささかあさましく感じた。
あたたかい蜜がひっきりなしに溢れ青光のあごのあたりまでべたべたのはずだが、見るのは羞ずかしかった。
「お願い、青光……」
梢がすすり上げるように訴えた。
「まだだよ。今夜は梢をいろいろとたのしませてやりたいんだ」
青光は舌をはずし、その舌の先で今度は尿道口をたわむれる。
「そこ、いやっ」
梢が上体をくねらせた。
尿道口に舌を転がされると、独特のくすぐったいような悩ましい性感が走る。
夫の秀和にはない技巧だった。
秀和は前戯は短くて、どちらかというとせっかちに挿入しくる。ときにはたいしてぬれてもいないのに入れてくることがあり痛いくらいだが、それはそれで梢は嫌いではない。
秀和と青光は同じ32歳で、梢より7つ上である。青光のほうがはるかに女性に通じていた。かゆい所に手が差しのべられてくるというか、微細な部分にまで分け入ってくる。それだけ性に熟達していた。秀和はせわしなく挿入してくるが、時間は長く腰もダイナミックにつかってくれる。ときには乱暴に扱ってほしいこともありそんなときには梢は大いに秀和のやりかたに満足したが、やはり青光のように順を追って高めてくれるほうが身体のすみずみにまで快感がゆきわたってこころよい。
青光の舌はひとしきり尿道口周辺で踊ると、続いて裏の花弁や前後のつなぎ目にも執拗に泳いだ。会陰部を強く吸われ、裏のすぼまりに舌をぬるりと挿入されたとき、
「あッあッ」
梢の口から高い声がたった。
青光に持ち上げられた梢の両膝に小きざみなふるえが走る。こそばゆいような悩ましい感覚が梢を取り囲んでくる。
「ああ、ねえ、青光ったらそろそろお願いよぉ」
すすり上げるよな声を梢は口から吐き出していた。
「そろそろ、どうしたいんだ」
「意地悪なひと。あなたが欲しいのよ」
「まだだね」
梢はじらされる感覚も嫌いではない。それは青光によって馴らされたものだが、自分が限界近くまで押し上げられ耐えにたえたあと、あの大きな青光のものでとどめを刺される形を気に入っているからだ。
我慢するときどこかマゾヒスティックな快感を手に入れているのだが、限界いっぱいまでこらえるのはちょうど風船が限度までふくらみきって粉々に弾け散るのに似て、梢は頭のてっぺんから足の先まで小気味よくエクスタシーに浸りきれるのである。
青光は次にぬるぬるになった二枚の花びらをまとめて甘くしゃぶった。
「ああ、いい、たまらないわ」
梢の眉根がぎゅっと中央ににじり寄った。形のいい薄い唇が半開きになり、かすれた息づかいが断続的にこぼれる。
彼はいっとき口もとを小きざみに動かしてからくちびるをはずした。梢の両脚を上げさせたまま肘の幅までさらにひらかせ、顔を離す。
中指を左右の秘丘に軽く押すようにして泳がせながら親指を添え、女体のもっとも起伏に富んだ複雑なたたずまいをひろげてその部分に視線を固定した。
天井から電燈の豆電球がなめてくる。
梢は、白くつややかなヒップからさらにはその下の白いシーツまでおびただしいもので濡らしていた。
いつもそう思うが彼は右側の花弁の横にふたつ連なるホクロを悩ましく感じた。二枚の花びらがヒシ型になるほどひろげ桃色にみちた内部のひだを見つめる。
「ああ、いやなひと、そんなふうにジロジロ見るなんて」
非難がましい口調ではなく、むしろ興奮したかすれぎみの声で梢がいう。
「きれいだよ、梢」
「嬉しいわ。いまわたしはあなたのものなのね」
「そうだ。おれのものだ……」
青光の眉間にそのとき屈折した色がにじんだが、むろん梢は気づかなかった。青光は何かいおうとしてことばをのみこみ、人差し指を蜜まみれのすぼまりにくぐり込ませた。
「あは、あんッ」
梢が足の指をいっせいに内に折り曲げ、両脚の肩を交互にくねらせる。
ゆるやかな指の往復運動が開始されると、粘膜の内奥がうごめきからみつき、吸いこもうとする反応がひろがった。
指のピッチが速まるにつれ、さかんに濡れた音があふれる。
梢は、甘美なしびれがそこから次々と注がれてくるのを感じた。
「いいわ、すごく感じるわ」
青光はいったん指のうごきを停め、中指を加えてふたたびそこに収める。なかで回転させたり、X字型に二指を交差させたままリズミカルに手首を前後させた。
「お願い青光、噛んでっ」
梢の両手がシーツから離れ、宙を泳いでからふくよかな両の乳房をわしづかみにした。青光は、梢の両手がしこった双つの乳首を指の股にはさみ乳房を烈しく揉むのを見てから花弁の上端でふるえながら硬度と体積を増しつつある花弁のさやを、おのがもう一方の手でめくった。さやから顔を出した真珠をくちびるにくるみ、甘く吸いながら情をこめて舌をつかう。
「おお……駄目だわ、あなたを待っていられないの」
梢が声をひきつらせ白いあごを反り返らせると、青光のくちびると舌は手首の動きとともにますます烈しく稼働した。
「ね、いく、行っちゃう」
胸をむちのようにしならせながら梢は達することばを次々とほとばしらせた。
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